第二章 ep4 鈍感
さて窓から飛び降りてどのくらいの時間が経つのだろう、クロナを助けて地上にまっ逆さまに急降下する二人、
(クロナ、それでこの後どうするの?)
(ショウともう一回キス!)
(却下だ!!)
(どうして? いいでしょう?)
(いや、キスをする前にいまの俺達の状況を考えてくれよ。)
(あ、そうだったね。(  ̄▽ ̄))
(なんなんだ? その顔は、)
(いま気付いた時の顔。)
(それよりもどうするかな。)
(簡単だよ。あれを使えばいい。)
(あれ?)
《瞬間移動》
たちまちショウ達は光に包まれすると廊下へと戻っていた二人は床に倒れ込んで少しの間気絶していた。
【クロナの意識の中】
(ん、ここはどこなの? ショウはどこ? ...)
しばらくクロナは意識の中を歩いていた、次第に歩くのにも疲れ始めどこかもわからない所で足を止める。そこは最初の場所とら全く変わらない意識の中。
(ショウどこにいるのかな? あの時のショウはすごくかっこよかったな。)
すると、クロナの頭の中に誰かが囁き(ささや)かける。
「...ナ、...ロナ!!、...クロナ!!」
(この声はショウ?)
「クロナ! 起きてくれ!」
(ふふふっ、ちょっと驚かそうかな。)
ショウは意識を失っている(嘘)の傍でクロナが目を覚ますのをまっていた。しかし、いくら待っても起きないクロナを心配してクロナの名を呼び掛けて起こそうとしていた。
「クロナ! 大丈夫か!?」
「... ...」
「くそっ、目を覚まさないなんで何かの衝撃で意識を失っているのか?」
(違うよショウ、これは私のどっきり(*^3^)/~☆)
(くっそ、どうするか、取り敢えずクロナを連れてサユリ達の元へ急ぐか。)
(あ、そうだったね。サユリ達の所へ行かなきゃ、)
すると、ショウはクロナを|抱き抱えた(お姫様抱っこ)、そして廊下を走り、サユリ達の元へと急ぐ。
(これが、お姫様抱っこなのかな? もしそうなら私は初めてされたな、好きな人に、)
クロナは少し顔を赤くしていた。
(ん? クロナの顔がなんだか、赤くなってるな。まさか、熱でも出たのか!?)
(相変わらずショウは優しいな。そんな所が好かれる理由の一つなんだろうな、)
そして、クロナはゆっくりと目を覚ました。しかし、ショウはそのことに気付いてはいなかった。
廊下を駆け抜けるショウ、しかし突然、
ドカーーーーーン!!!
廊下の壁が突如として破壊され中からサユリとマユミが姿を現した、しかし、二人とも傷だらけになり立っているものやっとの状態だった。
「サユリ! マユミ! 無事か!?」
「ショウ...さん? よかった、無事にクロナを助け出せたのですね、」
「はぁ、はぁ、さすがだねショウ、でもこっちの方は少しヤバイかも、ぐっ!!」
破壊された壁穴から突如、魔法のようなものが飛んでサユリに直撃する。サユリのそのまま床に倒れ込んでしまった。
「サユリ!」
「はぁ、はぁ、はぁ、中々てこずらせてくれましたね。」
「セリナ! お前二人になにを!」
「何をと言われましても、先に仕掛けて来たのは彼女ですから、それなりに応対したつもりですが、」
「お前の応対することはここまで傷付けることなのかよ。」
「そんなことよりも、ショウ(貴方)が今度は私と殺り合いますか?」
「望むところだ。」
「クロナもショウと一緒。」
「クロナ、お前いつの間に起きてたんだよ。」
「ショウが抱っこしてからずっと、」
「お前、起きてたのかよ。」
「だって、ショウがお姫様抱っこしてくれる機会なんで滅多にないでしょ?」
「まぁ、そうだけど、」
「なら、もうちょっとだけこの時間を楽しみたかったから、」
「いや、でもさすがに起きたなら降りてくれよ。」
「てへぺろっ!」
(...やっぱかわいいな、こいつ)
「ちょっといいかな?」
──あ、そうだったすっかり忘れてた。
二人の心はよく通じ会う。心の中で会話できるのだから、そもそも話す言葉も同じなのは普通のことである。
その一方で、セリナは無視されたことに腹を立てた様子で二人を凝視している。
