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郁の事情

 ゆいと別れた郁は、少し重めの足取りで自宅へ向かった。元の記憶なら、ヤンチャな仲間がたむろして、ゲームやAV観賞。夜、兄貴が帰って来たら、R18にランクアップしてモニターに齧り付いていたものだった。週末には兄貴の友達も集まって、オトナの遊びに心躍らせていた。

 郁の記憶では、兄貴やその友達に自分の友達を会わせるのに危険を感じ、自宅に招く事は無かった。放課後遊ぶときは、ファミレスかカラオケにも行く事もあったが、それ程潤沢な小遣いは無かったので、ゆいか、委員長の家が殆どだった。

 

 兄が帰宅して、作り置きのおかずを温める。タイマーで炊いたご飯を食卓に並べる。因みに、作ったのは母で、この時間は夜勤に備えて睡眠中。食事を終えて郁は、

「ねぇ、兄貴。あのさ、いや、何でもない。」

「なんだ?絶対に何でも無くない時のセリフじゃん。言ってみぃ。」

郁は少し黙ったが、大きく咳払いをして、

「妹がヤリマンだったら、やっぱイヤだよね?」

「そりゃ嬉しくは無いな。ソレで?」

郁が言葉を選んでいると、

「俺に甥っ子か姪っ子が出来たのかな?」

郁が頷くと、

「父親は、3人のうちの誰か?」

郁はまた頷く。

「で、誰?」

更に頷く、

「イエス・ノーじゃなくてさ、誰?」

ちょっと間が空いて、

「アタシも3人のうちの誰かって迄しか解んないの。」

3人とは、兄の蓮(れん)の幼馴染、大翔(ひろと)、颯太(そうた)、悠真(ゆうま)の事で、それぞれの母親が妊婦の頃からの仲。誕生日も近く、新生児の健診から保育園、小中高と全て一緒。営業所は違うが、同じ自動車ディーラーに勤め、整備士をしている。

「おまえから誘ったんだろ?3人から相談されたよ。」

「兄貴は何て?」

「郁と付き合っても別れても、俺との友達関係に影響しなきゃ好きにしろって言ったさ、それと、郁との事は俺に聞かせるなって。」

「兄貴、結構シスコンだもね。聞か無い方が良いよね。」

「聞か無い方が良いコトしてデキちゃったんだな?」

「ヘヘッ、そう言うコト!」

吹っ切れたのか、郁は急に饒舌になった。

「3人とも、物心ついた時から遊んでくれて、兄貴みたいなもんだったでしょ?中学行って、エッチな情報がいっぱい入って来てさ、最初は独りでシてみたんだけど、全然良くなくて、で頼んでみたの。」

「めちゃ具体的だな。聞いてなくて良かった。」

「今、メッチャ想像したでしょ?流石に中学の頃はバージンだったよ!」

「別に聞いて無いし。」

郁はムキになったように、3人との体験を話した。

「アタシが頼んだら、イヤなコトしないでしょ?流石に中学でロストバージンしたく無かったのよね、指とか舌とかでシてもらってた。」

蓮は居心地が悪くなったが、郁は話し続けた。

「最初はね、アタシだけがシてもらってたんだけど、皆んなズボンの中、大変なのが解ったから、アタシもシてあげるようになったんだ、中1の夏休みだったかな?多分アタシ上手いと思うよ、ネットで色々調べたし、3人とも褒めてくれるから。」

「いや、もう良いって。」

「あー、兄貴、勃ったんでしょ?悪いけど近親なんちゃらはムリよ。」

「話し終わったんなら風呂入って来る。」

「それでね、」

強引に話しを続ける。

「3人に順番なんて付けられないしさ、アッチの方もそれぞれ好きだから、ローテーションだったの、で、アタシの誕生日に特別に3人リレーでヤったの!安全日の筈だったから、生で。で、失敗しちゃった。」

郁は産むと言い張るが、父親候補達とも相談する事を蓮は勧める。渋々ながら翌日話し合う事にして、3人と連絡をとった。

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