殺人鬼と俺の変化
朝が来て、門番の仕事が、何事もなく終わった。
良いことなんだ。と強く思い直して、家に向かった。
門番を引き継いだのは、ガイゼル達がレベル5にした冒険者だった。俺にビビっていた。
とって食ったりしないのに…。
家に向かっている途中で、俺って、RPGみたいだなと思った。
寝るのは、MPとSTを回復する為に、って事が多いし、 MPとSTがあるなら、長時間でも戦う事が出来るし…。
だが、それでも、主人公ではない…。そんな無意味な事を考えながら、家に帰った。
家に帰ると大変だった。
マリンやカンナが、俺のために料理を作ってくれてたが、失敗して、キッチンがボヤ騒ぎになっていた。
カンナは、女将さんと食事の準備の手伝いをしていたので、原因は、言わなくてもわかった。
急いで、消して、大事にはならなかったが、後の処理を三人でやったが、一人は、落ち込んでいて、もう一人は物凄く落ち込んでいたので、ほとんど俺がやった。
ヒモから、主夫にランクアップした。…違うか。
閑話休題。
気持ちは、めちゃくちゃ嬉しかったが、このままだと、大事になるので、女将さんの不在の時は、俺が作るか、外で食べる事を約束した。
それで、女将さんに、料理を教えてもらってから、食べさせてくれたら、嬉しいと言った。
それで、マリンとカンナは、元気になって、抱きついてきたので、俺のなにかも元気になった。
だけど、その場は我慢して、1時間眠った。
目が覚めて、朝食と昼食を買って、迷宮の十七階層に行って、何事もなく、帰ってきた。
十八階層に行きたいが、夕方から仕事がある事と、【下剋神】の制御がうまくいくまでは、危険なので制御が出来るようになったら、行こうと思う。
【神速】は、少し変な方法で一回だけなら、瞬間移動みたいに出来るようになり、あまり失敗しなくなった。
変な方法とは、その場で足踏みをしてからスキルを使えば、出来るようになった。
足踏みしないと出来ないので、連続では出来ない。
暴走?していた時は、連続して使っていたらしい。
迷宮を出ると昼過ぎだった。家に帰り、お風呂で短時間、愛しあって、俺だけ眠り、目が覚めて、門番の仕事に向かった。
師匠達がいないので、師匠達の仕事、三人分を一人でこなさないといけない。マリンは、俺が寝てる時に、頑張ってくれたので、休ませたかった。俺は、門番(全)→門番(後半)→門番(前半)→休みをこなさないといけない。
ガイゼル達は信用できないので、万一の為に、マリンにバッチだけは渡してもらった。
女将さんとガイゼルが話し合って、俺に門番をこれだけさせる事と報酬上乗せ、俺に迷惑をかけた代わりに、迷宮前をそっちだけで回せって事で、こうなった。
今は、ガイゼルと、ダントンも迷宮前で仕事をしている。
迷宮に行く時に、なにか言われると思ったが、代金を払えと言われるくらいで、他にはなにも言われなかった。
俺の仕事量は、多いが、正直突っ立てるだけなので、何でもない。【不撓不屈】や【生死不定】があるので、精神的にも、あまり問題ない。質問するのが、煩わしいだけだ。
門番して、空いた時間に、迷宮に行く日々を過ごしていた。
その間に少し、楽に門番をする方法を見つけていた。
それは、【アナライ】に向かってくる人がいたら、あらかじめ、鑑定しておいて、問題なかったら、なにも喋らず、オーブ触らせて、入街料が必要な場合は、請求して通していた。
オーブは入街記録をするのに、必要なので、必ず触らせないといけない。
もうすぐ師匠達が帰ってくるかな、と思いながら、門番をしていると、商人が複数人の奴隷?を檻に乗せて連れて来た。
ルソーのところかな…。
いつものように、鑑定すると、はっ…。と驚いて、バッチのボタンを押した。
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名前:アーク 種族:ハーフ·ドワーフ<ドワーフ>
LV :6<1>
JOB:殺人鬼 強姦鬼 …ext <商人>
JOB LV:━ <3> 状態:良好
属性:火·闇·無 <無>
MP :215/215-230<15/15-25>
STR:352-389<10-15>
DFE:321-365<10-15>
INT:253-299<20-30>
AGL:420-481<15-20>
ST :395/402-432<15/20-30>
