事件 1
ゆっくりと刺さった剣を抜かれる、ズズズと鈍い音を立てて。
仕留めたと思ったのだろう。
「容易い、、、。」
本来くるはずの激痛が来ない。
四肢は問題無く稼動する。
俺は腰にある剣を引き抜き振り返りざまに黒装束の男に抱きつく。
「な!?貴様!」
男は必死に俺を引き剥がそうと何度も脇腹を刺す。
無駄。
俺は片手で男の首を掴みもう片方の手で首元に剣を突き刺す。
「──!」
声にならないかすれた音を出し男は地面に倒れる。
……痛みがないとこんな冷静でいられるものなのか。
俺は階段を降り大広間に出る。
いつもメアリが俺を持ち歩いてくれるおかげで全く迷わない。
食堂はまだ一回も行ったことがないがどうせ一階のどこかだろう。
俺はまた歩きだす。
ひとまず今の敵は黒装束の男たちだろう。
また何か首に刺さったような感覚がする。
俺はさっきから隠れながら攻撃してくる奴にイライラしながら首に刺さった矢を引き抜く。
どうやら寄生している間は首が弱点らしい。
今俺の本体は首の後ろ側、脊髄の部分に根を広げている。
その根に少しでも攻撃が当たるとものすごい激痛が走るのだ。
黒装束は何処にいるのか。
さっきから喉元に矢が刺さっているのだから前にいることは間違えない。
と言うより今いるのは一本の長い廊下なのだから前か後ろのどちらかなのだが。
また風を切る音がし、気づくと首に矢が刺さっている。
……どうしたものか。
逃げよう。
そう思い、俺は来た道を全力疾走で引き返す。
しゃーないじゃん!いつまでたっても姿見えないとか絶対魔法の類だよ!
不可視の魔法とか対抗しようがないし。
……待て。
何かおかしい。
気の所為ではない、道が長すぎる。
そう言えばさっきまで頭を撃ち抜かれた兵士の死体があったはずだ。
魔法……。
ああもうめんどくさい。
走ろうにもこの無限の廊下をいつまでも走るだけだし。
寄生中でもスキル習得メニューは開けるか?
スキル・魔法獲得一覧
よしよし開けるな。
鑑定レベル2にアップする。
鑑定レベル2 300pt使用します
残りスキルポイント760
よろしいですか?
大丈夫だ。
てか矢がたまに根に当たるからまたポイントがたまったな。
鑑定をレベル2にしました。
早速鑑定発動!
鑑定対象 俺の周りで起動している魔法で!
起動中魔法一覧
寄生
根っこ触手化
無限回廊
やけに大層な名前の魔法が起動しているな。
もちろん俺はこんな魔法知らん。
無限回廊を詳しく。
、、、、、
レベル上げろってか。
いいよ分かったよ。
鑑定レベル3に。
鑑定レベル3 400pt使用します
残りスキルポイント460
よろしいですか?
さっきからなんかピンポイントでスキルポイントが溜まってない?
まあいいんだけどさ。
習得!
鑑定をレベル3にしました
じゃあ改めて無限回廊を詳し痛っ!ヤロォまた射って来やがった。
無限回廊を詳しく!
無限回廊
ザッザザッ
ノイズが走ってる……。
なんだ?隠蔽みたいなスキル使ってんのか?
じゃあ対処法だけでいいから!
無限回廊
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ーーーなので対象の30メートル以内に触媒がないと起動しない
触媒。
近くにはなんもないな。
ずっと装飾もない廊下が続いてるだけだ。
そういや兵士の死体は無くなったのに捨てたはずの首に刺さった矢は落ちたままだな。
というかさっき走ったのに全部足元に落ちてるとかおかしいだろ。
俺は矢を拾い上げる。
その全部にちっちゃい魔法陣みたいなのが刻まれていた。
……この矢、魔法陣のとこで折るか。
パキッ、、、ザッ
あたり、一本折るたびノイズが走り景色が少し揺れる。
よし全部折ろう。
パキッザッ、、、パキッザッパキッザッパキッザッ
、、、?全部折ったはずだが、、、。
ヒュン
ウオッ頭に刺さった!
首じゃないから全く痛くないけど。
それにしても何処だ。まだ矢があるはずだ!
ステータス
寄生中
スキル・魔法
部位復元・小
夜間行動
鑑定レベル3
根っこ触手化
スキルポイント60
読んでいただきありがとうございました
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