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ファンドマネージャー ~モンスターをM&Aして強くなる~  作者: 祐祐
第6章:強化と公爵家

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107/107

107話:投資ビジネス

「お疲れのようだね。しばらくしたら始めるけど、それまでは少し休んでいていいよ」


 昼食会を終えて、ゴードンさんに連れられてトーマスさんの執務室の隣にある応接室へ案内された。

 立食形式だったのでずっと立っていたが、肉体的に疲れている訳では無い。

 あんなに丁寧に色々な人から挨拶されて、頭が疲れた。精神的に疲れた。


 応接室のソファに座り、上を向いて目をつぶる。

 貴族は貴族で、冒険者とは違った方向で大変なんだな。


「凄腕冒険者のディックス君の弱点が見つかったね」


「皆さんスゴイですね……私は身体を動かしている方が向いてます」


「あれも慣れだからね、貴族の仕事の半分は人付き合いだから。

 色々な人と付き合って、色々な人の力を借りて領地や国を良くしていくんだよ。

 1人でできることなんて両手の届く範囲だけだからね」


 なるほどなー。そう考えると、これからやろうとしている組織は、貴族の方々の領地経営に近いものがあるのかもしれない。

 ……座り心地の良いソファと静かな空間。これらが合わされば、疲れから自然と意識が遠のいていく…





「そろそろいいかな、ディックス君」


 ゴードンさんに声をかけられて意識が戻っていく。


「すみません、大丈夫です」


「じゃあ順番に入ってもらうね。

 まず、今の所持金を確認したいからマイカードを出してもらっていいかな?」


「はい。マイカード。どうぞ」


 マイカードを受け取ったゴードンさんは、紙に何かを記載していく。


「9,494,020Gだね。そうなるとここはこれで、ここはこうなって……」


 紙に書き続けていくゴードンさん。何をしているんだろう。


「はい、じゃあこれがこれからの予定表だよ。

 上から順番にやってくるから、その時にこの紙に記載通りの金額がディックス君の所持金になっているかを確認しながら進めていくからね。

 という事で、最初は私です」


 受け取った紙の一番上に記載されていた名前はゴードンさん。


「ゴードンさんもレベルを上げるということでしょうか?」


「トーマス兄さんとヘンリー兄さんもやってもらったから、私もお願いしたいんだ。

 ちなみに、ジェームズ兄さんは仕事の中でモンスター討伐もしているし、今後も討伐して経験値を獲得し続けていくからって辞退したんだよ。

 じゃあ早速お金を渡すね」


 そう言って、ゴードンさんから550万Gが支払われた。


「兄さん達と相談して、上限を550万G、5万経験値とすることにしたんだ。

 上限を設けないと、どこまでも使ってしまう人が現れるかもしれないからね」


 5万経験値か。レベル1からでもレベル14になれるだけの経験値だ。

 ただ、レベル14から15は19,520、レベル15から16は29,280の経験値が必要だから、ここまで来ると1レベルくらいしか上がらなくなるな。


「ではやりますね」



 Dividendの効果を発動してください。

『Dividendの効果を発動します。対象と金額を指定してください』

 目の前にいるゴードンさんを対象として、5,000,000Gを使ってください。

『Dividendの効果を発動しました。

 5,000,000Gを投資しました。対象に経験値が与えられました』



「ほぅ。本当にレベルが上がったね。

 前に1だけ経験値をもらったけど、改めてスゴイね。

 あと、急に5レベルも上がると身体が軽いというか、変な感じがするよ」


 あ、ゴードンさんの研究者スイッチが入ってしまった気がする。


「ゴードンさん、次の方を呼ばなくていいのでしょうか」


「この感覚を何とかして残したいな……

 あぁゴメンね。部屋の外にいる担当者に声をかけてくるよ」


 没頭しそうだったゴードンさんを呼び戻すことに成功して、部屋の外へと向かっていった。

 すぐに戻ってきたゴードンさんは、別の紙に何か書き始めた。まぁ次の人が来たら戻るだろう。


 コンコンッ


「失礼します。クロス伯爵家長男、ハリー・クロス様をお連れしました」


「入ってもらって」


 書き続けながら、ゴードンさんが外からの言葉を返した。

 扉が開き、入ってきたのは私より5つくらい年上の男性。クロス伯爵と一緒に挨拶をされた……気がする。クロス伯爵は覚えようと頑張っていたのだろう。その側にいた気がするが、ぼんやりとしか……


「昼食会でもご挨拶しましたが、クロス伯爵家長男のハリーと申します。

 お忙しい中、ご対応いただきありがとうございます。

 ゴードン様もわざわざご対応いただきありがとうございます」


「いえいえ。ではハリーさん。ディックス君にお金を渡して下さい。

 事前の申請通りでお願いしますね」


「分かりました。それでは失礼します」


 手を出してハリーさんからお金を受け取り、Dividendを使って経験値を与える。


「うぉっ!!」


 経験値を受け取ったハリーさんが大きな声を出した。

 説明されていたとはいえ、急にレベルが上がったら驚くだろうな。


「説明通りですが、本当に5万経験値が与えられて、レベルが14まで上がりました。

 いや、これはスゴイですね……身体がふわふわします」


「ですよね。マイカードの金額も問題ありませんので、これで終わりです」


「ありがとうございました。

 ディックスさん、クロス領都で何か困ったことがあれば声をかけて下さい」


 ハリーさんは部屋を出ていき、しばらくすると次の人がやってきた。

 どの方もDividendで経験値を受け取ると驚いていた。

 数時間繰り返して、合計10人にDividendを使ってた所で終わりを迎えた。


「次にDividendを使ってもらうのは半年先になると思います。

 その際は当初の予定通りクロス領都まで向かってもらいますので、よろしくお願いしますね」


 次は半年後か。半日でいい稼ぎになったな。



xxxxxxxxxx

所持金:14,516,140G

xxxxxxxxxx

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