プランBを実行
「…え?」
今まで勉強なんて知ったことじゃない、みたいな感じだったような?
「…何かあったんですか?」
「いやなに。今年高校受験じゃん?笹掛ちゃんとか広瀬君と同じとこがいいなーって思って担任の先生に言ったんだけど。今の学力じゃ絶対無理って言われちゃって。それで、ね?」
なるほどそういうことか。
「僕は別にいいですよ。」
「ホントに?やったー!」
そんなことが数日前の朝にあって中野さんに勉強を教えることになったんだけど…。
「…休憩ばっかりじゃないですか。」
一日目からずっとこんな調子でまるで進まない。
「休憩は大事じゃん?」
中野さんの集中力の無さに完全に足止めをくらってていた。このままじゃ本当にマズイ。基礎の部分が甘くて受験予定の高校の学力に全然足りてない。これは由々しき事態だ。あまりやりたくないけど、仕方がないか。
「中野さん。」
「なにー?」
「今から30分間の間私は少し席を外します。」
「えっ?」
「その間は代わりに桜にいてくれるようにお願いします。」
「う、うん。」
「中野さんの問題を解くスピード的に…これくらいかな。」
中野さんの持ち込んできている問題集のページ部分に丸印を付ける。
「ちゃんと進めておいてくださいね?わからなかった所はとりあえず後回しでいいですから。」
「えーっと、わかった。」
よし。ここまでは順調、そして部屋から出るタイミングで…
「あ、あまりにも問題が進んでなかったらお昼は抜きですからね。」
「え、ちょっ、ま」
バタン
よしよし。完璧だ。昔桜が夏休みの宿題を溜めてたときとかに使ってた手段。案外いけるな。
コンコン
「んー?」
声がして数秒、部屋から桜が出てくる。
「30分の間僕の部屋で中野さんを監視しておいてほしいんだけど…いいかな?」
桜は、あー、あれやってるんだ。みたいなリアクションをとって返事をくれた。
「いいよー。宿題まだあるからそれやっててもいいんでしょ?」
「うん。むしろありがたい。じゃあよろしく。」
それだけいって1階へ下りて昼食の準備をさっさと始める。
さて、これで少しは進めてくれてるといいんだけど。
結論から言います。
大成功。
「まさかここまでとは」
「笹掛ちゃんのご飯を抜きにされるのはつらすぎるもん。」
桜曰く中野さんは20分足らずで範囲を解き終えたらしい。食欲旺盛だなぁ。
ぼちぼちでのろのろとすすみます。




