①コーヒーを買いに行こう。
登場悪魔&天使紹介
コーヒーが切れた。
あれだけ買った予備がもう無い。
あれだけ買ったのに。
それもこれも課題のせいだ。
女。女を主題にした作品を作ってこい。
ありきたりな課題だ。普通の人間にとっては。
俺は女が嫌いだ。いや、正直に言おう。苦手だ。
どーにも、あの軽薄で、陰湿で、小さい世界で生きているあの生き物が好きになれない。
俺が好きなのはペンギンだ。
ペンギンを題材に作品を作りたい。それで美大に入れたは良いが、
思った以上にやりたく無いモノを作らされる。それは一つの経験として学ぶところがあり、まぁ学校はそういうところだが、
とうとう一番やりたくないモノをやらなくちゃいけなくなった。
もちろん、やるからには、調査し、資料を集め、研究し、準備をするんだが、
どーにも、上手くいかない。形にはなるが、形になるだけだ。
課題提出するだけならそれでいいんだが、俺の美意識がそれを許さない。
とは言うモノの、うんともすんとも言わん。
とりあえず、休憩がてらに、買い物に行くことにした。
オンボロアパートの階段を降り、歩いて近所の珈琲専門店まで行く。
冬。まさに冬。寒い。夕方まではまだ時間があるが、空はもう赤い。
珈琲専門店まで行ってバッグかと思うかもしれないが、過去にドリップもやってたがやはりめんどくさくて、
バッグ派に自然となっていた。 やはり便利な方に傾いていくものだ。
大量の珈琲バッグを抱えて家に帰る途中。
潰れた靴屋と、何が入ってるかわからない寂れた謎の建築物の間に、倒れている人を見た。
何かの見間違いか?と思ってもう一度見ると、そこには誰もいなかった。
本当に気のせいだった。いや、何かある。
何か光るモノがある。
腕輪だ。金に赤い宝石がちりばめられた、高そうな宝飾品。
そんなもんが、こんな建物と建物の間に落ちてるわけがない。おもちゃか?と思いながら、輪に手を通してみる。
腕輪にしてはあまりにもデカい。首につけるには輪を外して首につける機構が無い。
何だこりゃ?ポケットにも入らないから、腕に通したまま、荷物をもって帰ることにした。
まぁ、明日警察にもってきゃいいだろ。そう思い、そのまま家に帰った。
荷物を台所に置いて、拾った腕輪も置こうとしたが、無い。
腕に通したまま、落としたか?とあたりを見回すが無い。
そこで気づく。
その腕輪が、自分の右手の手首ぴったりに縮んでくっついているのだ。
「はぁ?」
どうなってんだ。そういう収縮する機構があるのか?腕輪を調べるが、継ぎ目一つない。完璧な一つの輪っか。
外そうにも、手よりちいさく手首にぴったりなので、抜けない。
腕輪を大きくしようとするが、どうにもならない。
二十分ほど格闘するが、やっぱりどうにもならない。
もう、しょうがないので、そのまま今日は寝ることにした。
俺は疲れてるのかもしれん。幻覚見るわ腕輪は抜けないわ。もうこういう時は寝るに限る。
朝、目覚めると、何か、布団が狭い。
なんだ?壁にぶつかったか?
布団から起き、電気をつける。振り向くと、そこには。裸の女が俺の布団で寝ていたのだ。
俺は疲れている。女のことを考えすぎて変な夢を見ている。
俺はその女を蹴飛ばし、布団から出し、俺はそのままもう一度寝ることにした。




