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王都騒擾 地下

「いたた、、、日付を通して効き続ける毒ってなんですか。」

 目を覚まし数分、、、やっと何があったのかわかった。

 赤いフードの男と戦って負けたのだ。

「お花さんさんは大丈夫でしょうか?」

 それが気がかりだ。

 無理に動き今頃理性の枷が外れているかもしれない。

「ですが不幸中の幸いでしょうか。手口的に犯人は三千ちゃんをさらったのと同じ。ここで三千ちゃんを取り返したらまだ大丈夫かもしれません。」

 すぐに動こうとするが何かが動きを阻害する。

 それに何か狭苦しいし木箱みたいなものに閉じ込められている可能性がある。

「なるほど手錠に足枷ですか。毒のせいか魔力はあまり回復していませんし、、、足枷、手錠と壁を破壊して脱出しますしょう。」

 一瞬だけ手元が光る。

 するとカシャリという音が響く。

 さっきまでルティアの細く白い足と腕をつないでいたそれは地面に落ち砂となって役目を終えた。

「次は──」

 壁に触れ表面の差材を確かめる。

 それは木材で出来ており押すとミシミシと音を立てた。

「これなら簡単に壊せそう。」

 魔力を込め壁を軽く叩くと

 ルティアの予想通り壁は超低魔力で破壊できた。

「やっぱり木箱に入れられていましたか。」

 外に出ると薄暗い部屋の中にルティアが出てきたものと似たような木箱が大量に置いてある。

 その数は十、二十にも及ぶ。

 多分この箱全部に拉致された人が入れられているのだろう。

「参りましたね。これを全部確認するんですか。」

 木箱には南京錠が掛かっており開けるにはルティアがさっきしたように箱を破壊しなければいけない。

 明らかにあまり回復していない残りの魔力じゃ足りない。

「それにここは地下?とてもジメジメしていて正直苦手です。」

 空気が湿っていて風が通らない。

「、、、!誰か来る。」

 出てきた木箱に隠れ息を潜める。

 ここは敵陣、少ない魔力では戦える気がしない。

 ガチャリと扉が開く音がする。

 暗くて見えなかったがどこか近くに扉があるのだろう。

「ココハナニ?キバコガタクサンアル、、、。」

 入ってきたのは黄色とオレンジが混ざったような髪をした女の子。

 木箱の確認をしに来たとしては何か違う気がする。

(もしかして迷い込んだ?)

「ガクヤノチカニコンナトコガアルナンテ、、、。」

 それにしても変わった声の持ち主だ。

 声域が高く違和感のある喋り方。

 いや、今は関係ない事だ。

 ルティアは自分の頬をつねり雑念を打ち消す。

(あの子は楽屋って言った。だったら地下から出ればすぐに一般人に紛れられるということ、、、。)

「あの、、、すみません、、、。」

「ヒッ!」

 話しかけてこちらに気づいた女の子に対しルティアも思わず身構える。

 なぜなら髪の色がオレンジがかったイエローから塗りつぶされるように青みの強い紫に入れ替わったからだ。

「アッ、、、アノ、コロサナイデクダサイ。」

「大丈夫です。殺したりなんかしません。ちょっと暗くて扉を見失ってしまって、、、。」

 そういうと彼女の髪はまた色が変わり今度は緑になる。

「ソウダッタンデスカ、、、。ナンダワタシテッキリ、、、。」

「てっきり?」

「ア、イエ。ナンデモアリマセン。」

 髪のこともありだいぶ変わった子だ。

 でもこれで外に出られる。

「ドウゾ、コチラデス。」

「ありがとうございます。」

 最後に残った魔力で魔力感知を行う。

(他の木箱には、、、何も無いわね。)

 少なくとも三千ちゃんの魔力は感じなかった。

 だったらここには何の用も無い。

 ルティアはその場を後にする。

 何も無いはずの木箱に南京錠をしてあった理由を考えながら。


今回も読んで頂きありがとうございます。

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