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ドラゴン・ドクター  作者: 西谷東
アルメニアへ
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火竜の騎士と風竜の騎士

王立アカデミー・校長室


「コアトリクエ校長、ドアに手紙が挟んでありましたよ」


差出人の名前がありませんが、とロスが言った。


「……机の上に、お願いします」


ロスは、深い溜息をついたコアトリクエを横目に


「アルメニアには、竜王陛下も同行すると聞きました。もしや、コアトリクエ校長も……」


「ワタシには、どうしても果たさなくてはいけないことがあります」




✳︎✳︎✳︎



竜騎士訓練場


「まだ、こんなものでは取り戻せない」



木製の人形相手に、木刀を打ち込むマティア。



(確か、病み上がりだよな……)


その様子を眺め「本当、バカ」とセトは肩を竦めた。

ほぼ同じ年に、セトが火竜の騎士、マティアが風竜の騎士として任命された。

本来なら王立アカデミーを卒業した後、竜騎士としての下積みを経て任命される。

最年少の十八歳で火竜の騎士になったセトとは違い、マティアは典型的な努力型。


セトは声を掛けずに立ち去ろうと思ったが


「風竜の騎士、休憩って言葉知ってる?」


自然と足は、マティアの方に向いていた。


「セトか……真面目に話すのは珍しいこともあるものだな」


その言葉にセトは眉を寄せる。


「その言い方だと、俺がアホみたいだろうが」


「いや、いつもドラゴンでハーレムが何とやら言ってるだろう」


「ふっ、メスのドラゴンの良さは凡人にはわからん。まず鱗の美しさから首の優雅なライン」


「茶化しに来たのなら……」


近くにあった木刀を手に取ると


「人形相手じゃ、つまんねぇだろ」


同僚のよしみで付き合ってやる、とセトは言った。













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