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ファンドマネージャー ~モンスターをM&Aして強くなる~  作者: 祐祐
第4章:パーティー&ダンジョン

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74話:帰宅

「長い期間、ありがとうございました」


「いいえ、こちらこそありがとうございました。

 またトヤダンジョンへお越しの際は当宿をご利用下さい」



 トヤダンジョンでの活動期間はあっという間に過ぎていった。

 28日までミニクラーケンをひたすら倒して、今日は孤児院に帰る日だ。


 トヤダンジョンに来た目的であるギルドランクCへの昇格は達成したし、ミニクラーケンをAcquisitionsして自分自身の強化もできた。

 おまけでスライムのCarve OutとAcquisitionsでレベル1相当の強化もできた。


 また、ハイポーションとエクストラポーション、鉱石とモンスターの素材を混ぜた武器用の素材の存在を知れた。

 ハイポーションとエクストラポーションについては、帰ってからスワンさんに聞いてみよう。



 やり残したことは思い付かないし、もしあったとしたらヴェロニカとノクスと一緒に今度来た時にやればいいだろう。

 ということで、トヤダンジョン、トヤ街からクロス領都に向かう。

 また2日間、モンスターとは戦わずにひたすら走る時間が始まる。


◇◇◇


 翌日の夕方、ようやくクロス領都の西門が見えてきた。

 孤児院を出てから約4週間。

 思った以上に懐かしさを感じている。


 西門で門番さんのチェックを受けて、孤児院に到着した。


「セリアさん、スワンさん、ディックスです。

 ただいま戻りました」


「おかえりなさい。

 無事で良かったわ。

 日程も予定通りね」


「はい、夕飯後にどうだったか報告します。

 肉は今出しても夕飯には間に合わないですよね?」


「そうね。夕飯後でお願い」


「分かりました。ではまた後ほど」



 セリアさんとスワンさんには帰宅を知らせたので、ヴェロニカとノクスを探すか。

 荷物を部屋に置いてから2人を探していると、外から帰ってくる姿が見えた。


「ヴェロニカ、ノクス、おかえり」


「ディックス! 帰ってきたのね!」


「おかえりなさい、ディックス」


「2人とも元気そうで何よりだよ。

 今日も2人で南の草原に行ってたのか?」


「そうよ。今日レベルが10に上がったし、南の草原は楽勝よ」


「ディックスは明日はどうするの?

