仲間たち.6
すいません。加筆訂正しました!
「こりゃあ、ウケるな」
「ふん。おっさんがウケるとか使うなよ」
「るせーぞ。悪態着く前に何とかしろってんだ」
クランツの方を見ると、結構ぼろぼろだが、体力的にはまだまだいけそうだ。かくいう俺もまだまだいける。
「……しかし、暗殺者の次は魔物の群れとはね」
「そうだな。街には変態がいるからいいとして」
いや、変態がいたら良くないんだが。守りとしては大丈夫。
それは、サーナを見守る近所のおじさんのことなんだがな。
「ちょっと、あなたたち!無駄口叩いてないでよね!」
赤い髪の女が杖を振るうと光が放たれ、こちらの傷を癒してくれる。
残念ながらそのスタイルの良さは神官衣の下に隠れている。
教会に勤める司祭の女ティナだ。
「……ありがたいね。お布施を大量にふんだくる教会の方に癒してもらうだなんて」
そう言いつつバーサクゴブリンたちを続けざまに屠る。
バーサクゴブリンはあれだ。
ゴブリンを狩られまくって
怒りが爆発して自然にバーサーカー常態化したゴブリンのことで、Bランクの冒険者でも油断したら一撃でやられてしまう。
「それは、私のせいじゃないでしょ!じじ……大司教様のせいですからね」
ブンと神の鉄槌と言うハンマーを投げて、ゴーレムたちを貫通させるティナは、あの頃と変わらない若さだ。かといって長寿のエルフと言う訳でもない。どんな手品か神の鉄槌がその手にもどってくる。レア武器の一つだ。
「見てあれ」
「今度はオークか」
「ジャイアントオークだぜ。いやに鼻息荒いな」
「そりゃあ、ここにいい女がいるからな」
「ちょっと止めてもらえる?鳥肌もんですよー」
「明らかにティナ狙いか?」
おかしそうにクランツが槍を構える。
「そうだな。良かったな、彼氏が出来て」
「こら、二人とも!無駄口叩いてないでよね!スケベなオークなんてお断り!」
レア武器『神の鉄槌]をぶん投げるとジャイアントオークの脳天にヒットする。
あっさり終わったと思いガッツポーズをしつつ、喜びの途中で止まる。
「再生したぁ!?」
「……おいおい!どんだけ、ティナが欲しいんだよ!?」
「クランツうるさい!」
普段の丁寧な口調はどこへやら、共にいることで昔の頃を思いだしたのかもしれない。
ちっ!くっちゃべってる内にジャイアントオークは、一足飛びで間合いを詰めて来た。
「ゴアアアアアア!」
鼻息荒く踏み込んで、拳を叩き込んで来るのを横にステップしてかわすと俺の袈裟斬りとクランツの突き!
「止めだ、連携で行くぞ!」
ロッカーが、剣に力を込める。レア武器ではないけど、ドワーフが鍛えた魔力のかけられた一品だ。こいつに力を込めて斬る。
「聖なる光!シャイニングスター!」
神の鉄槌を投げて、動きを止めたとこでいくつもの光りがジャイアントオークを穿つ。
「雷神槍!」
雷の効果が秘められた鋭い突きで、ジャイアントオークを貫く。
そして、駆け抜ける俺の一閃……からの乱れ斬り!
「斬雨の静けさ!」
「うごおおおおおああああ!」
粉微塵になってしまえば、再生なんて出来まい。
魔物も粗方倒したからもう、大丈夫か。
「……それにしても変ね」
「なんだ?」
「あれだけの数で、私たちをどうにか出来るとでも思ってるのかしら?」
「……ああ。囮とでも言いたいのか?大丈夫だ」
「なにがよ」
「最近のルーキーたちに任せておけばな」
にやりとロッカーが笑うとクランツも頷く。
「あの、制服の似合うねーちゃんか」
「ああ。レベルの割に強い」
「そして、親父受けするからな」
「もう!ホントこれだから、おじんは!私だってまだまだイケるよー?」
「んな!おじんて呼ぶな!俺はまだ、いけるぜ!」
「なにがよ!?どーせ、制服見てにやにやしてるんでしょ?ホント、おじんて制服に弱いんだから」
なぜか、ぷんぷんして歩き出す。
「待て待て!これだけの魔物の素材をほっぽって行くのかよ!」
「スケベクランツに上げるわ!私は、教会での仕事が待ってるからね!」
「待て待て!夕飯奢ってやるから機嫌直せよな」
ピタリと動きを止めてティナは振り返る。
「……貴族街のお店よ?ワインもね?」
「……ああ。分かった分かったから、素材の回収を手伝ってくれ」
「はーい!」
満面の笑みを見て、こいつホントに何歳だと思う。
ティナの種族の寿命は長いんだろうな。聞いたら、天の雷とか食らいそうなので止めておく。
ま、こっちが囮だとしてもマキなら大丈夫だろ。頼むぞ。
マキの視点
「ふんふん。ふんふんふん」
次の日。ガレフモキアさん武器屋兼鍛冶屋にて。私たちは前回のクエストでぼろぼろになった武器や防具を見てもらっているよ。
ガレフモキアさんは、鼻息荒く、興奮しているよ。
マナは、物珍し気にキョロキョロと周りを見回している。
「ふむ。これはいい素材じゃ。特にこの剣」
ガレフモキアが、興奮しているのはクロックブレードを見てから。
剣は使える人がいないんだけど、禍々しい武器な感じです。
「まあ、換金するか。それとも、剣の使い手に譲るかじゃな」
「ですよねー」
もし本気で、猫カフェするなら資金を獲得するのにいいかもしれない。
でも、猫カフェしなくても、猫たちの餌代かかるよね。
「よし、換金するといくらなの?」
「……ふむ。呪われてるからの。コレクションする貴族とかいるから……白銀金貨10枚じゃ」
「ええ!?凄いですの!」
「そうなの?10枚だよ?」
「全く!白銀金貨一枚で、金貨10000枚ですの!」
「わあ!お金持ちだね!だね!」
サーナちゃんが、瞳をきらきらさせている。みんな、お金大好き。
「よ、よし!売ったよ!」
「待て待て待て!もう少し考えようぜ?」
そんな大金どうしよう。取り敢えずみんなに分けないとね。だけど、ドロンに止められた!
「ま、その方がまだいいじゃろう。大金が不安なら、ギルドの銀行に預けて置けばいい」
「いい装備買い放題ですの」
マナも嬉しそうだけど、もう少し考えてみようかな。
一つしかないし。
渡された白銀金貨は、ピカピカのきれい。聞くとこーてされているので、白銀の輝きが失われてることはないみたい。
魅力的だけど、白銀金貨はまだ受け取らなかったよ。
つづく
「この後、ウキウキの装備タイムだー!」
「ドロン、うるさい!」




