とある読者からのまとめ 番外編
とある読者様からのまとめでございます。
『自分で読む場合から考えてみたシリーズ』番外編
〜読まれないのは、何故?〜
『書いた小説が、何故読まれないのか?』
それは、二つの理由の何れかになります。
それは『その小説を知らないから』と『その小説を読みたいと感じないから』の二つです。
その二つの理由をもとに分析してみると、『なろう』にはいくつかの『関門』が有る事に気付きます。
それらの『関門』を全て抜けたとき、初めて書いた小説が読まれる事になります。
では、『関門』を列記してみましょう。
【第一関門】小説の存在を知って貰う。
これは一つ目の理由と等価で、最大かつ最難の関門です。
いかに素晴らしい小説を書いても、その存在が知られていないなら、決して読まれる事はありません。
この関門を突破する為の第一歩こそ、『なろうで公開する』ことですが、この一歩だけでは関門を突破したとは言えません。
多くの著者さんは『最初の一歩』だけで足を止めてしまっているため、最初の関門すら潜り切れていないという訳です。
著名な作者さんであれば、『最初の一歩』さえ踏めば、作品を読んで貰えます。
しかしそれは、かつて『全ての関門を抜け切ったことがある』からに他なりません。
つまり、すらぇむさんの『連載エッセイ』は、関門を抜けた事がない人の為の、『二歩目』以降を歩む為のガイドラインという事になります。
実は、ガイドラインに挙げられた他にも、多数のルートが存在しています。
例えば、ラインやファイスブックで執筆作品を公表したり、知人に直接教えたり…などという、『なろう外での活動』という手段が挙げられます。
複数の投稿サイトへ平行投稿する…などと言う手段も流行していますが、『複数のサイトで埋もれる』だけに終わる可能性も低くはありません。
いずれにせよ、『第一歩』を歩んだだけで、座して待っても関門は潜れないという訳です。
何かのアクションを起こしてこそ、関門を潜れるのです。
【第二関門】小説の案内ページを開いて貰う。
これが第二の関門です。
新着や検索の一覧にヒットしても、読者にスルーされたら当然読まれません。
この第二の関門の突破を主眼に書かれたのが、すらぇむさんの『短編エッセイ』です。
別の言い方をするなら、『一覧の中で目を引く手段』という事になります。
エッセイに記載の薄いポイントとして、『あらすじ』が一覧にどう表示されるか…という問題があります。
あたしは、『あらすじ』は粗筋を書く欄ではないと考えています。
書くべきは『前書き』です。
なろうでは『あらすじ』欄は『タイトル』と並ぶ、『小説の顔』なのです。
そして実はもう一つ、『作者名』というポイントも存在します。
あなたの小説は、『魅力的な顔』をしていますか?
二つ目の理由を覆し、『小説を読んでみたい』と読者に想わせるだけの、『魅力的な顔』を持っていますか?
【第三関門】小説本文を読んで貰う。
小説の案内ページへ行ったあと、直ちに小説を読み始めるひとは少ないのではないでしょうか。
あたしは、案内ページの記載を確認して、読むか否かを判断します。
判断材料はまずは、『あらすじ』の全文、選択されている『キーワード』、そして『感想』や『レビュー』の確認をします。
つまり、『これはどんな小説なの?』と、吟味している訳です。
ここであたしが重視するのは『あらすじ』の全文、そして『キーワードの内容』と、『感想』での評価です。
『あらすじ』は、ある意味『作品の試食品』とも言えます。
作者の書き方の癖や好みが顕れます。
ここで「ぐだぐだ」書いてあったら、本文も多分「ぐだぐだ」でしょう。
ここで文章のステートメントが長いようなら、本文も推して知るべき、でしょう。
『あらすじ』は作品の顔であり、試食品でもあるのです。
文章力の腕を見せる、最初の部分です。
読んで欲しいのなら、『最も力を入れるべき』な部分です。
繰り返しになりますが、『あらすじ』に粗筋を書いているようでは、作品は読まれません。
さて、あたしは好みが激しいので、『キーワード』に嗜好外のものが多い場合は、読みません。
つまり、「流行しているから…」という考えで多数のキーワードを羅列すると、『検索にはヒットするが実際には読まれない』という事態に陥る訳です。
まぁ、あたしは偏屈なので、『キーワードが多数ある』≒『内容がたいしたことないのに読まれたいだけ』と、穿ってしまう傾向もありますけどね。
とはいえ『キーワード詐欺』は自縄自縛だと考えるべきでしょう。
そして『感想』ですが、こちらは感想がゼロな場合は、とりあえず作品を読んでみます。(評価不明なので)
ただし、『感想を受け付けない』としてある場合は、だいたいスルーします。
実際に『感想』が記載されている場合は、他の読者の読後感が判ります。
評価の賛否に係わらず、側面からの概要が読み取れます。
つまり、『作品の出来』が朧げに読み取れるという訳です。
しかし…更に重視するのは、『感想への返信』です。
感想を作者さんがスルーしているようなら、あたしも作品をスルーします。
辛辣な感想へ作者さんが反発しているようなら、あたしも作品へ反発を感じて読みません。
しかし…作者さんが辛辣な感想へも、丁重に対応しているのなら…。
あたしも、読みますね。
大切なのは『感想』自体ではなく、『感想への返信』なのです。
【第四関門】小説を楽しんで貰う。
最終関門です。
本文を読んで貰えても、文章が読み難かったり誤字だらけだったら、普通、それ以上は読みません。
また、読者は著者とは異なる知識と思考を持っています。
読むために知識の補充が必要なのであれば、読むのが苦痛になります。
著者が『そんなの有名だろ?』と思っていても、読者が知っているとは限りません。
著者が『全く知られていない知識』だと思ったとしても、読者はその分野のエキスパートかも知れません。
小説は、そこまで配慮して書く必要があります。
方法は簡単です。
『知っていても知らなくても読める』文章を書けばよいのです。
読者へストレスを感じさせない文章、それが大切です。
誤字、長いステートメント、読み難い言い回し、特定分野の知識…全て読む側にはストレスです。
小説を読んで貰うには『書けばよい』のではありません。
『読んでみたい小説』と感じる小説を書く必要があります。
文章力、構成、テクニック…
全てが『読んで貰う』為の道具です。
読み易い文章は、読者にストレスを与えません。
その上で、『意外性』を盛り込んで、『読者を引き込む』必要があります。
「私は文章力がないから…」という言葉をよく目にしますが、それは『文章力のある文章』を取り込めていないからです。
『小説を読んで貰いたい』なら、まずは文章を読みましょう。
読み易い文章を取り込み、読み難い文章を反面教師にしましょう。
文章とは、小説のみではありません。
例えば『取扱説明書』。
読み易い説明書や判りにくい説明書がありませんか?
あなたの小説は、判りにくい説明書の親類のような文章になっていませんか?
悪い例を避け、良い例を取り込みましょう。
まずは文章を多読する。
それが『読まれる小説』を書けるようになる為の、一歩目となるのです。
文章中の短編のエッセイは前編に当たるエッセイのことになります。
リンクが貼ってあるので興味があればどうぞ。
とある読者様による厳しいながらも一読者としての視点による番外編です。
なお、ステートメントという言葉ですが、直接的な意味だと声明とか声明書、またはプログラムの文などという意味ですが、
ここでは、『文頭から末尾まで』に置き換えて読んでいただきたいと思います。
寄稿して頂いたとある読者様に感謝いたします。