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何だかすごい
*
「わー」
海くんが楽しそうな声をあげる。
良かったね。
黒と茶色を基調に、広々とした空間に何だか良く分からないけど高そうな調度品が点在し、何だか良く分からないけど質の高さを感じさせる天井や壁の落ち着き、そして何だか良く分からないけど外国の風を感じるような手すりやドアノブなどの凝った造り。
……知識のない人間がいい部屋をざっくり見るとこんな感想しか出て来ない。
よくよく見れば部屋の隅の本棚の重厚そうな――実際に鈍器にもなりそうな――お堅い本達や、滑らかかつ柔らかそうだけど同時に厳しそうな(自分でも何言ってるか分からないけど)質感のソファーとか、私でもその価値が分かる……ような気もする。とりあえず雰囲気は好きです。
ただ……。
「ちょっとちらかってるね」
吹き抜けの階段の踊り場にはおもちゃやお人形が、先ほどのソファーのひじ掛けには取り込まれたたままと思われる洗濯物が無造作に置かれている。この上品な室内にはとてもじゃないけど不釣り合いだ。子供の散らかし方だ。
ちなみに海くんはまだちっさいのに、大人に言われれば嫌な顔もせずにお片づけをしてくれる素直で優秀な子だ。なんてすばらしい。
「お兄ちゃーん、お客さんきたよ」
女の子がどんどんと奥の扉を叩くと、遅れて中から一人の少年が出てきた。




