地下迷宮.12
のんびりした話しのはずが、いつも慌ただしいような……。
ポイズンフロッグたちの大所帯には困ったものだけど、私たちの敵ではない。ただ、毒には注意しないとね。
特に罠みたいのはないみたいだけれど、エレンが先頭に立って歩いているから、回避出来ているのかも。
「!!なにか、いる?」
しかし道の先にあるのは、宝箱だけだよ。これはもしかして?
「ドロン、これ使ってみて」
「あ、こいつは」
それは、合成しようにも出来なかったクロックブレードだ。
合成不可で手に余っていた呪いの武器だ。
ダークガントレットを装備したドロンなら装備出来るかな。
禍々しい剣を装備するとドロンは、無造作に宝箱に近づいて行くよ。ちょっとは警戒しなさいよ。
そして、おもむろに大上段に振り下ろす。
宝箱を真っ二つにして断つと、声にならない声を上げて絶命したミミック。
しかし、中からあらわれたの透明な幽霊!?
「気をつけろ!ゴーストだ!普通の武器ではダメージを与えられないぞ!」
エメラルドの注意にマナのファイアーボール!
そして、かりんを下がらせて魔法拳。拳を合わせて炎を纏う。
それで殴って倒す。あんずのほむらあんず。ムータは、下がっててね。
しかし、私たちの間を駆け抜けたゴーストは、サーナちゃんの元へ。不気味に唸り声を上げながら。
「わわっ!えい!」
サーナちゃんの投げた聖水が、ゴーストを消し去る。
「お化け、びっくりした~」
「にゃん」
すごいすごいとあんずが、サーナちゃんを褒める。
うん。サーナちゃんも大分戦闘に慣れて来ていいのかどうか。まだ、ちっさいもんね。
でも、みんなで守ればいいか。
ふと、かりんを見ればどこか浮かない顔をしている。
「どうかしたの、かりん」
「マキさん。今の戦闘であまり役に立てなかったから」
「まあまあ、気にしないでいいよ。人には向き不向きがあるんだから」
「そうだぞ。マキは料理苦手だし」
「うっさい、ドロン。あなたにだって苦手なものはあるでしょ?」
「俺か?そうだな、逆立ちとか?」
「…………」
しょうもなくて、なんて答えていいか分からないんだけど。
「みんは、なんか変なアイテムがあるよ」
間延びしたエレンさんの声に興味を引かれる。
渡されたのは、銀色鉱石はラッキー。
それと、なにこれ?バニーのうさ耳?いや、猫耳?
なにか、嫌な予感しかしませんが。しかも、尻尾もあるよ。
「にゃん」
鑑定してみて頭を抱える。やっぱり私用の装備だー。はずいー。帰りたいー。
「マキ。項垂れてどうしましたの?」
マナ、呼び捨てで呼んでくれるようになって私は嬉しいよ。はは。
猫耳ヘアバンド(白猫)―猫使い用の頭装備。猫との連携がはかどる。
彼氏が喜ぶので、にゃんにゃん言って見よう。
猫耳のしっぽ(白猫)ー猫使い用の腰装備。猫の行動が機敏に。装備者も機敏に。
彼氏が喜ぶのでにゃんにゃん言って見よう。
猫腕ガントレットがあれば、ステータス10倍になるよ。
「わぁ!可愛い装備だね!早速つけてみましょ?」
ガーネットがなぜか、ウキウキしている。
「いやいや、恥ずかしいんだけど!私は、そう言うコスプレは恥ずかしいよ~!」
無理に私に装備させないでー。あんずがお願いするように私を見ている。あう。恥ずかしいよ。
コスプレイヤーの人達を尊敬しちゃうよ。
「そんなに恥ずかしいなら、俺が身につけるか?」
ドロンの言葉にあんずとムータが固まった。ガーネットの表情も曇る。
「分かった、分かったよ。私が身につけるよ」
渋々と受け取り猫耳と猫のしっぽを身につけると、自分の意思で耳がぴくぴく。しっぽがゆらゆら動かせる。はずいー。
「マキちゃん、かわいい!」
「はは。ありがとうサーナちゃん」
「これを、猫カフェで、みんなでつけよう!」
「そ、それはちょっと!もしそうなら私は裏方です!」
「ええ~!?残念だなー」
「くく。マキ、似合ってるぞ」
にやにやするエメラルド。猫ならなんでもいいのか。
「そうだな。いかがわしいお店のNO.1だな!」
「それ、褒めてないよ」
しかし、あんずは嬉しそうにすりすり。ムータもか。
「ひゃっ!?」
「もふもふなしっぽー」
「が、ガーネット止めてよね!なんか、感覚あるから!」
「ああ、ごめん、ごめん。でも、マキちゃん元々美人だから、似合ってるよ」
「いや、もういいから。先に行こう」
私は、照れを隠すように歩き出すと、みんなついてくる。
でも、なんだろ?猫装備だからか。感覚が過敏になっている。
敵の待ち伏せとか、そこの岩影にいるのが分かる。
「あんず、ムータ!」
2にゃんは素早く岩の向こうに回りねこぱんち!ムカデンジャーか。へび見たいのもいる。
しかし、猫装備のおかげか、猫たちの動きが素早いよ。うん。ハズいけど動きやすい。
猫との意志疎通がはかれてるみたい。言葉は分からないけれど。
今は、このまま行くしかないよね。まあ、他に誰も見てない……し?
「お!猫耳だ!」
「ちょーかわいいんですけどー?」
「ホントだ。て、マキじゃないか」
ああ、それなりに会話のする冒険者たちに見られたー。
恥ずかしくてしゃがんでしまう。
凄い、顔真っ赤だ。
つづく




