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バカな俺と自己満足

 話し合いの後、マリンの父親から、居場所が商店しかなくて、辛かったと言っていた。


 マリンの母親には、引き抜きの事を話していなかった。マリンが奴隷になった時も、なんの相談も受けなかった事と合わせて、かなり文句を言われて、家から追い出されたれ、今は商店に泊まっているらしく、参っていたらしい。


 それで、頭もこうなった。と笑っていた。

 俺は、全然笑えなかったが、ここは笑うところだと思い、一所懸命、笑顔を作っていた。

 だが、マリンが冷めた顔で、自業自得よ。の言葉に、その場の空気が凍った。


 とりあえず、マリンの言った事は、お互い聞かなかった事にして、このままでは、マリンの父親が、いろいろとピンチだったので、助ける事にした。


 モヤモヤした気持ちは、まだあるが、俺にも原因があったし、リフォームの借りもある。

 さすがに可哀想だと思い、帰りにマリンの母親に会いに行って、俺はまだ無理だけど、あなた(マリンの母)は、マリンの父親を許してあげてください。と言う事にした。


 この事を伝えると、俺の手を両手で握り、さっきと違う涙を流しながら、ありがとう。お願いします。と言っていた。

 

 結構、追い詰められていたのだろう。やっぱり、話してよかった。と思った。


 その時、そんな事しなくていい。とマリンが言っていたが、こそこそ話で、これ以上、いろんな所がピンチになっても良いの?と聞くと、自分の父親の頭を見て黙った。


 その後、商店を出て、マリンの母親に会い、正直に今の気持ちを伝えた。マリンの母親は、感謝と謝罪を何度も言っていた。


 マリンは、父親の事を文句言いながら、母親と話していたが、マリンの父親に会い行く前の、虫を見る目では、なかったので、少しは、踏ん切りがついたのだろう。


 あの顔をさせないように、俺も努力しよう。と心に誓った。


 家に帰ると、親子3人で昼食を食べていた。

 なぜか、激マズ料理ではなかった。

 疑問に思い聞いてみると、激マズ料理の効果は、都市伝説だった。


 師匠に文句を言いたかったが、見るからに、俺が寝ている間に女将さんから、絞られていそうだったので、やめた。

 絞られてなくても、言えたかは疑問だが…。


 昼食を食べた後、マリンの父親に言った、荒唐無稽な内容で相談した。すると、

「分かった。力になれる事があれば言え。」

 師匠が言ってくれた。女将さんも頷いてくれた。


 俺は、こんなにあっさり信じるとは思わなく、

「こんな話、信じてくれるんですか?」


「お前が、普通じゃない事は、とっくに気づいていた。隠してるつもりだったのかもしれないが、バレバレだ。━━。」


 俺が、普通じゃない事を、女将さんも一緒に言われた。ディスられながら…。

 聞いてみると、俺って、バカだな。アホだな。と落ち込んだ。そんな俺を、マリンは、慰めてくれた。

 確かに、言われてみれば、おかしい事ばかりだった 


 例を1つ言うと、俺に鑑定が効かない事だ。師匠は【真鑑定】を持っている。

 師匠が、全然レベルが高いのに、俺に【真鑑定】が効かないのは、普通ならあり得ない。【超偽装】を持っていると思われていた。


 【超偽装】は、治安が悪い、西の方でも持っている人は、稀らしい。この辺だと、皆無と言っていい。それなのに、明らかに初心者の俺が持っているのは、普通の事ではない。と言われた。


