はじまり
僕の名前は松山煌(まつやま きら)
これは僕と彼女の始まりの話。
あれは、一目惚れだった。
彼女の名前は佐々木玲。
彼女は小学校入学と同時に転校してきた。
入学説明会の日、親が先生から説明される中、話の分からないぼくらは遊んでいた。みんなが外へ遊びに行く中、僕は教室に残って、みんなが遊ぶ様子を眺めながら、室内で一人で折り紙をしてた。
しかし子供に作れる折り紙なんて限られてる、僕は一人で折り紙の手裏剣を作ってた。
すると突然後ろから声がした。
「ねぇ、私も一緒にしていい?」
振り返った目の前にいたのは彼女だった。みんな外で遊ぶ中彼女は僕に話しかけた。
胸が熱くなった。
その後名前もまだ知らない彼女と何個も手裏剣を作った。長く短い時間を過ごした。
数日後僕らは小学校に入学した。
しかし入学してからある問題にぶつかった。
それは…
どうしてか、彼女のことがいちいち気になった。
話しかけられると胸が締め付けられ、他の男子と話してたらなんかムカつクことだった。
当時の僕は、それを「嫌い」という感情だと思っていた。
でも、今思えば違った。
嫌いなはずなのに、いつも彼女のことを目で追っていた。
そんな日が続いて3年。小学四年生の頃。
ある日、たまたま見ていた恋愛ドラマで、主人公が好きな女の子を目で追っている場面があった。
なぜか、その姿が自分と重なった。
彼女を見ると気になる。
彼女が他の誰かと話していると、なんとなく面白くない。
彼女に名前を呼ばれるだけで胸が締め付けられる。
「……あれ?」
そこで初めて気づいた。
もしかして、僕は彼女のことが好きなんじゃないか。
その事に気づいてから少しずつ気を惹くように話すようになった。
ずっと避けていたから知らなかった人柄がみえて、好きなゲームとか案外気が合う人だった。少し口下手な所があったり、ゲームで負けたら頭突きとかしてきて、正直頭が割れそう。
気づけば休み時間も帰る時も話すようになっていて、いつの間にかずっと一緒にいるようになってた。
時は過ぎ小学六年生。ある日二人で帰る時、話をした。
「中学の目標なんて書いた?」
玲からの質問だった。
ぼくらは来年には中学生になる。
今日僕らは授業で中学生になった時の目標を書いた。
「普通に勉強…勉強嫌いだから中学から尚更頑張んないと…だる」
「そうなんだ〜私はね、部活!中学校に上がったら部活あるんだよ!頑張んないと!」
「あ〜確かに…何部に入るとか決めてるの?」
「えーとね!なんと!テニス部!可愛くない?」
「いいじゃん応援しとくわ」
話終わってから数秒。
玲は少し耳を赤らめて口を開いた。
「えーとね、あと1つ目標があって…」
急に真剣に語る彼女にびっくりしながらも気になり聞いた
「え?何?」
「えーとね、私…のもう1つの目標は…煌と…」
玲次第に声が小さくなり、少しずつもごもごし始めた。
「ん?なんて?」
「いや!やっぱ何もない!」
「え?何だよびっくりしたわ」
「ごめんね!でもいずれわかるよ」
そう言って玲は笑った。
僕は、それ以上聞けなかった。
その後いつものように雑談をして普通に帰った。
いつもと変わらない日だったが、心の中では勝手に期待していた。
もしかして。
もしかしたら、玲も僕のことを……。
期待を胸にふくらませ、その”いずれ”を待つことにした。
そして中学でその答えを知った。




