時計仕掛けの迷宮.7
「我が名は、時計魔神のクロック。この世の誰よりも時計を愛するものよ」
「それは、僕の方が上だ!お前なんかより時計大好きだ!よくも、僕の時計に忍び込んでいたな!」
鉄格子を掴んで文句を言うキーノは、時計のこととなると恐れなくなるのかな?
「やかましいわ!それよりも我は魔神だぞ?魔族!恐れぃ!」
「あん?マゾだって。ド変態!」
「あなたが言うことじゃないよね、ドロン」
「それよりこいつどうすんだ?」
「捕らえてなんでこんなことしたか、吐いてもらおう」
「くくく。矮小な人間風情が我々魔族をどうにかしようと?笑わせる!」
奴は、時計の短針と長針を握ると、一気に間合いを詰めてくる。
ドロンが、泥の玉を握ると投げるが、長針で弾かれる。速い!
奴の振るう短針をギリでかわして前蹴り!防がれて長針!それを弾く。
そのままの打ち合い。拳戟の音が響く。ドロンと入れ替りで攻撃する。乱れ打ち!
「ふはは!やるではないか!まだまだ攻撃速度を上げるぞ!」
「にゃん!」
「いて!ねこぱんちをかますな!」
文句を言いつつ、更に速度を上げたので、こちらも速度を上げるけど、息が上がるとドロンと交代する。
「蔓の恩返し!」
サーナちゃんの鉢植えから延びた花の蔓が、こっちに迫った短針を弾く。さんきゅ。でも、今回は植物が少ないから大した援護は出来ない。
このままではまずい。互角に渡り合っているように見えるものの、向こうはタフなのか、あまりダメージはないように見える。
「フハハ!後悔しろ人間!ログアウトが出来たのにな!もう出来んぞ!」
そうなの?てか、なんでそれを知ってるの、この人。まさか、ストーカーじゃないよね?
「スローテンポ!」
クロックの魔法が辺りを支配するとこちらの動きが鈍くなる。まずい!
そして更にクロックの魔法。
「アップテンポ!」
クロックに魔法効果がかかり素早くなる。これは、亀がウサギにアタックするようなものだよ。
「黒の斬擊!」
両手に持つ刃が黒い炎に包まれて振るう止まらない斬擊。傷口が黒い炎で焼ける。
「きゃあああああ!」
「くっ!サーナちゃん!」
私は、サーナちゃんを抱えて庇う。みんなもガードでせいいっぱい。腹立つ!魔神の猛攻に防戦だよ。腹立つ。鑑定眼を発動するとレベル高いよね。
クロック
称号 時計好きの魔神
Lv.30
HP2258
SP2100
?????
サーナちゃんを下がらせて、事前に預けておいた高級傷薬を使ってもらう。
「みなさん、回復です!」
「ありがとう、サーナちゃん」
「みんな伏せるですの!ファイアーボム!」
火球の魔法と違い、相手の目のまではぜる。今!
「やるではない……なに!?」
相手の避ける方向を予測してあんずに任せる。あんずには、魔法がかけられてないからね。
「うにゃにゃ!」
あんずの特技ほむらあんずが発動して、焔を纏いて体当たり!
攻撃をヒットさせて、更にあんずのほむらねこぱんち・烈火!ねこぱんちとねこきっくをぺちぺちと叩き込むと少しづつ削って行く。
「黒の斬擊!」
「くうぅぅぅぅぅ!」
クロックの更に増えた斬擊をドロンが、アースシールドで防ぐが吹き飛ばされた!?
その間にもマナの火球の魔法とドロンの投げた泥玉がやたらとクリティカルを成功させてダメージを与える。
「な、なに!?」
「おお、これは!さっき取得したスキルのおかげだぜ!」
クロックは驚き、ドロンは喜ぶスキルの名前は、ラッキースケベ。
さっき、マナを押し倒したときに覚えたのね。ホントに変なゲーム。
ラッキースケベ―ラッキースケベな状況になれば興奮して、暫くの間クリティカルを出やすくする。
ああ。クロックがぷるぷる振るえているよ。集中が途切れたのか私たちにかけられた魔法が切れた。
「はい、みなさん!頑張って下さい!」
サーナちゃんの声援は、こちらを元気にしてくれるよ。
サーナは、声援をGET!
声援―みんなのやる気をアップ。応援する側の魅力が関係する。
「よし、畳み掛けるぜ!行け、サーナフィギュア!」
「はい?私?」
サーナは、目を丸くする。私もね。マナもぽかんとしている。
見事までの出来映えのサーナフィギュア1/2スケールがにこりと微笑んで、クロックに突進。それに焔あんずも続く。クリティカル!クリティカル!クリティカル!
見事な出来映えのサーナ人形が、重いパンチとキックでクロックを圧倒するよ。なにこれ?
「ば、ばかな!?この我がダッチ……ごとき……に!?」
今、何て言おうとしたかはスルーして私も準備する。
「どうだ、どうだ!!このサーナフィギュアは、サーナの人気が高まるごとに強くなる仕組みなのだ!」
なにそれ?どういう仕組み?思わずマナを見ると、火球を連発してすっきりした表情してるよ。
「ドロンさんのことはよく分からないですの!」
「…私、恥ずかしいよ」
サーナちゃんは、顔を真っ赤にして両手で顔を隠している。しょうがないよね。あんなの見せられたら。
「にゃん!」
ほむらあんずのほむらねこぱんち!からのキック!あ、これ、猫ゲージを大きく消費するから、燃費が悪い。
「身体強化!オーラナックル!ファイアーパワー!」
連続で身体強化して、火の魔法を拳に纏います。
「魔法拳!」
クロックに向けてダッシュ!この間も飛脚の靴の効果で銅貨が貯まっている。
「おのれ!おのれ!」
向こうも本気で、短針と長針を振るいサーナフィギュアを破壊する。そして、返す刃であんずを狙うも、ヒラリとかわす。
「魔法拳焔!」
「ちいっ!」
魔法拳を防ぎ斬りかかられ、それを防ぐ。
短針と長針を合体させて大振りの大剣になるのを振り下ろす!
反射的に避けるも、切られた場所からボロボロになる。
「んなっ!」
「これが我の力。このクロックブレードを食らうと、時が進み一気に老化するぞ!」
クロックの斬擊をかわしつつ準備する。そして、肩をかすめるとその部分が劣化する。受けられないのが辛い。
「蔓の恩返し!」
「しつこい、小娘………ん?貴様」
なに?まさか、魔神までサーナちゃんに見惚れてるの?だけど今だ!
「魔法拳焔!焔乱舞!」
炎を纏いて乱れ打ちを発動して打ちまくる。クロックの武器と火花を散らすものの切り裂きの小手がボロくなる。そして、SPもぐんぐん減って行く。
「たああああああ!」
クロックの武器を横から蹴り飛ばす!
「なにっ!?」
「倒れろぉぉぉぉぉぉぉ!」
そのまま打ちまくる!サーナフィギュアも崩れながらもそれに加わりクロックはついに倒れたよ。
スマホを親に買ってもらえなかった時に比べれば、頑張れる。
つづく
クロックは、時間が好きだから古時計を与えられて嬉しかったんだよ




