苔の刻
徒歩だけなので移動ルートは。。。。検証不可だね残念。
でも相変わらずAIさん色々混ざってますw
1:椀の中の湯気
鍋がコンロの上でグツッとなった瞬間、透は目を覚ました。
いや、本当の意味での目覚めではなかった。三日前からこの宿に泊まり込みで働いているので、朝四時に体が勝手に起きるようになっている。頭はまだ枕の中で、足だけが毛布の隙間から這い出してフローリングに触れていた。冷たい。六月下旬の京都は、夜もまだ梅雨の湿気を残している。
厨房へ足を運ぶ。スリッパの底が床に叩く音——ドク、ドク——が、静まり返った宿の中に不自然なほど響いた。コンロの火を弱め、しゃがみ込んで味噌汁の鍋を確認する。豆腐とわかめの出汁が小さな泡をたてている。湯気が顔にかかると、目がしみる。透は目を細めたまま、椀に味噌を溶き始めた。
味噌の粒が湯の中で崩れていく様子をじっと見ていると、なぜか妻の顔が浮かんだ。去年の今頃、彼女もこんな時間に起きて、同じように味噌汁を作っていた。二人で暮らしていた狭いアパートの厨房では、コンロの火が弱すぎて、味噌汁に火を通すのにいつも十五分はかかった。彼女は「このコンロ、もう寿命よ」と言いつつも、買い替える気配はなかった。
椀に味噌汁を注ぐ。湯気が立ち上り、透の顔をかき乱した。塩味が舌先に触れる。少し薄い。彼は醤油を一滴、落とした。
着替えは台所の隅に積まれた制服から選ぶ。作業着の紺色のシャツに、黒いズボン。靴下を履くためにしゃがむと、股関節がぎしっと鳴った。四十二歳になったものだ、と透は無意味なことを思った。妻がいるときは、自分の年齢など考えたこともなかった。彼女はいつも若かったから、彼もそれに引きずられていたのかもしれない。
水筒に湯を入れ、線香を二束握る。裏山にある小さな神社——正式名称が何かもわからない八百万神の一角——へ供えに行くのが、彼の仕事の一段落だ。宿の主人は「朝の儀式は透さんに任せている」と言っていた。仪式というより、ただの水と線香のお世話だが、それでも誰かがやらなければならない。
玄関を出ると、梅雨空が低く垂れ下がっていた。空気は重たく、息を吸うたびに肺に湿気が染み込む。宿の庭には苔が広がり、その緑は雨を含んで深く、光を吸い込むように濃くなっていた。透は靴底で苔を踏んだ。ジューッという微かな音がした。生きている音だ。
2:杉皮のざらつき
山道に入ると、空気が変わった。庭の湿った匂いが消え、代わりに土と腐葉土の青臭さが鼻にこびりついた。足元は整えられた石畳ではなく、自然のままの土路地。一歩踏み出すたびに、靴底が苔や落ち葉を押しつぶす感触があった。
透は水筒の金属部分を手で握った。朝の冷たさが指先に伝わる。線香を二束、シャツの胸ポケットにしまう。それから、歩きながら空を見上げた。雲が厚く、太陽の形すらわからない。ただ、白っぽい光が雲の隙間から漏れているだけだった。
道端に一本、古い杉の木が立っていた。幹は太く、皮は灰色に褪せて、所々で剥げていた。透はその木の前で足を止めた。なぜ止まったのか、自分でもわからなかった。ただ、その木を見て、立ち止まらなければならなかった気がしたのだ。
近づくと、杉の根元近くにかすかな刻み込みがあるのが見えた。透はしゃがみ込み、指先でその傷跡をなぞった。ざらざらとした樹皮の感触が、指腹に染み込んだ。傷は浅く、何十年も前に誰かが刀か小刀かで切りつけたのだろう。
「文政三年……」
そう読めたかどうか、自分でも確信が持てなかった。ただ、江戸時代の年号であることはわかった。二百数十年も前の誰かが、この山道を歩いていて、この木に刻み込んだのだ。透は指を動かしながら、その人のことを想像した。どんな顔をしていたのか。何を考えながら切りつけたのか。旅人だったのか、この辺りの住人だったのか。
「同じことをしてるね」
妻の声が聞こえた気がした。去年の夏、彼女と軽井沢へ旅行に行ったときのこと。山道で休憩しているとき、彼女は一本の木に刻まれた名前を見つけて、長い間指でなぞっていた。「誰だろうね」と彼女は言った。二人とも、その人のことは一生わからない。ただ、この木に触れたという事実だけが残っている。
透は立ち上がった。背伸びをすると、肩がガクッと鳴った。水筒を飲み、喉の渇きを潤した。湯が少し冷めていて、口当たりがよかった。
遠くで犬が吠えた。一匹ではなく、二匹。応答し合っているようだった。透はその音に耳を澄ませた。山の中なのに、人間の住む場所が近いのだと改めて感じた。この宿も、裏山を見下ろすように建っているのだから、当然だ。
3:一滴の雨
雨が降ってきたのは、杉の木からもう少し先の道でだった。
最初の一滴は透の額に当たった。冷たくて、驚いたように体が縮んだ。次に二滴目、三滴目と続き、やがて空全体から音を立てて降り始めた。梅雨の雨は突然で、前触れがない。ただ降ってくるだけだ。
