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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
あ・ほーる・にゅー・わ~るど♪
22/170

002-03

 PA(・・)、音声や映像を始め複数の入力情報から認識を行う、マルチモーダル・アン

ド・マルチファスィテッド・シンキング型AGI(汎用人工知能)によるサーヴィ

ス、パーソナル(・・・・・)アテンダント(・・・・・・)の略称。


 そのユーザーは、眼鏡型のウェアラブルデヴァイスを装着している者が一般的だ

が、蜷源るりは今現在、使用していない。

 視力の矯正は不必要でも、眼鏡のレンズをスクリーンにして情報表示ができ、フ

レームにも、周囲全方向を撮影するカメラレンズ複数と、骨伝導マイクおよびスピ

ーカーが内蔵されている。

 眼鏡をとおしてPAに、ユーザーの現況を伝えて把握はあくさせることで、その場に立

ち会ってくれているようなやり取りを実現するには、欠かせないアイテムとなって

いるのだった。


 魁は蜷源るりの両耳へ目をやるも、肩までは届かない髪がすっかり隠していて、

ワイヤレスイヤフォンなどを装着していないかどうかも、実際のところ判断できな

い。


「そんなイケてる顔で、まじまじ私のこと見ないでくれないっ? 今は、私のコン

ちゃんとつながっていない、完全に素の私なんだからぁ――」


 蜷源るりは髪を掻き上げて、両耳にも何も着けていないことを明らかにした。


「はぁ‥‥」


「てか蜷威クン、この御時世(ごじせい)にスマホ自体もってない激レア原人なんでしょう?

一応は礼儀だと思ってなんだけど、それも私のコンちゃんからの指示なのよ。私が

見るからにバリバリ頼ってたら、こんな風に会話してくれないかもじゃない?」


「原人!? ‥‥あは、まぁそうかもですけど」


 魁は思わず心からの苦笑をして、ようやくまともに蜷源るりと目を合わせる。


 都内も大崎から、父方の実家があるこの土地へ逃遁(とうとん)を果たした魁には、県の北東

から山間部を封地(ほうち)にしていた蜷源家の開祖、俗伝の武将である蜷源武昌がどんな人

物かなど、知らなければ興味もない。

 教科書に()りもしないその史談(しだん)を、調べてみようとすら(ごう)も思わずにいたけれど

も、蜷源るりの、凛然(りんぜん)たる直線的眉や、咀嚼(そしゃく)力の強そうな(あご)のラインは、大名家で

もある血筋を大いに(うなず)かせる勇健(ゆうけん)を見て取らせる。

 魁の、もはや完全自動化された警戒レヴェルの調整を、微妙に込み入らせてもい

た。


「とにかく、こまかい話の前におみやげおみやげ~。コーヒーだけでも飲んじゃお

うよ。これも私のコンちゃんのお(すす)めだから、どれだけ蜷威クンのためにマジ(さく)

したかが、キミの満足感で判断できるんじゃないかしら」


 蜷源るりは、隣の机にトートバックを置いてそのイスに座り込むと、魁に(ことわ)られ

ることなど心馳(こころば)せに全くない勝手がましさで、マジョルカブルーのマグボトルと、

テイクアウトの紙袋に入ったツンブロードを使ったラップサンドを、魁の前にルン

ル~ンと並べていく。

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