山の中の洋館
過去作、「結局、真相は?」の続編です。
「ワープしたの?」
「――うん、そうかもね」
海くんと一緒に山の中腹のバス停に降り、展望台ほどではないけど眺めのいい休憩所から少し離れると、急に景色が変わった。
とは言ってもワープしたと思われる先も同じ山の中っぽいので、注意してないと分からなかったかも。ワープと言うよりも異世界と言うか平行世界? みたいな感じらしいけど、ここは。
木々の密度は高く、まだ昼にもなってない時間なのに薄暗いところが多い。これで時折鳥の鳴き声とかしてたら割とホラーっぽい感じになるような。
「おっ――と――」
本当に鳥がさびしそうに鳴いてるのが聞こえて身構える。
海くんが私の顔を見つめている。不安にさせちゃいけない。
「大丈夫大丈夫。お姉ちゃんちょっとビビりだから、急に音がするだけで過剰反応って言うかびっくりしすぎるの」
「うん、お姉ちゃん怖がりだもんね」
「ははっ……」
納得してくれたけど、年上の威厳が……。
昨日は雨ではなかったはずだけど地面は少ししっとりとしていて、なんかだんだん霧も出てきていた。歩いているからいいけど、立ち止まったら肌寒そう。
視界が徐々に悪くなってきたところで目的地の洋館? らしき建物が見えてきた。
二階建ての青い屋根と白い壁の組み合わせで、今の気温と相まって寒々しく見える。普通に観光地を歩いていてこの屋敷が目に留まったら、きれいだとは思うけど看板か何かで案内でもなければ近づきにくかったかもしれない。
そんなことを考えていると屋敷の重そうな扉がゆっくりと開いた。
顔を出したのは一人の少女。年は海くんと同じか一つ上ぐらいだろうか。あどけなさはもちろんあるけどきれいな顔立ちで、肌の色は白く、私と海くんをじっと見つめた後ゆっくりと近づいてきた。
こちらが挨拶する前に少女は語り出した。
「えーと、いらっしゃいませ。この空間に迷いこんでこられてお困りでしょうから、どうぞここのお屋敷にいらしてください。……で、簡単なお食事とかお休みになる部屋もある……、あります。しばらくしたら元の世界には戻れますので安心ください。……あ、ご安心ください」
――この子、カンペ読んでる。




