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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第六章 天上界編

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718.アーネストside76

「む、出かけるのか?」

「……ああ。少し所用でな。何、すぐに戻る」

「分かった、詮索はするまい。すぐに出るという事はないが、一応早めには戻るようにな」

「心得た」


 ホールの入口で、偶然出会った体でアクエリアスと会話する。

 ここなら他の兵士達の目にもつくし、俺が勝手に出かけるという事が伝わりやすいからだ。

 勿論仕込みである。


 メシアから転移石を渡されているから、世界間の移動はすぐにできる。

 問題はラースに着いてからだが……まぁなんとかなるよな、多分。


 そうしていくつかの世界を経由してから、ラースへと転移する。


「……」


 久しぶりだな、この空気。

 故郷というか、田舎に帰った時の慣れ親しんだ空気とでも言うんだろうか。

 同じ空気なはずなのに、なんかこう、違うんだよな。


「っと、のんびりしてはいられないな。急がないと」


 海の上を飛んでいる俺はそのまま、まっすぐに地上へと飛ぶ。

 このスピードならそう時間を掛けずに着くはずだ。


「見つけたぞっ! 白騎士ィッ!」

「何ッ!?」


 ギィン! と刃の鍔迫り合いの音が響く。

 いきなり攻撃を仕掛けてきたのは、俺とは対照的な色である黒をまとった、蓮華だった。


「この世界全体に探知を広げていて正解だった。必ず来ると思ってたぞ!」

「……」


 うげぇ、マジかよ。まさか蓮華がここで出てくるとは思わなかったぜ!?

 周りを見渡しても他に誰も居ない。

 蓮華が単独で来たのか。


「安心しろ、他には誰も居ない。そしてこれで……!」

「!!」


 蓮華が手を広げると、辺りを黄色い光が包みこみ、結界が形成された。

 こりゃ逃げられねぇか……!


「周りに話が聞かれる事も、覗かれる事もない。なぁアーネスト?」

「!? な、何の事だ……?」

「言ったろ、この結界の中ならヴィシュヌに視られる事も無いって。ユグドラシルの力を舐めるなよ?」

「!!」


 まさか、蓮華にバレてる、だと!?


「まぁ私は本気で信じて落ち込んでたんだけど……兄さんが見かねて教えてくれたんだ」

「……」


 兄貴ぃぃぃっ!!

 いや蓮華大好きな兄貴には黙ってる事は酷かもしれねぇけどさ!?


「はぁ、ったく……しょうがねぇな兄貴は……」


 俺はそうして、仮面を外して蓮華を見る。

 やっぱ何にもつけてない方が見やすいわ。


「!! アーネストォォォォッ!!」

「ごはぁっ!? いってぇぇっ!! なにしやがんだ蓮華!?」

「それはこっちのセリフだぁぁぁっ!! 毎回毎回何度私を騙したら気が済むんだお前はぁぁぁっ!!」

「あいだっ! いでぇっ! それはホントすまんって蓮華っ! でもお前演技とか大根レベルじゃん!? 知ったら演技できねぇじゃん!?」

「うぐっ……!」


 ポカポカと、いやそんな生易しいレベルではない一撃を繰り出してきていた蓮華はその手を止める。

 自覚はあるんだろう。


「そ、それでも、教えてくれたって良いじゃないか。わ、私はそんな頼りないか……?」

「!?」


 しょぼんと上目遣いで見てくる蓮華にドキッとさせられる。

 おい目を覚ませ俺、相手は蓮華だぞ!


