表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

「ぽるたーがいすとさん」

episode8

「ぽるたーがいすとさん」


花子さんの後をついて行くこと3分程度。

僕は1階にある倉庫に着いた。

「ここに何かあるんですか?」

僕が花子さんに尋ねると、

花子さんは質問に質問を重ねた。

「七不思議って知ってる?」

答えになってないなぁ、と思いつつも

「一応そういう本も読んだことがあるので、一般知識程度は持ってますよ。」

と答えた。

「そう、じゃあ驚かないかもね、七不思議チームの1人、メイよ。」


ガラッ


「・・・・・・・・・・あ!花子さん!・・・・そこの方は?」

「こいつ?まぁ、その・・・・・、迷い猫みたいなものよ。自己紹介しなさい、冥。」

花子さんがそう言うと倉庫の中にいた花子さんと同じくらいの女の子は自己紹介を始めた。

「えーと、七不思議で雑用担当をしています!中級霊の冥といいます!特技は、ムグ」

サッと花子さんが冥さんの口を止める。

「それに関しては見せたやった方が早いでしょ、冥、見せてやって」

「・・・プハッ!わかりました!」

そう言うと冥さんは手を倉庫にあるガラクタにかざす。

「うーむ、えいっ!」

ガタガタガタガタ

ビュウッ

するとガラクタがまるで意思を持つかのように宙を舞った。

「ポルターガイスト・・・・・?」

僕が聞くと花子さんが答えてくれる。

「正解よ、よくわかったわね。」

「この子の仕事は雑用。いるだけで仕事がすぐに終わるわ。」

冥さんは深くお辞儀をして

「ありがとうございます花子さん!お役に立てて光栄です!」

と言った。花子さんに対して忠誠が高いようだ。

やっぱり花子さん達といると面白い。

そんな事を考えていると花子さんが困ったように口を開く。

「まぁね、ポルターガイストを使うのが冥の能力なんだけど・・・・・、ちょっと弱点があってね。」

「なんですか?」

花子さんが言うほどの弱点だ、よほど恐ろしい弱点なのだろう。

花子さんは冥さんに聞こえないように小声で僕に教える。

「冥は妖気だけで言ったら上級クラスなんだけどね。制御できないから下級程度の実力しかないの。」

「え?でも冥さんは中級って・・・・・?」

「実力は下級、でも能力は上級。ってことでランクは真ん中の中級だと思うわ。それに間違いはない。」

「そうですか・・・・・、でも弱点という程ではないんじゃないでしょうか?」

「私の話ちゃんと最後まで聞きなさい。」

「あ、すみません」

叱られた。失礼な事をしたと思う。だが、興味を抑えきれない。

「えーと、どこまで話したかしら、・・・・・そうね、弱点の話。」

花子さんが一息置いて話す。

「さっき話したとおり、彼女は私のように実力を伴っていない。膨大な力を操作しきれていないの。だからトランス状態、言わばパニックになると膨大な力を制御出来なくなり・・・・・」


「暴走するのよ」


「え、えとその・・・・・トランス状態にさせなければいいんじゃないですか?」


「そういうわけにもいかないの。彼女は大嫌いな物があってそれを見ると」


ドガァッ!

爆音が鳴り響く。

「く、く、蜘蛛おおおおおお!」

冥さんの声だ。

「も、もしかして大嫌いな物って・・・・・」

花子さんが俯きながら言う

「蜘蛛よ」

後ろを振り返ると


そこに倉庫はもうなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