帰ってからの.5
いつもありがとうございます!
のんびりした日常のはずが、展開がどんどんと変わっていく。
マキちゃん真面目だから、依頼を受けてしまう。
「ほう。ほう!ほう~!」
「…………」
ドロンは、土を身体に塗ってパテみたいので伸ばしているよ。
あの、ここでやらないでほしいんだけど。サーナちゃんも、マナも引いてるよ。クインさんはそれをフルシカトして話しを進めている。
「どうですか?新しい装備は気に入ってもらえました?」
「クインさん、良い装備をありがとうです!」
サーナちゃんに抱きつかれてクインさんは幸せそうだ。
「サーナちゃんはいい子だね。ピロリーノに抱きつかれた時は吐きそうでしたけどね」
「そ、そんなことがあったんですね」
あのスケベ。もしかしてスケベがスキルなのか。
「もちろん、蹴り飛ばしてあげましたけど。しつこかったから、村から出ちゃいましたよ」
そ、それが理由だったのね。
「ほぉう!ドロン、パワーアップ!」
力こぶを作ってアピールしたので、あんずが毛を逆立てて威嚇する。
「フニャアアアアアアア!」
「おっと、失礼!」
「なんなのあれ?」
「ドロンさんはどうやら、上質の土を身体に纏わりつけたらパワーアップするみたいです」
「そ、なんだ」
ステータスチェックしたら、パラメーターがそれぞれアップしてたよ。
性格が大人しくなったりしないのかな。
「でも、こんなひいきしてもらっていいですの?」
「ま、村を救ってもらった訳だからね。それに、もしかしたらまた魔人に遭遇するかもですし。ともかくホントにありがとう」
「キーノさんも元気そうでしたよ?クインさんは帰らないんですか?」
「そだね。もう少し落ち着いたら帰ろうかな?」
サーナちゃんの言葉に優しく微笑んで答える。
それから私たちは、ギルドで手続きして報酬を受け取り金貨を分けた。
といってもギルドは、銀行もやっているので使う分以外は預けておいた。
ドロンと、マナと別れて宿屋へ向かう。また、二人とパーティーを組むかは分からないけれど、その時は頼りにさせてもらおうかな。
相変わらず、王都への通り道なので旅人や商人が多い。
猫たちも、久々に会えて嬉しいのか屋根の上から鳴いている。
きっとおかえりと言っているんだね。
宿屋に入ると、近所のおじさんがいた。
「おじさん、ただいま!」
「お帰りわしのサーナ。会いたかったぞ」
サーナちゃんにハグされて嬉しいのはいいとして。今、わしのサーナとか言ってる?
しばらく会わない内に変態度が増してませんか?
「お前も無事じゃの?マキ……強くなったの」
真剣な目になって私の全身を見る。なに、この迫力?
「……いい制服じゃの」
「………はぁ。ブレないね、あなたは」
「ブレるのは、足腰ぐらいじゃな」
大丈夫かな。教会連れて行った方がいいかな?病院ないわけだし。
「ロッカーから聞いておると思うが、奴が帰ってくるまではわしがこの宿の店番をするぞ」
「……大丈夫?」
「おじさん、意外と料理出来るよー」
「意外は、余計じゃよ、サーナ。しかし、わし一人ではなんだから、マキ!」
「な、なに?」
「ウェイトレスをしてもらおう」
「あ、あの私、客なんですけど?」
「そうだよ、マキちゃんはお得意様なんだからね?」
サーナちゃんに注意されてがっくりしているよ。
「くっ!制服コスプレのお店にすれば客は増えると言うのに!」
じじー、あんたね。危ないこと言わないでよね。
「ま、よっぽどてんてこまいだったら考えるよ」
「マキちゃんと働けるなら嬉しいな」
ま、親がいない不安をやわらげられるならいいかな。
あんずが私を見てにゃんと鳴く。そして、裏口に目を向ける。
おっとそうだった。猫の新しい家の掃除をしないとね。
「あんず、ちょっと待ってて。一息ついたら部屋に行こ?」
私が、カウンターに備え付けのイスに座るとおじさんが飲み物をくれる。一口飲むとすっぱ甘い。レモネードみたいな感じ。
「レイモンを搾って砂糖をプラスした」
レモンが、レイモンね。ま、いいか。
「ありがと」
「そうそう。猫の部屋ならわしが掃除しておいたぞ」
「マジかー。ありがとう、おじさん」
「ふっ。制服のためじゃ」
「なにをキメ顔してるの?」
「相変わらずだね」
「お主の成長を楽しみにしているよ、サーナ。ハァ……ハァ……」
制服のためかよ。ま、理由はどうあれありがたいので見に行って見よう。
あんずと、サーナちゃんを連れて裏口から出て行くとぽかんとした。
古くさい倉庫が猫カフェのようなオシャレな外観。中に入ってみると猫がゆったりくつろげるようにソファと、ふかふかのカーペット。そして、街の猫たちが思い思いに寛いでいる。いや、変わりすぎでしょ?
「どうじゃ?凄いか?」
「凄すぎ。どうしたのこれ?」
「ロッカーと話したのじゃ」
おじさん、なんでおじいさん口調なのかとは聞かないことにする。人それぞれだから。
「マキには、サーナが世話になっとるからの」
「わーい!良かったね、マキちゃん!」
ぴょんぴょん跳んで喜んでいるけれど、はい、そうですかと頷けないけど。
「……で、実際は?」
「猫カフェをオープンしようと思ったそうじゃ」
ほら、やっぱり。
「そんなことだろうと思ったけど」
猫たちが、嫌でなければいいんだけど。
猫たちが、くんかくんかと辺りの匂いを嗅いでいるよ。
つづく
猫たちは、暖かい場所を提供してもらって嬉しそうだよ。