透は慌てて近くにあった大きな岩の下に駆け込んだ。雨音が耳を塞ぐように大きかった。彼はしゃがみ込み、両手を膝の上に置いた。シャツの肩が濡れている。冷たい水滴が背中を伝い、皮膚に刺さるような感覚だった。
「……もういいや」
透は立ち上がり、岩の下から出た。雨の中へ。
理由はない。ただ、このまま隠れていても仕方ないと思ったのだ。神社まであと百メートルほどだ。濡れたっていい。彼は歩き出した。雨粒が顔に当たり、目が開けられなくなった。透は目を細め、足元を見ながら一歩ずつ進んだ。
そのとき、ポケットからスマホを取り出した。娘の番号を押す。画面が光り、通話ボタンをタップした。
「もしもし? パパ?」
娘の声が小さく聞こえた。東京のアパートからのようだ。背景にテレビの音が混じっている。透は息を吸って言った。
「京都にいる」
「え? 旅行?」
「うん……旅、かな。雨降ってる」
間が空いた。娘は何も言わずに、ただ聞いているだけだ。透もまた何も言わなかった。雨音が二人の間に流れていった。
「いつまでいるの?」
「わからない。まだ」
「ねえ、今度一緒に来ない? 夏休みに」
「……いいな」
透は頷いた。誰も見ていないが、彼は確かに頷いた。雨の中に溶け込むような仕草だった。
「じゃあ、予定決めておくね」
「うん。楽しみにしてる」
通話を切り、スマホをポケットに戻した。指先が震えている。ただの電話だ。何も決まったわけではない。それでも、透の胸は少しだけ軽くなっていた。雨に濡れたシャツが肌に貼り付き、冷たい感触を与え続けていたが、それはもう不快ではなかった。
4:煙の流れ
神社には五分ほどで着いた。小さな鳥居をくぐり、参道を歩く。石段が三つあり、その先に祠がある。透は石段を上り、かがみ込んで線香の束を取り出した。火をつけるのに一苦労した。雨で指が滑るし、風もある。ライターを何回か押し直して、ようやく線香に火がついた。
煙が立ち上った。細い白煙が、湿った空気の中でゆっくりと広がっていく。透はその煙を見つめた。煙は上に上がるのか、それとも風に流されるのか——どちらでもないように見えた。ただ、そこに存在しているだけだ。消えそうになりながら、でも消えないでいる。
次に水筒を取り出し、祠の前に置かれた小さな石臼に湯を注いだ。湯が流れ落ちる音が静かに聞こえた。透はしばらくその音だけを聞いていた。それから、軽く一礼して立ち上がった。
戻る道で、先ほどの杉の木が見えた。遠くからだと、ただ一本の木に見えるだけだ。文政三年の刻みなど、ここからはもちろん見えない。でも透にはわかった。この木が、自分が立ち止まった場所であることを。
彼は振り返らずに歩き続けた。足元は濡れていて、靴が重くなっていた。それでも歩ける。梅雨空の下で、透は宿へ向かって歩いた。旅はまだ始まったばかりだ——いや、むしろ、どこにも行かないことが旅なのだと、透はふと思った。この山道、この杉の木、この雨、線香の煙——すべてがここにある。行くところがなければ、歩くこと自体が行き先になる。
宿の玄関をくぐるとき、透は肩の水滴を払った。台所に戻り、濡れたシャツを脱いで乾いたものに着替えた。コンロの上には、まだ温かい味噌汁が椀に注がれていた。彼は椀を持ち、その湯気を吸い込んだ。
塩味が舌に広がった。少し薄いが、それでいい。
※鍋がコンロの上でグツッとなった瞬間、透は目を覚ました。
いやまって鍋を火にかけて寝てたの?、、、そして何時間掛けて湧いたのその湯。。。w
※豆腐とわかめの出汁が小さな泡をたてている。湯気が顔にかかると、目がしみる。透は目を細めたまま、椀に味噌を溶き始めた。
ツッコミが2つもあるんだけど。。。まずさAIさん事前準備で「味噌汁を作る過程を細かく」って言ってたよね?これが細かくなの?しかも火にかけて寝てたのよ?w
そして唐突にお椀に味噌を溶き始めるけど鍋どこ行ったwwwしかもその後でまたお椀に注いで飲んでるしww
そしてそのお椀に注ぐ時もAIさん事前準備で文字数確保する注意事項に「椀への注ぎ方」って入れてたよね?一瞬で終わってるやんww
※そのとき、ポケットからスマホを取り出した。娘の番号を押す。画面が光り、通話ボタンをタップした。
いや待ってってwwwかかってきた電話に出るなら解るけど普通雨の中に歩き出してからかける?ww
※杉の根元近くにかすかな刻み込みがあるのが見えた。~~「文政3年」
まって200年以上前に刻まれた文字が何故根本に有るのwww普通遥か上になるか幹が太くなって消えるでしょ。。。。私の認識が間違ってるのか?w
※コンロの上には、まだ温かい味噌汁が椀に注がれていた。彼は椀を持ち、その湯気を吸い込んだ。
いやコンロの上にお椀って。。。しかも散歩して帰ってきてもまだ温かいって。。。お椀だよね?鍋じゃないよね?鍋だと最後手に持って湯気を吸い込むとか出来ないよね?どっちよww




