71話:上位品
ミニクラーケン討伐の依頼の出し合いが終わった翌日は休みにした。
ランクDに上げた1日、クロス領都からの移動2日、ダンジョンでの活動3日と6日間は休み無しだったから。
体力的には今日も行けるけど、そう言い出すと歯止めが効かなくなる気がしている。
でも1日宿にいるのも暇だったので、街をぶらぶら歩き回った。
街にあるのはダンジョンに挑む冒険者向けの店と、それを提供する人達のための店。
特に買うべきものも思い浮かばない。
剣の予備はあった方がいいとは思うが、必要になった時で構わない気がする。
チタンとクリフに作ってもらった投げナイフがあれば、ミニクラーケンでも逃げるなら問題ない。
剣の手入れは毎日しているが、劣化し始めた感じもない。
でも資金の余裕もあるし、普段見ないものがあるかもしれない。
クロス領都の店もちゃんと奥まで見てないけど。
よし、時間もあって暇だし行ってみようか。
冒険者ギルドの近くがいいだろうと思い、冒険者ギルドの前の通り沿いを歩くとすぐに武器防具を扱っている商店があった。
そこそこ店構えも大きいし、ここを覗いてみよう。
店に入ると、クロス領都と同じ様に左右に武器と防具が分かれていた。
武器のある右側を進んでいくと、クロス領都の店と同じような価格帯のものが並んでいる。
数万Gくらいのものがメインのようだ。
その奥に行くと、10万Gを超えるものもあった。
正直、見た目では差が分からない。
「すみません、ここの奥にある武器は入口近くの武器と何が違うのでしょうか?」
「はい、奥の武器は素材が違います。
入口近くは鉄などの鉱石を使っていますが、奥はそれにモンスターの素材を混ぜ合わせたものになります。
モンスターの素材の価値もありますが、それ以上に鉱石とモンスターの素材を混ぜ合わせるのが難しく、わずかな鍛冶師しか作れないので高額になっております」
「モンスターの素材ですか。
具体的にどのようなものなのでしょうか」
「ここの街で取れる素材だとサハギンの槍やケルピーの蹄、あとは街の外でレッサーベアの爪や牙でしょうか。
ただ、わざわざこれらの素材を使うことは少ないようです。
試作や練習としては使われても、もっと高価な素材が使われることが多いです。
混ぜ合わせるのが大変ですから、安い素材で微妙な製品を作りたくないのでしょう」
なるほど。
クロス領都の店にもあったのかもしれないけど、ここと同じで近くでは取れない素材を使うことになるから高そうだ。
というか、わざわざクロス領都で作らないし売らない気がする。
あっても数は少なそうだ。
説明を聞いてから武器を見ていくが、どれも私の身体には大きすぎる。
実際にこの武器を使うほどの実力になるのは、10代後半になってからが一般的なのだろう。
説明してくれた店員さんにお礼を言いつつ店を出た。
オーダーメイドで作らなきゃダメかな。
でも小さめの剣は大きくなったら使わなくなりそうだし、大きくなってからオーダーメイドで作った方がいいだろう。
しばらくは様子見かな。たまたま良いのが見つかったら買うくらいにしよう。
その後、再びぶらぶら歩き続け、次はポーションを売っている店を見つけた。
トヤダンジョンに来る前に作って持ってきたから手持ちは足りているが、たまには見てみよう。
店に入ると、クロス領都の店よりもポーションの数が多かった。
まぁこれだけ冒険者が多ければポーションの需要も高いのだろう。
棚に置かれているポーションを見ていくと、初級、中級、上級のポーションの隣にハイポーションというものが置かれていた。
その値段は1,500,000G!
上級ポーションが150,000Gなので10倍だ。
「すみません、こちらのハイポーションについてですが、上級ポーションと比べて効能はどう違うのでしょうか?」
「上級ポーションが骨折でも治せるのに対して、ハイポーションは腕が切られても、くっつけてハイポーションをかければすぐに元に戻ります。
ちなみに当店にはございませんが、エクストラポーションは腕が無くなっても、かけたり飲んだりすれば腕が生えてきます」
「どちらもすごい効果ですね。その値段も納得です。
もう1つお聞きしたいのですが、このハイポーションはどのように作られているのでしょうか?」
上級ポーションまでの作り方はスワンさんに聞いているけど、ハイポーションはどう作るのだろうか。
「ハイポーションですか?
詳しい製法までは存じておりませんが、ミニクラーケンの肉を使うというのは聞いたことがございます。
ちなみにエクストラポーションはミニクラーケンの肉ではないものを使うという噂です」
このレベルになると武器もポーションもモンスターの素材を使うのか。
そしてクロス領都の店では見かけなくてこの店にあるのは、ミニクラーケンの肉が手に入りやすいからだろうか。
素材は私がいくらでも用意できるから、ハイポーションと混ぜ合わせた素材の武器を作れる人を見つけたら稼げそうな気がするな。
孤児院を出たらそういう方向も考えるのがいいかもしれない。
その後もぶらぶらと街を歩いたり、湖を眺めたりしながら、のんびりとした1日を過ごした。
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所持金:11,690,280G
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