親からの呼び出し
「あら、白眉帰って来たの? 早いわね」
おいおい、何でそんなに平然としているんだ。
「それはそうと、白眉、こんな可愛い女の子が生着替えしているタイミングを見計らってこの裏口から入って来たのね」
「んな、わけあるかー! 、そもそもお前ら親が早く帰ってこいって言うからだろ! 」
「そういえばそうだったわね……、でも、この子の裸を見て少し興奮気味の白眉はやっぱりむっつりなのね……」
いやいや、母上はわかってらっしゃらない。女の子の裸を見て、興奮しない男子がどこにいるんですか⁈ と俺は心の中で質問した。
「あんたには言われたくないわ! このエロの塊がぁ! 」
「何てこと言うの、実の息子に……こんなこと言われるなんて…母さん悲しい」
悲しいって言う割には、その手で隠している笑顔は何なんだよ。そもそも、私の母、白石鈴はずっと女子しかいない学校に通っていたので、思春期のエロが今爆発しているらしい。
「取り敢えず、そいつに服着せろよ、メイド服でもいいから……目のやり場に困る」
そんなことを言いながらも、俺はメイド服に着替えてくれたら嬉しいなーなんて思っていた。
「白眉、この子のメイド姿が見たいなら正直に言いなさい、正直に言ったら後でじっくりこの子のメイド姿見せてあげる」
俺に、そんな幸せな時間を与えていいのか? ロリに白髪にメイドだぞ!
ここは、プライドを捨てて……
「白眉とそこの少女、お父さんの部屋に来なさい」
この究極の選択を迫られている中で呼び出しか……呼び出しってことは説教なのか……私の父である白石幸はえげつないくらい説教が長い。
「仕方ない、行くぞ」
「はい、分かりました、お父様」
そういえば、今日の朝もお父様と言われた気がする。何故俺がお父様何だろうか?
俺たちは親父の部屋である和室に入り、座った。
「ふぅー、白眉、これはどういうことなんだ」
「ど、どうって言われても……」
「今更何をとぼけている!! 今までその子を隠し子として隠しておったんだろーがぁ!」
俺が隠し子でも持っていると⁈ この彼女いない歴=年齢のこの俺が⁉ 隠し子だなんて……悲しくなるからやめよう……
「だが、俺はお前を見直した! 今まで俺はお前をへこたれむっつりヤローだと思っていた、俺は大変お前を尊敬する!! 」
なんて親なんだ。今までへこたれむっつりヤローだと思っていただと⁉ むっつりは許すがへこたれって……
「俺は不倫や隠し子などの言葉に大変憧れている! そうだ、俺はおにゃの子と遊びたいんだ!! 」
おいおい、それは夫としてどうなんだよ、しかもおにゃの子って……何か俺が恥ずかしい。
「あなた、どう言うこと? 私と言うものがありながら他の女の子と……」
「えっ⁉ 鈴さん何故そこに!? 」
「白眉が心配だったからふすま越しに聞いてたら、やっとあなたの本心がわかったわ」
「いやっ!? それは……ジョ、ジョークだよ、アメリカンジョークだよ! 」
親父は嘘をつくのが大変下手だったのを俺は思い出した。
「んなこと知るかー!!!!!! 私の部屋に来い! 説教の時間だ」
「わ、分かりました……」
何故か、そのときの親父は威厳がなかった。
「と、ところでさ、お前何もんなんだよ? 」
そう、それよりもこの少女が何者なのかが知りたい。
「私はアレグスター王国の王である、アレグスター・キールの娘、アレグスター・モーアです、こちらの諸事情によりこの世界にやってまいりました」
こんな可愛い女の子が中二病だなんて……でも、その方が萌えるかも!
「え、えーと、モ…モーアさん? 多分疲れてると思うからそこらへんで寝といて、俺は学校に行かないといけないし」
「そうですか……では、行ってらっしゃいませお父様」
お父様か……悪い気はしない。しかも、言ってくれるのがメイド服のロリ。こんなに幸福なことはないだろう。
俺はそんなことを思って学校へ行った。