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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年5月
138/366

【揺花草子。】<その1572:常に余り気味。>

 【揺花草子。】<その1572:常に余り気味。>


 Bさん「阿部さん学生だった頃の制服ってまだ持ってる?」

 Aさん「えっ・・・うーん・・・どうだろ。

     実家の押し入れの奥とかに眠ってたりするかなぁ・・・。」

 Cさん「じゃあ檻の中で暮らしてたときの制服ならまだあるかしら?」

 Aさん「檻の中で暮らしてたときの制服ってどう言うことですか!!?

     そんな制服着たことないですけど!!?」

 Bさん「いや白黒ボーダー柄のね・・・」

 Aさん「そう言う典型的なやつ・・・。」

 Cさん「と言うか阿部さんの家にあるのは

     専門店で買って来た顔写真付きの女子制服よね。」

 Aさん「違いますよ!!!?????

     そんなんないですからね!!????

     ほんとそう言う穏やかじゃないこと言うのやめてくれません!!????」

 Bさん「とにかく学生服ですよ。

     最近・・・いや最近って言ってももうずいぶん昔からだと思うけど、

     私立校を中心にすごく上等で仕立てのいい制服が多いですよね。」

 Aさん「まあ、そうだねぇ。」

 Cさん「なにしろ3年間毎日着る服だものね。

     そりゃ最後の方はだいぶくたびれて来たりするかもだけど、

     ふつうにそこらへんで売ってる服を3年間毎日なんて

     なかなか着続けられないものね。」

 Aさん「それは・・・そう考えると確かにそうですねぇ。」

 Bさん「進学して制服が新しくなった人たちにとって、

     この時期はようやく新しい制服にも慣れて来たかなーって感じの時期じゃないですか。」

 Aさん「うん、確かにそうかも。」

 Cさん「けれどあと2週間もすれば衣替えでまた違う制服になるのよ。

     慣れたと思ったそばからって感じよね。」

 Aさん「いや言ってもまだ6月に入って間もない時期のこの街は

     日によってはすごく寒いですよ?

     冬服に戻そうかって考えるのも吝かじゃない日があったりするぐらい・・・」

 Bさん「あはは、確かに。

     梅雨寒はこの街の気候の特徴のひとつだからね。

     そんなたまさかの寒さを防ぐために、ニットを用意している学校もあるよね。

     スクールセーター的な。」

 Aさん「ああ、うん。

     校章入りのオフィシャルなやつもあるし、

     割と自由に好きなのを着て良かったりするところもあったりするかな。」

 Bさん「そして制服とニットの組合せと言えば、ぼくら界隈では専ら

     『萌え袖』を取り上げないわけにはいかない。」

 Aさん「いかないのか・・・。」

 Cさん「『甘えんぼ袖』とも呼ばれたりするけども、まあいわゆる袖あまりよね。

     二次元まわりではちっちゃいキャラを中心によく見かけます。」

 Aさん「そうですね。」

 Bさん「構造としては、体格のちっちゃい子が普通サイズとか

     少し大きめのサイズの服を着ることで袖が余っちゃうと言う形じゃないですか。」

 Aさん「はぁ、うん。まんまだな。」

 Bさん「でも、よく考えてみて欲しいんだよね。

     袖が余ると言うことは、当然、肩幅とか襟ぐりとか銅回りも余るってことじゃん。

     全体的にだぼってしちゃうことになるよね。」

 Aさん「うーん、それは確かに。」

 Cさん「それは明らかに『サイズ合ってない感』じゃない。」

 Aさん「そうですね。」

 Bさん「それって萌え袖の美学的には今ひとつだと思うんだよね。」

 Aさん「美学とは・・・。」

 Bさん「銅回りとか襟ぐりとかはいい感じにぴったりしたサイズなんだけど、

     でも袖は余ってると言うのが一番可愛いと思うわけ。」

 Aさん「お・おう・・・。」


 Bさん「だから萌え袖用に

     ふつうよりも腕が20センチぐらい長い

     スクールニットを開発すればいいと思うよ。」

 Aさん「なに言ってるの?」


 そこそこ売れそう。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/05/17.html


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