表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

推し、享年0秒

………………………は?

えっえっなになになになにがおこった?

ちょっと待て深呼吸だひっひっふー

いや、これは妊婦のための呼吸方だ。落ち着くのだ冷静にそう冷静に……

まずはなにが起こったか振り返ろう。俺はアニメを見ながらフィギュアが来るのを待ってて、それで宅急便が来て荷物を受け取り「いざ、開封タイムッ」と意気揚々とダンボールを開けたら中から呪いの炎が飛び出して来ましたっ

………………………はい?

いや、冷静に考えても意味が分からないんですけどなんで呪いなんかが梱包されてんだ。店側のサービス?そんなサービスノーサンキューなんだけど

大体俺には呪い等の状態異常は効かないのに…誰だよこんな無意味な事したのはよう。なんだ?「宅配便の中に呪い詰め込んでみたっ」ってか。動画投稿してバズるつもりなのか。

……まぁいい。落ち着くんだ俺よ。今は呪いなんかよりサファイヤちゃんだ。サファイヤちゃん待っててね。再びダンボールを開くとそこには


黒炭になっているナニカがあった


あれ?おかしいな。俺はダークマターを頼んだわけじゃない。フィギュアを買ったのだ。これは気のせいだ。一回ダンボールを閉じ深呼吸の後再び開くとそこには


黒炭になっているナニカがあった


いやいやいやいやいやいやいやいやないってそれはないって俺はフィギュアを頼んだって半年前から予約してたってこんな黒炭を頼んだ覚えはないってぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ

なんでこうなった。そんな事は分かり切っている。呪いのせいでサファイヤちゃんは黒炭になったんだ。

「誰だ…」

誰がこんな事をしやがった?製造会社か?いやそれはないか…となるとさっきの宅配便?…まぁいい

「誰だろうがこんな事をしたか知らんが俺の推しをこんなにしたやつは」

俺はフィギュアだったものを握りしめながら 


「潰すっ!」

天高く吠えるのだった。



ーーーーーーー遂にやった。やってやった。

宅急便の服を着た男は夜を駆ける。その顔には恐怖と達成感が滲んだ顔をしている。

純粋に怖かった。バレたら存在事塵に変えられる。だから対面した時は顔が引き攣らないように冷静に宅配便になりきった。その結果男は呪いを対象に付与出来た。あの呪いは一族が秘匿してきた危険なもの。それが3つだ。そのうち一つは対象用に改良した特効物、今頃対象は身動きが出来ないくらいに弱体化しているか最悪死んでるだろう。

街道を抜け森に入り目的地の小屋に辿り着く。息は絶え絶えで全身汗だくだがやっと休憩出来る。

小屋にもたれ掛かり目をつぶり深呼吸をしてさっきまでの恐怖を紛らわせる。


「ふぅー……やっと終わった」

「なにが終わったんだ?」

「そんなの決まってるだろ。あの忌々しい神を倒すことだよ」

「ふんふん、そうかそうか」

「これで一族の宿願が叶っ………た?」


……おかしいここには俺一人しかいないはず。俺は今誰と話している?……まさかそんなはずはない。呪いが発動した事は確認しているし例え死んでなかったとしても動けないはずだ。そうに決まっている。だから大丈夫アイツではない。アイツのわけがない。……だが目を開けられない。分かりたくないが俺の目の前には「恐怖」と「死」がいる。


「おいおい、俺が喋ってるんだ。目を開けろよ」


いやいや目を開ける……そこには


「こんにちは。そしてさようなら」


青筋をたて、怒気を纏った神がいた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