 その時、女将さんを見た。

 すると、意味深な笑顔を作った。

 多分、女将さんは、【超偽装】持っている気がする。


 言われてみれば確かに、怪しさ満点だ。女将さん達も監視するわけだ。女将さんが、最初優しかったのは、仮初めだったのか…。

 それで、俺と接しているうちに、警戒するのが、バカらしくなったと言っていた。


 他にもあったが、悲しくなるので、割愛する。


 自分のバカさ加減に、悲しくなったが、そんな俺に対して、今日まで世話してくれた。と思うと、恥ずかしくて言えないが、心のなかで感謝した。


 それと、神様関連の事は、バレてなかった。

 もしかしたら、勘づいていたが、言わなかっただけか…。


 俺は、話している時に、怖い事があった。

 こんな俺に、カンナはついてきてくれるだろうか。って事だ

 カンナはさっきから、一言も喋ってない。


 恐る恐る、聞いた。

「カンナ、危険な目に会うかもしれないけど、ついてきてくれないか?」


「ついていっても良いけど、条件があるよ。」

 なんか、怖いな…。でも、聞かないと分からないので、どんな条件か聞いた。


「1つ目、」

 えっ…。複数あるの?と思ったが、黙って聞いた。

「奴隷を増やす事。」


「それは、前から言ってたから、増やすよ。」


「そうだね。それで、2つ目、僕を出来るだけ守る事。」


「必ず守る。って言いたいけど…でも、命を賭けて、マリンとカンナ、二人を守る。それでいいかな?」


「出来れば、命を賭けないで、安全に守ってほしいけど、それでいいや。」

 嬉しいのを隠して、普通を装って話していた。


「最後に、僕を奴隷に戻す事。」

 はっ…。

「…何でだ?」


「万が一の保険だよ。もし、敵が来た時に、仲間より奴隷の方が、見逃してくれる確率が上がるから。」

 なんとなく、本音ではない気がするな。と思っていると、


「か、カンナ、それは、名案です。私も師匠達に頼まれた仕事が終わったら、奴隷にしてもらいましょう。」

 わざとやってるんじゃないかと、思うくらいの棒読みで、マリンが喋った。


 そんな、俺とマリンを見て、カンナは、明らかに動揺していた。 


 そんな俺達を見て、女将さんが、

「ジン、そうしてくれないか?この二人は、1ヶ月半、私にも相談したりしたが、自分で考えてだした結論だ。」

 女将さんは、戻すことには賛成なのか…。


「師匠は、良いんですか?」


「俺は、さっきまでは反対してたんだが、お前のカンナに対する思いは、本物だと感じたからな。今は、賛成だ。あと、カンナが言った事も一理ある。それに、奴隷に戻ったところで、お前は、カンナとマリンの対応は変わらないだろう。」


 確かに、変わらないけど…頑張ってレベル5にした意味が…。

 少し時間を稼ぎたい。そうだ。

「マリン、両親には言ってあるのか?」

 今日、喋ったばかりだからな、話してないはずだ。


「はい。大丈夫です。母様には言ってあります。父様は、どうでもいいでしょ。反対したら、縁切りますから。」

 ターナさん。またピンチですよ。あっ…師匠がいなくなった。多分、ターナさんに教えにいったんだろう。


 ここで、ごねるのは、俺のワガママかもしれないな…。


「分かった。奴隷に戻すよ。ただ俺からも条件がある。」


「なんですか?」 「なに?」

 マリンと、珍しくカンナも、真剣に聞いてきた。


「1つ目、自分は奴隷だからと、自分を卑下しない事。特にマリンだな。2つ目は、奴隷だからと、考えを俺任せにしない事。これは、特にカンナだ。最後に、奴隷の印を隠す事だ。不躾に二人を見られくないからな。これが飲めるなら、奴隷に戻すよ。」


 二人は、感謝しながら、俺に抱きついてきた。


 俺の感覚では、マリンは、2日くらい、カンナは一週間くらいしか、奴隷じゃない時間を過ごせなかった。少し残念だった。


 だが、良く考えると、カンナの言った事は、師匠が言ったように、一理ある。冒険者だが、出来るだけ、危険から遠ざけたい。笑顔で過ごしてほしい。矛盾しているかもしれないが、これが俺の本音だ。


 そう考えると、奴隷に戻すのは、嫌っていうのは、タダの自己満足だった。


 この後、マリンの両親にも報告した。どちらも、賛成してくれた。

 マリンの父親は、師匠に聞いていたのか、食いぎみに賛成していた。


 こそこそ話で、マリンの父親に確認すると、やはり、師匠は教えに来てくれたらしい。


 本当に奴隷に戻して、大丈夫ですか?本音は?と聞くと、師匠に言われてみて、よく考えると、戻した方が良いと判断した。と言っていた。


 師匠は、マリンの父親に警告、説得した後、自分の家に帰っていったらしい。

 明日の攻略の準備をしているのかも、しれないな。


 報告した後、女将さんな明日の仕事の話を聞いた後、夜まで鍛練した。


 なんか、バタバタした1日だったが、夜はいつものように過ごして、眠りについた。


 その際に、今は、奴隷じゃないんだから、俺の事は名前で呼んでくれ。と頼み、マリンはジン様、カンナは呼び捨てで呼ぶ事になった…が、マリンの圧力で、カンナもジン様と呼ぶ事になった。


 マリンも呼んでいいのに、と言ったら、ジン様でも恥ずかしいのに、…。と最後なんて言ったか分からなかったが、なんか照れて無理らしい。なんか、俺も恥ずかしくなった。


 名前呼びも、奴隷に戻るまでの約束なので、出来るだけ慣れさせて、ご主人様を卒業したい。と密かに思って、眠った。

 お読み頂きありがとうございます。


 私の小説に、星5つけてくれた人がいて、とても嬉しかったので、もう1話頑張って作ります。

 日を跨ぐかもしれませせんが、載せて寝ます。

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