55話:ハニービーの巣
翌朝、朝食後に冒険者ギルドに向かう。
いつもは夕方に行くだけだから、この時間に冒険者ギルドに行くのは珍しいな。
多くの冒険者が依頼書エリアにいるが、そこをかき分けて例の依頼書があるかを確認する。
上の方に討伐依頼がまとまって貼られているが、ハニービーの巣の討伐依頼は昨日の段階で右上にあった。
同じ所にあるかなー、と思ってみていくと変わらずに貼られている。
じゃあ受付に確認しに行くか。
「すみません、このタクト村のハニービーの巣の依頼を受けたいのですが」
「かしこまりました。マイカードを確認させてください」
「マイカード。はい、お願いします」
「ありがとうございます。
…
すみません、こちらの依頼は難易度が高いため、Dランク以上の4人以上での受注となっております。
Eランクのソロでの受注は安全性の観点からお断りさせていただいております」
「そうですか、分かりました」
まだ受注されていないようだな。
よし、タクト村に向かうか。
冒険者ギルドを出て、東門をくぐってからは走ってタクト村に向かう。
ギルドに寄ったので前回よりは遅くなってしまったが、モンスターには遭遇せずに昼過ぎに到着した。
すぐにハニービーの巣に向かいたいところだが、まずは宿の確保をしないと。
前回来た時の宿に向かうと、部屋が空いていたので1部屋確保してもらう。
着替えとか戦闘に必要ない荷物を置いてからハニービーの巣に向かう。
依頼書に場所が記載されていたので、それに沿って村の北北東に進んでいく。
走りながら出会ったモンスターを討伐していくと、複数体のハニービーとの遭遇が続くようになった。
ということは、この近くに巣がありそうだな。
走り回りながら、ハニービーに遭遇しなくなったら戻り、東に行って遭遇しなくなったら逆の西に向かう。
東の空が赤くなり始めたが、巣は見つからない。
仕方ないので、今日は村に戻ろう。
◇◇◇
翌日は早起きして、朝食後にすぐに昨日と同じあたりまでやってきた。
昨日は東側から探したが、今日は西側から探してみよう。
昨日と同じく走り回りながら見つけたモンスターを討伐していくと、タクト村を出てから1時間で巣を見つけた。
正確には多分巣だと思う、というものだ。
というのも、あまりに大きいため自信を持って巣だと言い切れないのだ。
地面の上に高さ2m、横幅5mほどの小山があり、それを取り囲むようにハニービーが20匹はいる。
そして巣の中にもいるだろう。
思ったよりも大規模だな。
ひとまず巣から離れた所にいるハニービーから討伐していく。
30分程で周囲のハニービーは全滅させた。
3匹程度なら周りに気づかれることも無く倒せるからな。
残りは巣を取り囲んでいるのと巣の中にいる分だけになったはずだ。
こういう時のために魔法による広範囲かつ高威力の攻撃手段が欲しいが、無いものねだりをしても仕方ない。
まずは投げナイフで数匹でいいから削ろう。
再度迷彩スキルを発動してから投げた4本のナイフはそれぞれ狙ったハニービーを目掛けて飛んでいく。
当たる直前にハニービーがナイフに気づき、避けようと動いたが羽や胴に当たり戦闘不能に陥った。
4匹が攻撃されたことに周りのハニービーも気づき、こちらに向かってくる。
今回は全ての攻撃を避けることは無理だろう。
むしろ防具で防御できている場所に当たるように動きながら、積極的に攻撃を仕掛けていく。
1匹ずつ攻撃してくるタイミングではカウンターで倒す。
複数匹が同時に攻撃してくるタイミングではできるだけ回避して1匹だけはカウンターで倒す。
避けるのが厳しそうなら剣を持っていない方の前腕でガードというか弾き返す。
ハニービー同士の位置が近い状態で攻撃してくる時は酸攻撃でまとめてダメージを狙う。
剣を持っていない方の腕で下からかち上げてダメージを与える。
ここまで何度もハニービーとの戦闘は経験していたので、冷静さを失わずに戦闘を続けていけた。
長時間戦っていた気がするが、実際は15分もかかってないのだろう。
周囲にいたハニービーは姿を消し、巣からもハニービーが出てくる気配は無い。
今思えば、残り10匹程度になった所で囲まれて、全方位から同時に攻撃してきた時は危なかった。
それでも、前方に駆け出して1匹を倒し、ハニービーが攻めてくる方向を狭めた上で酸攻撃を広範囲にばら撒いて凌いだのは適切な判断だったと思う。
もう出てこないみたいだし、巣を壊すか。
ついでにハニービーの蜜をもらっていこう。
巣に何度も剣を叩きつけて砕いていく。
『All is Moneyの効果が発動しました。
素材がお金に変換されました。2,500Gを獲得しました』
ハニービーの蜜を獲得したようだ。
Money is Allでいつでも出せるものが増えていくのも結構便利である。
さて、孤児院に帰ろうか。
今回の戦いは良かった。
冷静に対応できたし、投げナイフ、防具、酸攻撃、迷彩、格闘と持っているものをフルに活用できた気がする。
あと、数が多かったので稼ぎの面でも結構良かった。
まぁここまでの規模のものは安全性を考えて遠慮したいけど。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさい。無事で何よりよ」
孤児院に着いたのは夕方前だったので、夕食の準備中のセリアさんに声をかけた。
ちゃんとセリアさんを安心させられたようで良かった。
xxxxxxxxxx
所持金:516,690G
xxxxxxxxxx




