親は子のためならなんでも。
カイン パパ 異界転移済み
ニイナ カインの娘、聖ニノ、治癒師
イナホ 天狐、神族、転移使い
アベル 異界転移済み 白狼騎士団チーム1元リーダー
「い、今イシカとか言いましたか?!
確かに外の空気のニオイが変わった……
貴方は何者ですか?」
「ボクはイナホ。カインをこっちに連れてきた神の一族さ。成り行きだけどこれから宜しくね。アベル。」
「えっ。い、異界渡りができるのか?」
「まぁ、ボクならできるよね。なんなら、元の世界に返そうか?」
「いや、それはごめん被る。異世界でしかもこんなステキな世界に来れたんだ。
今更あっちに帰る未練なんてないですね」
「言い切るなぁ……お前のむこうの身体が大変なことになってたのは知ってるが、親御さんとかもいるだろ?
いいのか?そういう点考慮したら帰るのも選択肢だと思うが……」
「その点はカインさんも同じでは?僕はいいんですよ。もう夢が途絶えた僕に、家族も期待なんてものを持ち合わせてないですから。」
「待てよ。
いくらお前の身体が病魔に蝕まれてたって、そんな風に想う親なんていないぞ。」
「そうですよ。親の愛はたとえ今の自分からすべてをなくしても子を助けるためにつくすものですよ」
「ぐ、ニイナ様まで……」
ニイナが俺を見てその発言を言ってくれることがこの上なく感慨深く、今にも涙が出てきそうだ。
パパ泣いちゃう。
「でも、戻れるって分かってるから来れたのかな?どうなのパパ?」
「ふふふ。親子仲イイね。そこはボクが応えたげるよ。カインが言うとわざとらしいし……。
カインは戻れるは戻れるけど、戻るとこの世界との時間差で、たぶん次こっちの世界に戻ってくるときにはニイナちゃんは20歳を超えることになるんだ。
ニイナちゃんとまた別の時間を生きるとなると、カインはそれこそ狂っちゃうよ」
「イナホ。その辺にしてくれ。
恥ずかしいすぎて逆に狂いそうだ……」
「へぇー。そういうことか。どう見ても20後半のカインさんに10代後半の娘はオカシイと思ってましたが。そぉいう……」
「でも、私が年頃になった今、若々しいパパがいるのはなんか嬉しいわね。変な虫も寄り付かないだろうし……」
「実のお父さんを虫除け扱いだって。
長々旅してこれだと浮かばれないね。」
「イナホ…。俺は例え虫除けだろうとニイナに必要とされるなら本望だ……」
「ニイナ様のボディーガードはむしろ僕が勤めさせて頂きます。
任せてください。お父さん」
「誰がお父さんやっ!?」
そんな他愛もない身の上話をしていたが、転移して、今はまだ夜だ。
転移した先は農業国家イシカの西のはずれにある森の中だった。
もう海の近くで、聖教国ロウからはどう頑張っても数日かかる距離だ。
とりあえず今日はこのまま夜をあかして
明日、農業国家イシカを目指すことにした。
何をするにしても、お金は必要で。4人で行動するとなると今は持ち合わせがほとんどない。
とにかく農業国家イシカでまずはまとまったお金づくりからだ。
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