 できれば一緒に北の森に行きたいんだ」


「いいぞ。どれだけ魔法を上手く使って戦えるようになったか見たいからな」


「よーし! 頑張るわよ!」


 ヴェロニカと話していると戻ってきたなと感じるな。

 宿屋の人やギルドの受付さんは落ち着いた感じだから、ヴェロニカみたいな元気な感じで話すのは久々だ。




「ディックスです、入ってよいでしょうか」


「どうぞ、お入りなさい」


 夕食後に院長室に向かった。


「さて、この4週間の結果を教えてもらえるかしら」


「はい、まずギルドランクはCに昇格しました。

 また、ミニクラーケンをAcquisitionsしたことでステータスは大幅に強化されました。

 あとはひたすらに倒して稼いでいたくらいです」


「他には?」


「他ですか。

 そうですね、ハイポーションとエクストラポーションというものを知ったので、後でスワンさんに聞いてみようかと思います」 


「他の冒険者とトラブルになったりしませんでしたか?」


「ありましたね。

 返り討ちというか、10万Gほどもらいましたし、今後彼らはギルドからの報酬の10%を孤児院に寄付するようにしました。

 副ギルド長も了承していることですので、大きな問題はありません」


「ディックスは優秀ですがまだ見た目は子供ですから、素行の悪い冒険者に絡まれるのではないかと思っていましたがそんなことになりましたか。

 まぁ副ギルド長が立ち会っているなら問題ないでしょう。

 ただ、今後は気をつけて下さいね。

 特にヴェロニカとノクスが一緒に動くことも増えるでしょうし、王都は更に人が多いですから」


「そうですね、次からはマイカードを見せて黙らせます」


「まぁそのくらいならいいでしょう。

 他に報告すべきことはありませんか?」


「宿屋のベッドがとても良かったので、孤児院を出たら買おうと思います。

 それくらいでしょうか」


「そういうことが出てくるなら本当に無いのでしょうね。

 分かりました。

 あとは予定通りに2月中旬に王都に向かう形ですかね」


「そうですね。

 ヴェロニカとノクスの成長度合いを確認したり、レベル上げしたりにどれくらい時間が掛かるか次第で出かける日程は決めようと思います」


「分かりました。決まったら教えて下さい」


「はい。

 ちなみに、私がいない間の食事は大丈夫でした?」


「大丈夫ですよ。

 ディックスが毎日肉を用意してくれたおかげで少しはお金を貯めてましたから」


「やっぱり私が渡してあるお金を使ってないんですね。

 使って下さいよ。

 しばらくは借金をする予定もありませんから」


「本当に厳しくなったら借りますね」


「……もうそれでいいですよ。

 では、スワンさんの所に行ってきます」


「はい、ゆっくり休んで下さいね」



 院長室を出て、隣の副院長室のドアを叩く。


「スワンさん、ディックスです。

 入ってよいでしょうか」


「はい、どうぞ」


「すみません、ちょっと聞きたいことがありまして」


「聞きたいこと? 何ですか?」


「トヤダンジョンの周りの商店でハイポーションを見かけました。

 また、その店員さんにエクストラポーションというのがあると聞きました。

 それぞれの作り方を教えてもらいたいです」


「なるほど、そういうことですか。

 まず、ハイポーションは薬草の他にミニクラーケンの肉が必要となります。

 正確には、ミニクラーケンの肉以外の素材でも大丈夫です。

 ただ、ミニクラーケンの肉が一番安いのでこれを使うことが多いですね」


「トヤ街に売っていたのはミニクラーケンの肉がトヤダンジョンで取れるから、ということですね。

 作り方はどうなのでしょうか?」


「基本的にはポーションと同じよ。

 ただ、薬草の薬効成分とミニクラーケンの肉の中に含まれる成分をそれぞれ抽出して、それを最適なバランスで配合する必要があるので、すぐに作れるようにはならないですね。

 ハイポーションだけを毎日作り続けても、ちゃんと効果のあるものを作れるようになるまで数カ月はかかるでしょうね」


「それだけの期間が掛かるんですね。

 更にミニクラーケンの肉という素材を大量に使える資金も準備が必要でしょうし」


「そうなのよ。

 しかもそこまで需要もないからね」


「そうなんですか? 冒険者なら欲しいと思いますが」


「よく考えてみなさい。

 ハイポーションじゃないと治せないようなケガをした状態でモンスターを倒したり、モンスターから逃げ切れると思う?

 普通はそんなケガをした時点でモンスターにやられるのよ。

 戦闘中にハイポーションを出して使うなんてことも難しいし。

 まぁパーティーで活動していて、他のメンバーが優秀なら倒せると思うけどね」


「確かにそうですね。

 じゃあ儲けのためなら上級ポーションまでがよいということでしょうか」


「そうね。初級ポーションの方が安くて数が出るから安定して稼げるわね」


「じゃあ今後も初級ポーションをどんどん作ってスワンさんに買ってもらうのが一番いいですね」


「そうね、戻ってきたからまた作るんでしょ?

 馴染みの店からもう少し数無いのかって聞かれたし、いくらでも買うわよ」


「分かりました。明日からまた作りますね。

 用件は以上なので戻ります」


「はい、おやすみなさい」



 セリアさんとスワンさんへの報告と相談を終えて部屋に戻る。

 2人とも久々に話したけど、やっぱり落ち着くな。

 血の繋がりは無いけど、2人が私の親なんだな。



xxxxxxxxxx

所持金:5,915,580G

xxxxxxxxxx

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