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帰ってからの.6

まあ、猫たちがそれでいいならいいんだけど。いいよね?

スリスリする猫たちを眺めながら考えるよ。

「つまり、私に店番をしろと?」

「うむ。その制服は必須じゃぞ?」

「じーさん、よだれ」

「おっといかん。よだれ……よーだれだれしてるなよ」

「………」

あ、サーナちゃん困った顔をしてる。自分のスケベをダジャレで誤魔化すとは。

「そ、それとマキの部屋は二階じゃ」

「え?私の宿の部屋は?」

「ふふ。貴様はもうこの、猫ギルドのリーダーなのじゃ」

いや、あのそんなこと言われても。

勝手に決められるのは嫌だし。

「……丁重にお断り……」

出来ない。猫たちのそんな表情を見せられたら。あんずも悲しそうな表情しないで。


「……分かった。やればいいんでしょ?」

「えへへ。わ~い!マキちゃんとお店だよ~!稼ぎまくりだよ~!」

抱きつくサーナちゃんは可愛いけど、天使の微笑みでその本音を聞きたくないのは私だけでしょうか?

「まあ、いいけど。でも、どうやってここまでリノベ出来たの?」

「リノベ?良く分からんが、腕のいい大工の職種のスキルで急ピッチで頼んだのじゃ」

「大工のスキルって凄いのね。でも、冒険者としても活動したいし、毎日は無理でしょ?」

「そうじゃの。しかし、サーナちゃんの可愛い制服姿を拝むためじゃ」

「え?なにそれ?」

「お揃いの制服として洋服屋に頼んでおいたよ」

なに、ドヤ顔してるのこのじいさん。しかし、猫カフェなんてやろうなんてロッカーさんも経営が厳しいのだろうか?

いや、サーナちゃんの看板娘のスキルのおかげで成り立っていたのかも。

まあ、うだうだ考えていても仕方ないか。今日はもう休もう。

案内してもらって二階に行くといくつかの部屋がある。

「おじさん、いくつか部屋があるよ?」

「うむ。サーナもロッカーの奴が帰るまでこちらの部屋に泊まるといい」

「わぁ!なら、マキちゃんと一緒に寝てもいい?」

「もち、いいよ」

優しくサーナちゃんの頭をなでなでしてあげるとあんずもすり寄ってくる。はいはい。

あんずの背中もなでなでしてあげるよ。

「ごろにゃ~ん」

部屋はシンプルで、ベッドと机以外はなにもない。ま、なにも買ってないもんね。よく聴く音楽もあるわけないし。

「ん~」

ベッドに寝転がり大きく伸びをするのでサーナちゃんも隣にボフンと寝転がり顔を見合わせて笑顔になる。

あんずはこの建物が初めてなので部屋中の匂いをくんくんかぎ始めてる。

「……ま、猫カフェのことは今はいいから、ゆっくり休んでくれ」

じいさんは出ていきかけ戻ってくる。

「制服は、脱ぐなら手伝おうか?」

「なんか言いました?」

「なんでもない」

私が、睨んでも飄々として。何者なんだろう。

「さて、シャワーでも浴びに行こうか」

「私もいくー」

何だかんだいつの間にか、宿屋の客から従業員みたくなってるけど。ま、いいか。



トトちゃん視点


マナの奴。よっぽど彼氏に抱かれて嬉しいのか良い声上げてるな。ちくしょー!扉だから見に行けないのが残念だ!あのわがままボディーをどうにか出来るなんて!

しかし、いいのだろうか。あの男。マナがいない間。他の女性とデートしていたよな。あいつ。女には適当に甘く囁いてるけど、ゴミみたいに性格の悪い奴だ。毎回、俺様を蹴ってから帰っていくんだぜ?

俺様がなにも手が出せないのを分かっていて!

マナの声は、控えめな声が徐々に大きくなっていくが、この俺様は防音効果があるから外には漏れない。

くそ、あんな男じゃなくて優しい男なら納得するのによー!



ドロン視点


「君はここを辞めねばならない」

「なんですと?」

この大家はなにを偉そうに言ってるんだ。俺がいるからこの転職屋が成り立っているのにな。

「おい、どう言うことだ大家!」

「その態度だ。その態度が偉そうとクレームが来ているのだ」

静かに、厳しく言い放つ。

「なんだと?偉そうだから偉いって訳ないだろう?」

「……なにを言ってるんだお主は?」

俺もなにを言ってるかよく分かんないぜ。そうか、フレンドリーなつもりが偉そうだったのか。

まあ、周りがどう捉えるかはそっち任せだしな。

俺はなにも変わらない。命あるかぎりしたいように生きるのが俺だ。

それでも、へこむけれども。

「しかし、俺が止めたら転職屋はどうするんだ?」

「別の奴に任せることにした」

「なんだとー!?」

「それに、貴様のような造り物だと不安になる奴もいるからの」

「!!わーったよ!出ていってやるよ!」

俺は、とっとと荷物の入った皮袋を抱えて出ていく。

へっ!こんなとこ出てってやるぜ!

俺は、颯爽と転職屋を出ていったのだった。

あーあ。街は平和そうでいいな。街の通行人の幸せそうなこと。



つづく

猫と犬は見ていた。ドロンが肩を落として歩くのを。

しかし、なにもしてやれなかったんだよ。

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