61/74
火竜の騎士と風竜の騎士2
「君が、剣を?」
意外そうな顔のマティアに
「俺は、ほとんどの武器は使える。まあ、専門は弓だけど」
久しぶりだからなまってなきゃいいけど、とセト。
「まったく、天才というのは」
マティアは、木刀を構える。
「行くぜ!!」
(早い……)
隙がなく、的確に打ち込んでくるセト。
「どうした? 防ぐだけで手が止まってるな」
「ぐっ、この程度」
マティアが、強引に打ち返す。
「こ、この馬鹿力……」
その威力に、セトは目を見張る。
両手がしびれ、木刀が地面に落ちた。
(今のは、間合いをとって避けるべきだったな)
いやらしい攻撃しやがる、とセトは膝をついた。
マティアは木刀を突き付け
「はぁ、はぁ、まだやるか?」
「いやもういい。こーさん、こーさん」
これ以上は意味がない、とセト。
「勝負を、挑んで来たのは、君の、方だろう」
息を切らしながら、マティアが言った。
「風竜の騎士は、もっと馬鹿になった方がいい。そもそも、付いて来るなって言われたわけじゃないだろ」
「え?」
「むかつくから、これ以上は言ってやらねぇ。やっぱ、来るんじゃなかった」
そう言って、セトは踵返して去って行った。
その後ろを眺め
「……気を遣わせてしまったのだろうか」
マティアは呟いた。




