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勇者の守護者〜誰かのために出来る事〜  作者: Dr.醤油煎餅
第七章 縁ある都市と縁ある人々
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104話:一先ずご褒美

話し方とかおかしいです、何かあったらすぐに修正します

 宿屋に戻った祈達一行はジンが用意していた料理に手を付けている。今は依頼を達成した祈達にお疲れ様会を催しているのだ。(ちなみに、トウガはラティーナがルーカスに来た時点で転移魔法の道具を使ってトウキョウに帰った)


「依頼達成。おめでとう」


 ジンの言葉はスルーされて全員が食事をしている。ジンが用意した食事に夢中になっている様だった。用意した側としては嬉しいし、さして重要な事を話したいわけでは無いので食事に集中させてやることにする。

 宴の席には祈達に加えてシルンも一緒に参加している。


「美味しい~」

「久しぶりにまともな場所で美味しい食事がとれてる~」

「美味しいのもあるけど、不思議と力が沸き上がってくる感じがありますね」

「あったかい食事だ~」

「美味しい、美味しい」


 五者五様であるが、一先ず料理を喜んで食べてくれている。


「これ何のお肉を使ってるの?」

「それはオークの奴かな」

「シチューが美味しい」

「保存できる調味料とかないですか?」

「カレーのルーとかあるけどそれでいい?」


 度々、料理に関しての質問が飛び交いジンが答える。食事が終わると全員でお茶の時間にする。


「もう一度、言うけどお疲れさま」

「おお、先生が素直に労ってくれてる」

「俺はどんな風に思われてるんだ」


 ジンは自分の好感度が思ったより低かったことに気付き、地味にショックだった。そんなショックを受けつつも彼は思考を切り替えて本題に入る。


「それじゃあ、本題。依頼を達成したので君達には報酬が送られます」

「わーい、パチパチ」

「パチパチ」


 祈と願の反応は適当である。報酬にあんまり期待していないのだろう。他三人はそこそこに盛り上がってくれている。シルンは関係ないので興味なさげだ。


「でも、報酬あったんですね」

「あるよ。言い忘れてたけどね」

「うーん。言い方は悪いけどさ、ヘレンさんが報酬じゃないの?」

「それに加えてって事な。受け取るも自由だが、どうする?」

「お願いします」


 真剣な表情で望が前に出てきた。彼女達には手持ちが少ないから、少しでも持つものを増やしたいのかもしれない。


「先ずはお金。はい、大金貨20枚」

「えっ!?」


 ジンは大金をポンと机の上に置く。ヘレンは相場以上の額に驚き、変な声を出した。

 願はヘレンの態度から結構デカい額を出された事を察して質問する。


「こんなに良いの?」

「王女の護衛依頼と俺の所までちゃんと来られた報酬、後は今後の事も考えての額だな。それとも不満? 追加しようか?」

「…………いい、ありがたく貰っておく」


 願は大金貨の入った袋を取って、望に渡す。ヘレンには衝撃が多かったが、理由を話されて少し納得した。


「次は何か欲しいモノでもあげるよ。言ってみてくれ」

「何でも?」

「俺が用意できる範囲ならな」

「…………なんかある?」

「「「特には」」」

「私は何もやって無いので…………」


 望は直ぐに思いつかないので、他の人にも尋ねるが、祈達三人も、ヘレンも断った。


「一番困る返答だね。まぁ、何か必要になったら言ってくれ。用意はするから」

「はーい」


 ジンは妥協点を用意した。多分お互い、譲る事なんてないだろうし欲しい物なんてすぐ思いつくものではない。時間を用意してやれば何かしら思いつくだろう。


「最後に三つ目。これはお前たちの元の世界についての情報だな」

「帰る方法が、見つかったんですか!?」

「見つかってない」


 ジンの言葉に期待を裏切られ、間の抜けた表情をする優夢。


「は?」

「帰還方法については何も目処が立ってない。今から話すのは俺の前世だ」

「前世?」

「言ってなかったが俺と同じ勇者の守護者には前世がある」

「前世、………転生ってやつ?」

「理解が早いな。俺は俺になる前に戦争で死んでこの世界に生まれ変わったんだ。と言っても、赤ん坊からじゃなくて五歳からのスタートだったけど」


 祈達が前から商会名や地名に感じていた違和感にようやく納得がいった。


「転生の前には女神とか言う奴が勇者の守護者は前世で勇者と関係が深い奴が選ばれる。言うなら、あっちの世界に置いて行かれた奴。だから、お前らがこっちの世界に移動してきた後のあっちの世界の状況について知ってる。そして残念ながら俺の勇者も俺の記憶が続いている限りはあっちの世界に帰れてない。全部、失踪事件として処理されてる」

「失踪事件…………」

「それは、そうか」


 改めてあっちの世界での自分達の立ち位置について考え始めた。こっちに来てしまったことであっちには誰もいなくなったんだから、自分達が失踪扱いになっている事も今更だが納得した。


「まぁ、色々あったけど。記憶にある限りでは失踪から俺が死ぬまでの十年間で解決されたとの報告はなかった」

「つまり、十年はあっちに戻れないって事?」

「それもある。それより言いたいのは帰れない可能性もあるってこと」

「そうか…………」

「女神様は私たちの帰還についてなんか言ってた?」

「帰れるかどうか聞いたが分からないそうだ」

「そう、絶望的ね」


 諦めた感じになる願。流石に十年の時の長さと女神の断言には彼女に諦め促すのには十分な重さだったのだろう。他の転移者も諦めの気持ちが出始めていた。


「俺はこれからも協力はするが、この世界で骨を埋める事も考えないといけないかもね」


 ジンはそれだけ伝えると寝室の一つに入る。

 ジンはこの話を伝えるべきか迷っていた。だけど、変に何処からか洩れて間違った感じに伝わるよりは、調べ上げた事について全部知っている自分がちゃんと説明して正しい知識を身に着けさせるべきだと考えたから行動したそれに後悔はない。だけど、この事を伝えて彼女らに嫌われてしまってしまう事がジンにとっては嫌だった。なぜ嫌なのかは分からないが。


「まぁ、良いか」


 ジンは明日の事は明日の自分に任せる事にして寝た。

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