お兄様
あの後。
私とアマリアの二人は昼食に彼のオススメのカフェに訪れていたのだった。
店内ではなく外のカフェテリア、天気も良くって爽やかな風が吹いて気持ちが良い。
「食べてみて、美味しいから」
「うん。頂きます」
彼の言葉に応じて私はケーキにナイフで一口サイズに切り分け、フォークで口に運ぶ。
しっとりとしたパンケーキと上質なクリーム控えめな甘さとメイプルの甘みがマッチして口当たりが良い。
(~~~~美味しい!!!)
私は感動を噛み締めながらハーブティーを味わう。
このケーキは今まで食べたケーキの中で指折りに入るかもしれない!
「アマリア、連れて来てくれてありがとう!凄く美味しい!感動したよ!」
「ふふっ。ケーキ一つでここまで喜んてくれるのってあなたぐらいなものだよ。安い女に見られるよ」
感動を伝える私に彼は楽しそうに笑う。
その顔を見て私は少しだけ拗ねたように言った。
「仕方ないでしょう。だって美味しいんだもの」
「ごめん。悪い意味で言ったわけじゃないんだ。美味しそうに食べるのがハルカの魅力だと思うから」
アマリアは少しだけ苦笑しながら言った。
「私の姉達は宝石、ドレスは当たり前に好きでいつも美に気を使っていたからね。当然、男性を選ぶ時も同じ基準で。だからハルカみたいな人は新鮮なんだ」
アマリアは最初、ユーリ様の顔が気に入って、彼を手に入れたがっていた。
美にこだわりを持つ彼の姉達なら、それは当然かもしれない。
「私、あなたと一緒にいると退屈しないの。と言っても、私があなたのこと好きだからと言うのもあるけど」
彼の言葉に私は照れてしまい、視線を逸らしてしまう。
「……ありがとう」
そんな時。
「ハルカ…!」
私を呼ぶ声がし、声の方に視線を向けるとカフェテリアの近くに兄がいた。
「お兄様!?」
兄の姿を目にした私は驚き、ガタッと音を立てて席を立つ。
銀髪の髪に鋭い目つき、体格の良いガタイの兄
兄であるダンクーナはずんずんとした足取りでこちらに向かい、そして私に向かって言った。
「お前こんなところで何している!」
「何って、友人と買い物だけど…」
平然と言う私にお兄様は「お前なぁ~」と言いながら頭をガシガシと掻きながら呆れた表情をする。
「ハルカ。お前は殿下の婚約者だ。誤解されるような真似はやめろ」
「私はそんなつもりでは…」
言い返そうとする私の前にアマリアは立つと、兄に向かって丁寧に挨拶をする。
「初めまして。コーダニ様。私アマリアと申しまして、ハルカ様の友人になります。今回妹の誕生日プレゼントを選んで欲しいとお願いをして、買い物に付き合って頂いたのです」
「アマリア…まさか、あなたは人魚族の姫の…!!」




