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2 放課後の寄り道

 ピー


 サーヤ先輩が終わりの合図で笛を鳴らす。


「ホウキ部のせいでちょっと短くなっちゃったけど、大丈夫かしら?」

「大丈夫でーす」キィちゃんが元気に答えた。

「僕も問題ありません」レオくんがこくりと肯く。

 私は……ううう。二人ほど大丈夫ではないけど、これ以上悩んでいても先に進まないので終わりにしよう、という意味で頷いておく。

「みんな優秀ね、ではそれぞれの契約呪文を一人ずつ唱えてみてください。そのあと残った時間で、呪文が違った部分について皆で話し合いましょう」


 キィちゃん、レオくんと順番に答えていく。

 私が一番出来が悪かったのはいうまでもない。きっとマッチどころか周囲を焼け野原にする威力の魔法を放ってしまったような気がする。

 火精霊を召喚してたら大災害だったよ。未召喚で本当に良かった!


「契約呪文はやっぱり難しいですね! って、スー先輩、めっちゃ落ち込んでるじゃないですか。ちょっとみんなより出来が悪かったからってそんな落ち込まないでくださいよ」キィちゃんがポーンと私の肩を叩く。

「ううう、そうだね……」


 悪気のないキィちゃんの発言が私の心をぐさぐさ抉る。

 くるんくるんとした天然パーマを頭の高い位置でツインテールにしているキィちゃんは、笑うとツインテールもくるんくるんと揺れる。


「今日は調子が悪かっただけじゃないかな。また次、一緒に頑張ろうよ」


 レオくんが項垂れている私の両手をとって、元気付けるようにぎゅっと握る。

 二人が私を励まそうとしてくれているのがよくわかる。でも私の心は今、だいぶ凹んでしまっている。

 今日どころではなく、二人よりもよくできたことは一度もないんだな。


「そんな先輩に耳より情報です!」と、キィちゃんが得意げに言う。

「?」

「ピタンガ商店街に新しくアイテムショップがオープンしました! なんと、あのマシュー・レイ監修のアイテムも売っているそうですよ」

「マシュー・レイ?」私が首を傾げる。

「先輩、ほんとに知らなさすぎです! 色々な効果があるアミュレットとか、魔法効果が付与されたアイテムとかを製作してる有名な付与術師ですよ」


 アミュレットとは魔法効果が付与されたお守りのようなアイテムである。

 攻撃力や防御力の向上効果が期待されるものから、金運上昇などの運ステータスを上げるものまで種類は幅広い。


「そうなんだ。魔法が上手になるアミュレットってないかな……」私が呟く。

「そうなの? どこにできたのかしら?」サーヤ先輩も身を乗り出してくる。

「占いババの店の向かいですよ」

「あの通りね……。一人で行くのはちょっと勇気がいるわね」


 占いババとは、その名の通り自称占い師のお婆さんだ。

 もう何歳なのか年齢不詳だが、ピタンガ商店街に昔からいる名物お婆さんで、通りを歩く人に勝手に声をかけることで有名だ。

 店内は狭く、カウンターにいつでもババが座っているので、避けて通るのは難しい。

 当たるかどうかはさておき、人の未来を勝手にズバズバ言い出すちょっと困ったババである。


「みんなで行けば怖くないですよ! 今日の帰りにみんなで行ってみませんか?」

キィちゃんは見た目可愛く、性格は悪魔な後輩という設定なのですが、お話の中で表現するのは難しいですね。

私は今のところ、凡庸という設定です。

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