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ファンドマネージャー ~モンスターをM&Aして強くなる~  作者: 祐祐
第1章:南の草原

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9話:剣

 街に戻る途中、依頼達成のためのスライムゼリーと薬草を準備するために、門から見えるくらいの距離の場所に座り込む。

 スライムゼリーと薬草を用意するが、カバンの大きさと金額、武器レンタルの費用を考えて、スライムゼリー10個、薬草100枚でいいだろうか。

 スライムゼリーは1個50Gなので10個500G、薬草は10枚100Gなので100枚1,000Gとなる。

 Money is Allで経験値は変換したが、素材は初めてだ。うまくいくといいのだが。


 Money is Allの効果を発動してください。

『Money is Allの効果を発動します。金額と変換先を指定してください』

 500Gをスライムゼリーに変換して下さい。

『Money is Allの効果を発動しました。

 お金がスライムゼリーに変換されました。500Gを消費して、スライムゼリーを10個獲得しました』


 スキルの表示と共に目の前にスライムゼリーが10個出現した。周りに人がいたら、一体どこから出てきたのかと問い詰められそうだ。

 素早くスライムゼリーをカバンに入れる。

 同様に薬草も1,000G分変換してカバンに入れる。無事に変換できて良かった。



 いつもと違って少し重いカバンを背負いつつ、南門を通って冒険者ギルドに向かう。

 受付は少し人がいたが、まだ余裕はありそうだ。

 聞いた話だと、夕方になると依頼を終えた冒険者で混雑するらしい。可能な限り余裕を持って早めに帰ってこよう。


「すみません、常時依頼の報告に来ました」


「かしこまりました。どの依頼になりますでしょうか?」


「スライムゼリーと薬草になります。素材はこちらです」


 カバンから机の上に素材を取り出す。

 職員さんは手際よく素材を確認していく。


「スライムゼリー10個、薬草100枚で合計1,500Gになります。

 武器レンタル3日分で全額がレンタル料としてギルドへの支払いに充当されますがよろしいですか」


「はい、それでお願いします」


「では、マイカードの提出をお願いします」


「報酬はもらえないと思いますが、どうしてマイカードの提出が必要なのでしょうか?」


「ギルド側で誰がどの依頼をどれだけ達成したのかを記録しておくためです。

 その達成した内容に応じて、冒険者ランクが上がりますので」


 確かに分からなかったら冒険者ランクを上げられないよな。

 マイカードを出して職員さんに渡すと、内容を確認して書類に何かを書いてすぐに返してくれた。


「今後もよろしくお願いします。本日はありがとうございました」


「こちらこそ、こんな少量の納品にも関わらずとても丁寧に対応していただき、ありがとうございました」


 受付さんにお礼をしてからギルドを後にする。

 やることは無いので孤児院に帰ろうかと思ったが、先程のギルドでのやり取りを思い出す。

 レンタル料が必要なのは分かっているが1,500Gも掛かってしまった。経験値がその分減っているとも言える。それなら一度武器を見に行ってもいいかもしれない。

 鍛冶師が作った武器はギルド近くの冒険者向けの商店、もしくは街の西側にある鍛冶工房で売っていると聞いた。鍛冶工房まで行くのは遠いし、オーダーメイドで作る場合以外で行く人はあまりいないとも聞いたので、近くの商店に行ってみよう。



 ギルドと通りを挟んで反対側にはいくつも冒険者向けの商店が並んでいる。

 通りから見えるディスプレイに置かれているものは商店によって異なり、ポーションが並んでいる店、服が並んでいる店、武器が並んでいる店、カバンが並んでいる店と様々である。

 どの店が良いのかは分からなかったので、目的に合っていそうな武器が並んでいる店に入ってみた。

 中には剣などの武器や鎧などの防具がキレイに並べられていた。入口近くは壁掛けもされていて、一面に隙間が無いくらいの数が置かれているが、奥の方に行くほどゆったりと置かれているのが見えた。

 どうしてそうなっているのかも分からないが、下手に触って壊したらマズイので近くにいた店員さんに声をかけて初心者向けの安い剣を探している旨を伝えた。


 対応してくれた店員さんは優しく、入口から右手が武器であり、入口に近い方が安いものになっていると説明してくれた。また、店の隅には武器ごとにまとめて入れられている樽があり、そこは失敗作や見習いが作ったものであり、店で一番安いものになっているとのことだった。

 値段によってどういう差があるのかを聞いてみると、剣だと一番は切れ味、次は消耗のしにくさで、これらは使われている素材による差が大きく、値段も素材の影響が大きいらしい。あとは重さ、形状、手入れのしやすさなどで変わるようだ。また、鍛冶師の腕によっては剣自体にスキルが付与されることも可能であり、スキル付きのものは高価になるとのことだった。


 教えてもらったお礼を伝えつつ、樽に入れられている剣が目的のものになりそうだが、そこまでの途中にある武器も眺めていく。

 剣以外の武器はあまり見慣れていないが、それでも今使っている剣より何段階も質が良いことが見て分かった。ここらにある剣は大体2~3万Gくらいとなっている。

 これで安い方なのかとビクビクしながら樽の中の剣を見ていく。いくつか手に取りながら確認するが、こちらは5,000~1万Gくらいであり、物によっては今すぐ買える金額である。


 今の所持金が7,210Gであり、その範囲内でいい物が無いか集中して確認する。

 その中で3本良さそうなものを見つけた。それぞれ値札には値段と共に素材も記載されているが、素材はどれも鉄となっており、値段は6,000G、9,000G、10,000Gとなっていた。

 何がこの値段の差になっているのか気になり、先程の店員さんに聞いてみると、素材は同じだが6,000Gの剣は長さが少しだけ短く、その分値段が安いのではないか、とのことだった。なお、この樽の中の商品については作った人が販売価格を決めているらしく、店員さんも明確な理由は分からないとのことだった。

 それなら私の体格からしても6,000Gの方がしっくりくる大きさだし、予算内でもあるのでこの6,000Gの剣にしようと決めた。

 最後に念の為、この剣で南の草原でモンスターと戦った場合にどれくらい長持ちしそうかを聞いてみたが、南側なら地面、木、岩なんかを叩かない限りはちゃんとモンスターの体液や水分を拭き取るようにしていればそうそう壊れないだろう、と言われた。


 専門家のお墨付きをもらったので、この剣を買うことを伝えた。6,000Gか。レンタル料12日分なので13日以上使えば元は取れるけど、60経験値があれば1日早くレベルアップできるはずで、その1日分を使うとも言える。

 ちょっと悩みそうになったが、丁寧に使って長持ちさせて、良い買い物だった、良い先行投資だったと思えるように頑張ろう。


 店員さんに支払いをして店を出る。いつか、店の奥の方にある高価な剣を買えるくらい稼げるようになりたいな。

 帰りに再度ギルドに寄ってレンタル武器を返却してから孤児院へ帰った。



xxxxxxxxxx

所持金:1,210G

xxxxxxxxxx

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