8話
冒険者としての活動3日目。
冬の朝の寒さは辛いがそれもそのうち慣れるだろうか。
そんなことを考えながら、鍛錬と朝食を終えて、昨日思い出したとおり冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドに着くと、空いている受付があったので依頼について教えてもらおう。
「すみません、依頼を受けたいのですが、依頼の確認方法を教えて下さい」
そう尋ねると、受付さんは入口からみて右手にあるエリアに依頼書をまとめて掲示していること、それを見て受けたい依頼があれば依頼書を持って受付に来ればいいこと、依頼の中には受付は不要な常時依頼があることを教えてくれた。
お礼を言って依頼書の掲示されているエリアに向かう。そこには50枚を超える依頼書が掲示されていた。
依頼書の内容を見ていくと、上の方はモンスターの討伐依頼。
こちらは全てが街の北側や東西の他の街との間に出没するモンスターが対象となっていた。南側にいるようなモンスターは無かったので、南側に危険なモンスターはいないということの確認もできた。
次に右下の方は素材に関する依頼。
モンスターの素材だけでなく、鉱石や薬草なども依頼の対象として依頼が出されていた。素材については、どこにある可能性が高いかという情報も依頼書に記載されている場合が多く、南側の草原でも東側、南側には薬草のあるエリアがあるらしい、ということが分かった。今後向かう際には薬草の採取にも挑戦してみよう。
また、素材には常時依頼がいくつもあった。薬草もスライムゼリーも常時依頼となっており、数の上限は無いようだ。
最後に左下の方は街の中で完結するような依頼。
鍛冶や調薬、調理の手伝いから、街中の清掃や落とし物探しまであった。こちらはそれに適したジョブになった人や危険な街の外に出たくない人向けなのだろう。私が受けることは無さそうだ。
一通り依頼を確認して、スライムを倒しに行くついでに達成できそうなものとして、スライムゼリーと薬草を狙ってみることにした。
スライムゼリーについては、All is Moneyの効果で獲得はできないが、Money is Allの効果で経験値と同じようにお金から変換ができるはずだ。
帰り際にまとめて変換すれば途中は荷物が増えないで済むし、今日の帰りに試しにやってみようと思う。
ギルドでやることは終えたので、いつも通り南門から草原に向かう。
薬草を求めて南側に行きたい所だが、まずは昨日のレベルアップの効果を確認したい。
筋力と敏捷が2ずつ、器用が1上がっていたが、それによって戦闘にどの程度影響が出るのかを把握してから、南側に向かうのかを決めたい。
今日の方針を決め、ひとまず西側に向かう。
15分ほどでスライムを見つけ、早速剣を握り直して一気に駆け出す。
朝の鍛錬の段階で軽く走った時のスピードや疲労感は減った気がしていたが、やはり少し昨日より接近するスピードが上がった気がする。その後の攻撃も少しスピードが上がっているように感じつつ、一発で核に当たりあっさりとスライムを倒した。器用が上がったことで命中力も上がったのだろうか。
明確に違いを感じるほどではないが、特にステータスが上がったことによる違和感も感じなかったため、西側の中でも若干南寄りのエリアに足を進める。
もう1つの常時依頼で狙っていた薬草の見た目や特徴は依頼書に書いてあったのでそれを覚えてきた。
だが、まだ実物を見たことは無いし、モンスターにも気を付けないといけない。両方を同時に進めるのは気を張りすぎて疲れそうだったので、たまに薬草も探してみる、という程度に留めておくことにした。
その後もスライムを倒していると、2体のスライムを発見した。昨日までも発見はしていたが、慎重を期して逃げるようにしていた。
だが、2日間でスライムと戦闘に慣れてきたこと、レベルが上がったことから、一度挑戦してみたいと感じていた。
いざとなれば、1体も倒せずに逃げてもいい。とにかく無傷で終えることを目標として、2体のスライムに近づく。
2体の距離が少し離れたタイミングで、右手のスライムに向かって勢いよく駆け出す。途中で接近していたスライムに気づかれたが、もう一方のスライムはまだ気づいていないようだ。これなら片方を攻撃している間にもう片方から攻撃をされる状態にはならないと判断して、1体に集中して攻撃を仕掛ける。
いつも通り核を狙った攻撃は見事に当たりスライムを倒した。すぐにもう片方を確認するが、ちょうど気づいたようでこちらを向いて酸を出す動きをし始めていた。
一旦距離をとって酸を避けることに集中する。スライムは酸を出してきたが、しっかり避けることに成功した。初めてちゃんと酸攻撃を見たが、落ち着いて避けることに集中すれば問題なく避けられるスピードであり、これならもう少し近くでも避けられると思った。
避けた後はいつも通り攻撃に転じ、2体目のスライムを倒した。
『All is Moneyの効果が発動しました。
経験値と素材がお金に変換されました。1,100Gを獲得しました』
スキルの表示を見て戦闘が終わったことに安心する。
2体分のお金もそうだが、2体同時でも倒せるという自信を得られたのは大きい収穫だった。
これでさらに討伐のスピードが上がって稼げるはずだ。
その後もスライムを倒しつつ南へ向かっているとスライムが3体いたが、そこは少し色の異なる草が生えていた。
この冬の時期なのに緑色が鮮やかであり、葉っぱがトゲトゲした形をしている。多分、あれがギルドの依頼書にあった薬草だろう。
薬草を採取するためにもスライムを倒したい。3体は初めてだが、2体の時よりもそれぞれは離れた場所にいるし、1体倒したタイミングで逃げてもいい。今回も無傷で終えるのが最優先である。
3体のうち1体が他の2体より少し離れているため、その個体から狙う。
いつも通り駆け出して一撃で倒す。倒す直前に2体がこちらに気づき、酸攻撃をしようとしていた。右側から回り込んで攻撃を避け、2体が一直線上に並ぶ方向まで来たら接近して攻撃に転じる。
仲間に攻撃が当たることを恐れてか、奥の個体は酸攻撃をしてこなかったので、手前の個体を一撃で倒せた。その後はいつも通りにもう1体も倒して、無傷で3体を倒すことができた。
『All is Moneyの効果が発動しました。
経験値と素材がお金に変換されました。1,650Gを獲得しました』
獲得したお金もいつも通りだ。3体でもいけるならスライムはもう問題なさそうだ。
さて、スライムを倒したのでもう1つの目的だった薬草の採取に移るとしよう。
薬草は葉の部分だけが依頼対象であり、茎や根はそのままにしておくことで再度取れるようになるとのことだった。そのため葉だけを採取する。
『All is Moneyの効果が発動しました。
素材がお金に変換されました。10Gを獲得しました』
手にしていたはずの葉が無くなった。スキルの説明通りではあるが、突然手元から物が無くなるのは不思議である。
常時依頼では10枚100Gで買取してくれるとあったので、価格は依頼と同額のようだ。
そのまま周囲にあった薬草を見つけた分は全て採取をした所で、いい時間だったので街に戻ることにした。
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所持金:8,710G
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