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湖の眺め

 それに合わせてお手伝いさんたちには順次暇を出していっていた。最後の方は入院の日まで付き添ってくれる予定だったが、間の悪い事に身内の方が倒れてしまい、おじいさんは一人になっていた。

 そしてそのタイミングであの二人が屋敷に迷い込み、それからこの空間が外の世界から切り離されてしまったと。


 話していて印象に残ったことの一つは、二人の将来についてもおじいさんは心配されていたこと。

「子供はやはり学校に通い、友人も作るべきです。こんな老人と寂しい生活を送っていてはいけない」

 幼い子供たちの話から得られた情報でしか想像できないけど、引き取り先の伯父さんは、ちゃんと二人の面倒を見てくれそうなのは安心できる部分ではあると。

 そしてもう一つ、屋敷のすぐ近くの湖について。

「この屋敷から出られるようになれば、あの子達をそこに連れていきたいです。上から見た湖の眺めは有名ですし、遠目で見るだけなら二階に上がればできるけれど、横から見るのもいいんですよ。死んだ妻と娘も好きだった」

 屋敷の庭だけでなく、多少は離れた所までは出られるらしいけど、湖まではとても届かず、湖に向かってまっすぐ歩いていたはずがいつの間にか屋敷に戻ってしまうという。

「絶景とまでは言わないのかもしれないが、私には特別な光景だった。亡くなった娘はぐずっている時に、湖のほとりに行くと泣き止んだ。あの子達にはいつか行ってもらいたい。普通過ぎてがっかりしてしまうかもしれないですけど」

 元の世界に戻れた後についての思いと、長年暮らしていた屋敷から離れることの寂しさが感じられた。

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