仲間たち.2
いつもありがとうございます!
「……私」
今まで黙っていたマナが口を開く。
みんなが、注目するよ。
「この街に来たときは、ウェイトレスの仕事もしてたの」
「冒険者じゃなかったの?」
「それもしてたけど、人見知りだったからあまり、依頼を受けようにも魔法使いだけじゃ駄目でしたの」
まあ、後衛職だけじゃ厳しいよね。
街の依頼や薬草採取の依頼はあるけれど。多く取らないと報酬額も高くない。
「そんな時に声をかけてきたのはあの人だったんです」
「え?どの人?」
「ドロンさん、静かにして」
「はいはい」
その人は、この街に来て冒険者も、魔法屋も上手く行かないから、バイトをしてたら、声かけてきた男はよく犬の散歩をしている人で、バイト先でお水をこぼしてしまった時も、優しく微笑んで許してくれたとか。
「怒られてくよくよ悩んでいる時も、話しを聞いてくれたんですの」
「そっか。好きになっちゃうよね」
それは、下心丸出しの優しさじゃないのと思いつつも黙っている。
もしかしたら、その時はホントにただ優しかっただけかもしれないからだ。
「マナさん。甘いものを食べて元気食べましょう!」
サーナちゃんがぐっと力を込めてうんうんと頷いている。
サーナちゃんなりに元気づけようとしてるんだよね。
マナは、一瞬きょとんとしつつも頷く。
「はい、食べますの!糖分の栄養が全部胸に行っても食べますの」
「そんなわけないでしょ」
「そんなわけありそうでしょー?」
ドロンが、ニヤリと笑っている。
ま、いいけどね。
その後、マナはフルーツポンチを三杯おかわりしていた。
よく食べてお腹が膨れて、少しは落ち着いたみたい。
その後、大通りを歩いて、エルフの洋菓子店を訪れると。
「いらっしゃいませ~!あ、ドロンさん今回は大変でしたね」
「そうなんだよ、ガーネット。俺の造られたハートを癒してくれるかい?」
「はは。ごめんね?」
「…………」
「まあ、冗談だって!」
エメラルドが、いつの間にかドロンの背後に立ってナイフを首に突きつけているよ。
睨みつける~。しかし、私の肩に乗るあんずを見ると、表情がだらしなく崩れそうだよ。ちょっと見てたいかも。
「甘いものを食べて、たくさん元気出しますの!」
「そう。それなら少しお安くしとくよ」
にこりと微笑むガーネットは、マナが、注文したケーキやアイスを箱に詰めていくのを見て、エメラルドは苦虫を噛み潰した表情になってるよ。
「ちっ。バカスカ味わわないで食べるんじゃないだろうな?」
「そんな。なに食べても美味しいから、たくさん食べるですの~」
呆れたようにため息吐くと、アイスをいくつか取ると袋に詰めてくれる.,
「それは、頼んでませんの~」
「ふん。サービスしてやるフラれ女」
「な、なんでそれを知っていますの!?」
「あの男が女性を取っ替え引っ替えしてたからな。時間の問題と思っただけだ」
「うぅ~。そうですか~恥ずかしいですの~」
「別にマナさんが悪いわけじゃないんだしね。ね、あんず?」
「にゃん」
ガーネットの言葉にあんずは返事する。
あ、今一瞬、エメラルドがでれっとしたよね?でもまた表情を引き締める。
「あ、今度猫カフェを開くことになったから来てね」
「な、なんだと!?猫カフェだとー!?」
「う、うん。そうだけど、近い」
一瞬で間合いを詰めて来たのに反応が出来なかった。ただ者じゃない。壁ドンとかしないでしょうね。
「いいか。貴様は猫使いだ。全ての猫を救わねばならない」
「は、はあ?あなたの考えを押しつけないでくれる?」
ちょっとカチンと来た。猫は好きだけど。
「じゃあ貴様は、道端でさ迷う猫を救わぬと言うのか!」
「いやまあ。ほっとけないけど」
全てを救えたら、世話ないよ。
「………」
サーナちゃんが顔を赤くして見ているので、どしたの?
「二人とも、キスするのかと思ってびっくりだよ~」
「そ、そんなことしないから!」
「ふん。いくらサーナと言えど、寝言抜かしたら許さんぞ!」
そしたら、サーナちゃんのファンのおじさんたちがあなたを許さないと思うよ。その恩恵はきっと恐ろしいものになるだろう。
「兄さん、静かにしてよ!もう、あなたのせいで客が減っちゃったらどうするの?」
あ、女の子のお客さんらしき子が逃げていったよ。
無言でそっぽを向くとお菓子をいくつか持ってその子の後を追う。お詫びかな。そこは感心。
「そう言えば、話し聞いた?」
店を出るときに呼び止められた。カウンターから出てきて少し不安げな表情をしている。
「なにをですか?」
「マナのスリーサイズか?」
「にゃおん」
あんずが嗜めると静かになるドロン。二人の仲がなんで急接近してるのよ。
「な、な!私のスリーサイズってそんなことないですの~!?」
「もしかしたら、ギルドからの依頼が出されるみたいなんだよね。冒険者全員に」
「え?そうなの?」
「うん。地下調査に行った人が戻らないって」
「ゲインさん、大丈夫かなー?」
あのミスマッチな格好したゲインを心配してる。不思議な格好だった。
「地下か。この地下ってそんなに広いのか?」
「いえ、そうではなくて」
周りに人がいないのを確認してから耳打ちしてくる。あ、なんか嫌な予感です。
「地下にダンジョンが発生したんだって」
聞かなきゃ良かった。もう。のんびりしたいのに。イベント発生か~!
つづく
猫カフェと聞いてエメラルドは、しばらくそわそわがとまらなかったんだよ。