固有スキル:【超幻惑】【真偽装】【真鑑定】
Aスキル:いっぱい
Pスキル:いっぱい
加護:【バティスの加護】
「こんにちは。通ってもいいですね?」
「待ってください。オーブに触ってください。じゃないと通せません。」
時間を稼ぎたいが、それが出来るほど、コミュ力高くない。
「触ったじゃないですか。あなたも見たでしょう。」
こいつ、なに言ってんだ。
だが、冷静に、
「すみません。見てなかったので、もう一度触ってください。」
「分かりました。…これでいいですね。」
なにも、しないまま通ろうとしたので、
「触ってないですよね。早く触ってください。」
そう言うと、舌打ちしてから、ナイフを出して、俺の首目掛けて突き刺してきた。
少し危なかったが避けた。
首は、DEFの効果が一番出にくいからな、【神偽装】で、能力いじっていて、良かった。
なめられないように、レベル5のタンクのステータスみたいにしていたのだ。
だから、アークは、首を狙ってきたのだろう。
アークは、俺よりかなりチビで、手足も短いので、ジャンプして突き刺してきた。
その分、俺に避ける時間が生まれて、避けられた。体だったら刺されていたかも、しれなかった。それだけ、速かった。
殺し慣れているのだろう。【○○鬼】は、100回以上犯さないとつかない。
何度も、俺の首ばかり、狙ってくるので、余裕で避けている間に、マリンがカンナを背負ってやって来た。
増援が来た事を知って、動揺した瞬間に【神速】を使って、首を【斬兎刀】で刺し、その後、切り離した。
マリンとカンナに、殺人をさせたくなかったし、【超幻惑】使われたら、堪らないので、早めに殺した。
焦って、バッチのボタンを押したはいいが、戦っているうちに、増援が来て、【超幻惑】使われたらマズイと思っていた。
まぁ、結果オーライだな。
アークの最後の言葉は、
「ぶほっ、ボルドー達がいないって聞いたから、来たのに…」
首を斬りながら、 さすが師匠だ。と感心した。
そういえば、【下剋神】の効果に、あまり振り回されなかったな。そろそろ、十八階層に行っても、良さそうだ。
人を殺したのに、そんな事を考えていた。
「ジン様、大丈夫ですか?」
マリンに心配された。
「大丈夫。余裕だったよ。マリン達が来てくれたおかげだ。」
マリンの顔が、少し曇った。
なんでだろう?と思っていると、
「マリンさんは、精神的に大丈夫かって、聞いたんだよ。」
そうか…。人殺したのに、なんで普通にしてられるんだ?スキルのせいか?バイゼルを殺したからか?ヤバイな俺…。
人殺したのに、モンスターを殺したくらいの感覚だった。
「マリンもカンナもありがとう。でも本当に大丈夫。大丈夫って思う方が、おかしいのかもしれないけど…。」
「大丈夫なら、良いんです。」
このまま、人を殺す事が快感になったらどうしよう。マリンやカンナを傷つけたら…。と考えて、
「マリン、カンナ、もし…もし俺がおかしくなったら、俺をころ…」
続きを言おうとすると、怒ったマリンが、人差し指を俺の口に当てて、
「そんな事、ご主人様は、なさいませんし、させません。もっと、自分を信じてください。私を信じてください。前回も今回も、殺さなければ、解決しなかった問題なんです。」
マリンに初めて怒られて、驚いていると、
「そうだよ。僕にそんな面倒臭い事、させないでよ。そんな事より、もっと僕に楽させる事を考えて。」
いつものカンナだった。
「カンナ!また、あなたは━━。」
マリンの説教が始まった。
二人の優しさが、嬉しかったし痛かった。そして、バイゼルを殺した後、初めて涙が出てきた。
涙を拭いた後、
「マリン、カンナは、俺に気を使って、言ってくれただけなんだ。そのくらいにしてやってくれないか?」
「分かりました。そういう思いもあったみたいですし、これくらいにしておきます。」
「ありがとう。マリン、カンナもありがとう。こんな俺だけど、これからもよろしく。」
マリンとカンナが返事をしてくれた。
一段落ついたところで、周りをみると、こんな話を、今するべきではなかった。
後始末をしないといけなかった。
アークが連れてきた、奴隷達をどうにかしないといけない。
ため息をつきながら、後始末を始めることにした。
次にヒロインが登場します。
多分、皆さんの予想してた人だと思います。
お読み頂きありがとうございます。