「さっきから私を無視してイチャイチャするとは、いい度胸ですね。」
「いや、別に無視してた訳ではないんだけど、」
「問答無用! 覚悟しなさい!」
(こりゃまたややこしいことになったな。)
(大丈夫だよショウ、クロナとショウ二人なら最強だから、)
(クロナ、そうだな、最強かどうかはわからないが二人なら、)
「「我ら二人は虹の能力全てを司る者、この世の全ての能力よ、我ら二人の願いに応え顕現せよ!!」」
《Wレインボーロード!!》
二人の両手から放たれる能力は綺麗で美しい様々な色のにもが現れ次の瞬間にセリナの姿は消えていた。美しい虹の道は窓をすり抜けて空の向こうへと消えていく。
「さて、終わったな。」
「うん、それよりクロナとマユミを、」
「あぁ早く治さないと。」
二人は急いで二人の元へ駆け寄るそして、傷を癒し二人をそれぞれの部屋へ運んだ。
───しばらくして、二人は目を覚ました。
「ここは、」
「お、サユリ目を覚ましたのか、」
「ショウ、マユミは、」
「マユミなら、大丈夫クロナも見てくれてるから、」
「そうですか、そうだ! セリナは? あの人は、」
「心配するな、アイツは俺とクロナで追い出したから、」
「そう、よかった。」
(さすがね、ショウは相変わらず本当に強い、私もショウみたいに強くなれるかな?)
サユリはしばらくショウの顔を見つめていた。サユリの瞳には何か自分の中で新たな決意をした瞳になっていた。
──一方で、クロナはマユミの部屋でマユミと話をしていた。
「そうですか、サユリも無事そうで何よりです。」
「マユミ、まだ傷が傷む?」
「ふふふっ、大丈夫ですよ、貴方とショウさんのお陰で軽い傷で済みました。」
「うん、本当によかった。」
──一方で、ショウはまだサユリと今後のことについて話をしていた。
「それでショウこの後はどうするつもりですか?」
「そうだな、レイカの能力のスゴさは痛感したからな、後他にすることあったかな?」
「後は大会に出場するための特訓ですかね。」
「特訓か、具体的に何をすればいいのかな?」
「基本的に自分の能力のレベルを上げることです。」
「なるほどね、」
(レベルを上げるか、そうは言いましたけど私はショウと同じくらいに強くなりたい。)
──「...リ、...リ、...ユリ、サユリ、サユリ!!」
「え!」
急な呼び掛けにとっさに驚くサユリ、ショウがサユリの顔を除き込んでいた。
「サユリ、大丈夫か?」
「え、あ、はい、大丈夫です。」
(ショウ、ちょっと顔が近すぎる、)
「さっきから呼んでるのになんも返事しないから心配したよ。」
「あ、ははは、ごめん、ちょっとぼーっとしてた、」
「熱でもあるのか?」
「大丈夫、平気だから、」
「うーん、サユリちょっと、」
「え?」
すると、ショウはサユリにおでこをくっつけ熱があるのかを確認した。
「え、ちょっショウ?」
「うーん、熱はないみたいだな、」
(いやいや、熱どころの話じゃないよ、顔が近すぎるってば!)
「ん? サユリなんか顔が赤くなってない?」
「そんなことはないよ、」
「本当に大丈夫?」
「大丈夫、本当に平気だから、」
(もし、もう一度おでこをくっつけるなら、私はもうこの世にはいないわ、)
二人のいる部屋の扉が開いた、そこにいたのは、
「お、クロナ、マユミは?」
「マユミならここに、」
「ショウさん、」
「マユミ、元気になったのか?」
「はいお陰さまで、」
「なら、よかった。」
「ショウ、サユリは?」
「あぁ、サユリならほらそこに、」
「サユリ! 大丈夫ですか?」
「マユミ、貴方こそ身体の方は大丈夫?」
「はい、もう大丈夫ですよ。」
「そうよかった。」
二人で喜び会う二人の姿を後ろから観察する、ショウとクロナ、しかしショウはある重大なことを突然思い出した。
「あ、そういえばレイカはどこいったっけ?」
《全員》「あ、( ・∇・)、」
セリナとの戦いに集中しすぎて、レイカの存在を記憶の中から忘れてしまった四人。レイカはどこへきえたのだろうか?
(本当にショウは鈍感だよね、突然おでこをくっつけるなんて、)
サユリは心の中で呟いた。