「そ、そうじゃねぇよ。でもよ、敵を騙すにはまず味方からって言うだろ? ほら、三国志の黄蓋だって周瑜だけ知ってて、他の味方を騙してたじゃん?」

「お前な、それ私だから分かるけど、他の人への説明ではするなよ?」

「すんません」


 お前なら分かるから良いじゃないか……って言ったらまたなんか言われるので、黙っておく。


「はぁ、それでまたラースには何しに戻って来たんだよアーネスト」

「あー。そうだな、こうなったら蓮華に手伝って貰う方が早いか」

「うん?」


 そうしてメシアから頼まれた事をかいつまんで蓮華に説明した。


「成程。それでオーブが必要なのか。ならそのまま持って行って良いぞ?」

「へ?」

「私も一緒に周るから、替わりじゃなくて同じの創れば良いよな? 今の私ならそれくらい朝飯前だぞ?」

「あー……このなんでもありめが」

「いやいや、元々創ったの母さんなんだから、その弟子である私が出来ないわけないじゃん?」

「そういう意味でなら俺が出来ないのおかしいじゃねぇか」

「まったく、あーいえばこういうな」

「俺のセリフな!?」

「「……」」

「「ははははっ……!」」


 随分と久しぶりに、こうして笑った気がする。

 やっぱりこいつとは、こういう関係が楽だ。


「というかだな、白騎士の俺とお前が一緒に行動してたら不味いんだっての」

「要は私とバレなければ良いだろ?」

「そりゃそうだが……」

「というわけで、取り出したるは……じゃーん!」

「それタマモの変化した仮面じゃねぇか。久しぶりだなタマモ」

「きゅー♪」

「おっと」


 変化を解いたタマモは元々の姿である小さな狐の姿で、俺の肩へと飛び乗る。

 相変わらず可愛い奴め。


「うりうり」

「きゅきゅー♪」

「むぅ、タマモはエサをやってる私よりなんでアーネストに懐くんだ」

「そりゃ蓮華が怖……」

「……」

「ナンデモありません」


 そういうとこだぞ。


「んで、なんでタマモが……」

「タマモ、カモーン!」

「きゅぅー!」

「なっ!?」


 タマモが蓮華へ向かって飛んだと思ったら、ぐにゃぐにゃとしたピンク色のスライムのようになり、蓮華の全身を覆ってしまった。

 そして現れたのは……


「誰だお前」

「失礼だな、蓮華だよ」

「いや、お前……色々と盛りすぎじゃね?」


 その、胸がいつもより特盛だし、というか背も高くなってるし。

 それにどことなく、俺が好きな見た目なんだがどういう事だ?

 顔まで違うし、どういう原理なんだよ。


「理想の私にしてみた」


 そういう事か。そりゃ俺が好きな見た目なはずだ。


「はぁ……タマモの変化ってわけか。そんで、その見た目のお前はなんて呼べば良いんだよ」

「そんなの決まってるだろ?」

「リヴァルはもう未来のお前に使われたぞ」

「あ"」

「あ、じゃねぇんだよ……」


 本当にこいつはどっか抜けてんだよな……。


「ならもう一つの名前だな! 異世界に来たら名乗りたかった名前part2!」

「大体男で考えてただろ……」

「甘いなアーネスト。転生は分からないじゃないか」

「俺達は転移だったけどな」

「揚げ足はいらないんだよ。とりあえず、この姿の私はジュリアンって名乗るから」

「ジュリアじゃねぇの?」

「男か女か分からない方がミステリアスな感じしない?」

「その胸で?」

「「……」」


 俺と蓮華の視線が、その特盛の胸へと向く。

 大きい。蓮華の今の服装はタマモが変化している為着崩れはしていないのだが……。


「タマモ? なんでこんなに大きいの?」

「きゅー?」


 お前の指定じゃないんかいっ!!


「……はぁ、ジュリアにしておこっか」


 諦めるなよ。


「分かった、その姿の時はジュリアな。長剣使うか?」

「お、そこは合わせないとだよな。ソウルイータ―使うわけにもいかないし。というか仮の姿って母さんの娘な以上必要だし、良い機会だよなこれ!」

「嬉しそうだなお前。俺はこの姿仮面つけてるだけだってのに」

「それは自業自得じゃないか」

「ぐっ……」


 何も言い返せねぇ……!


「それじゃ結界解くぞ?」

「待て待て! 今解いて、お前がその姿で出たらバレるだろうがっ!」

「あ、そっか。とりあえず蓮華として撤退すべきなのか」

「そういう事だよ! まぁ見られてるとは限らねぇけど……ちゃんと辻褄は合わせておいた方が良いだろ? 白騎士としての知り合いとしてジュリアと会うのは大丈夫だろうからよ」

「そっか、了解! タマモ、一旦仮面に戻って」

「きゅー!」


 そうして蓮華が元の姿へと戻る。

 ジュリアの姿も良いけど、俺はやっぱり今の蓮華の姿がしっくりくるな。


「な、なんだよ、じっと見て」

「いや、やっぱお前はその姿が似合ってんなと思ってさ」

「!! お前、今の自分の容姿理解して言えよ?」

「?」


 母さんゆずりの顔になった事だろうか?

 つっても、自分の顔なんてほとんど見ねぇからなぁ……。


「はぁ、分かってないなこれ。まぁいいや、それじゃ解くけど……適当に理由つけて撤退するからな?」

「おう、それは任せる。とりあえず結界の中で戦って疲弊した感じで行こうぜ」

「おーけー」


 自分だけじゃなく、蓮華も合わせての神への騙しは……なんというか、気が楽になった気がするな。

 大根役者の蓮華がヘマしないかだけが心配なんだけどよ……。

お読み頂きありがとうございますー。

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― 新着の感想 ―
ボンキュッボンな大人蓮華……ボンキュッボンな大人蓮華……リヴァルさん以上なのか…… アーネストの胸元ぽかぽか殴ってる蓮華ちゃんすごく可愛かったです、まる
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