表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/48

鬼人の逆襲

 里を抜け出した百菜は、妹達を埋葬した森を目指した。大婆のシナリオでは、先程の汚水では無く毒殺で完了する筈だったが、百菜は妹達の墓前で生島を葬りたかった。上手く逃げ出し、生島と出会ったヒューマンの集落を通過、森に隠れながら、2人を埋葬した所に辿り着いた。

 墓前に跪く百菜に合わせ、生島も祈る振りをする。

「生島様、私、女の子を2人産んで千菜と万菜と名付けたいわ!」

と言って、目を閉じると、生島に向けて唇を尖らせた。」

唇が重なり舌が絡み合うと、百菜は全ての魔力を集中して生島の命を奪う。


 大婆の言う事を聞いて毒殺も可能だっただろう。毒殺では無く、戦力を封じて里で嬲り殺す手もアリだった。百菜は死に場所を選ぶ為、自身の命を武器にする事を選んだ。

 生島の脳には直接、妹達を殺した事実を知った事、そんな男に対し恋心を覚えた自分自身も許せないので道連れにする事を伝えた。


 生島の命に終わりが訪れた事を確かめた時には、百菜の意識も薄れ、この世の存在では無くなっていた。


 翌朝、百菜達を探していたエルフの里の者達が、百菜の遺体を見つけた。千菜と万菜の亡骸も掘り起こし、里の墓地に埋葬するよう連れ帰る。

 大婆は、その場には百菜と生島の遺体があると想定していたが見つかったのは百菜だけ。百菜の魔力で討ち漏らす事は考え辛かった。


 少し時間を遡る。

「助かったねぇ、里で始末されてたら助けられなかったよ。でもボロボロだねぇ。折角来たから、持って帰ろかねぇ。」

 生島の行動を監視していた絹子が呪文を唱えると、動かなくなっていた生島が苦しみ悶え始めた。

「死なずに済んだんだ、おとなしくしときなさいな。」

雷土魔法で意識を飛ばした。


 エルフの里では3人の葬儀が執り行われ、父母達と埋葬された。一菜の縁談の代わりに、その里から嫁を迎える事で、里同士の関係は保たれる事になった。


 生島は朦朧としてはいたが、何とか目を覚ました。台所らしき所で他に誰も居なかった。全身倦怠感、起き上がる事も出来なかったが、ただボーっとしているうちに、空腹感に襲われた。食材はあるが料理はした事が無い。火も使えないので、生の野菜に噛じりついた。顎のチカラも落ちているのか、噛み切るのも噛み砕くのもままならない、いい加減に呑み込むと咽て吐いてしまった。

 意識が遠退いてきた頃、

「なんだ、起きていたのかい?ボロボロだねぇ。お前達の邪魔をしていた奴等が解ったよ、キチンとお礼して来なさいな。」

外出から帰った絹子は、数枚の紙を投げ渡した。


 ヒラリと目の前に落ちた書類は、ギルドの依頼書で、生島達が魔物寄せをセットした山の魔物駆除依頼とスープの似顔絵入りプロフィール。

『ぁあ?、コイツ、皮付きじゃねぇか?後、コッチは奴隷商に居たな?後の3人も、一緒に来たヤツ等じゃねぇか?畜生、邪魔しやがって!』

生島は、アドレナリンで身体が動き出した。

「そんな、いきり立っても何も出来ないよ、コレを使うんだよ。」

絹子は、回復剤と魔石を渡し、

「コッチは続けて飲める薬じゃないからね、10日は開けるんだ。魔石の使い方は知ってるかい?」

生島が首を横に振ると、

「利き手の甲に当てて、ソッチの手で覆って・・・」

と説明が終わると、

「自分を鑑定して見な。」


種族 鬼人

性別 男性

年齢 18歳

レベル 41

スキル スキル強奪E、鑑定F


「いっぱい持っていたスキル、エルフの里で消されちまった様だな、さっきの魔石は鑑定だよ、自分より低レベルからじゃないと奪えないからね、ちゃんと鑑定してからにするんだよ。コイツ等はギルドの寮に住んでるから・・・」

話しも終わらぬうちに、

「大丈夫、任セテオケ。」

絹子が用意した書類には目もくれず、ギルドの寮に向かう、

「ちゃんと読んでおきな!」

「読メネェンダヨ!」

「仕方が無いねぇ。」

と、スープの情報と襲撃方法を口頭で伝えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