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「おねえさん」

episode4

「おねえさん」

「じゃ、早速行くわよ」

花子さんはトイレのドアを開け、真っ暗な廊下に出る。

「え、え、どこにですか?」

慌てて閉まりそうなトイレのドアをかすり抜け、

後を追いかける僕に花子さんは言う。

「図書室よ、急がないと大変なことになるからね」

「え、でも受け付けしてる教職員だし、普通に職員室にいるんじゃないんですか?」

「まぁま、見てなって。幽霊の事一番良くわかるのは幽霊だから。」

そう言うと花子さんはふわふわと浮きながら本校舎の玄関へと飛んでいく。

「あ、待って下さい花子さん!」

僕も急いで後を追いかけ、本校舎の玄関へと走る。


走る。


はぁ、はぁ・・・・・

花子さんに追いついた時にはもう僕はヘトヘトだった。

そんな僕に花子さんは

「・・・・・、あんた体力ないのねー。」

と嘲笑した。

「はぁ、はぁ、仕方じゃないですか、はぁ、毎日本の虫なんですから、ふぅ。・・・・・というよりなんで僕を待ったんですか?図書室に行くなら浮いてけばいいじゃないですか」

ふわふわと浮きながら花子さんは言う。

「依頼する立場の喋り方じゃないわね。・・・・・・・・・・まぁいいわ、教えてあげる。飛ぶのも君たちが走るのと同様に疲れるの。あと、本校舎の中知らないし、図書室まで案内しなさい。」

「あ、はい。」

少し物言いにムカッと来たが、

僕は図書室の近くまで花子さんを誘導することにした。

途中何か聞いて場を和ませようとも思ったが図書室に近づくにつれ花子さんの表情が厳しくなっていくのを見て、僕は静かにしておくことにした。

「え、えっと、ここを上がると図書室のある階です。」

「そう・・・・・、じゃ、行きましょう。」

「あ、わかりました。」

どうせ夢だろうしそんなに危機感もない。

僕は図書室の前に着いた。

花子さんが静かに中を見ろ、というジェスチャーをしたので、ドアに付いている窓から中を伺うとそこには受け付けのお姉さんと

「(え?)」

同学年っぽい風貌の男がいた。

「(え、何!?)」

僕は2人に気づかれないように聞き耳を立てる。

「(なになに・・・・・?)」


「うふふ、約束通り来てくれたのね?嬉しいわ」

「えへへー!」

「(えええええ!?!?)」

驚愕、仰天、驚天動地。

突如吹き抜ける失恋に似た感覚。

もういいや。

もうこんな夢覚めろと思いながらも

気になってしまい聞き耳をやめられない。

「(い、いやもしかしたらここからふられるかも!)」

「えへへ、俺お姉さんの事好きでしたから!」

「そう・・・・・。どれくらい好き?魂かけられる?」

「ええ!もちろんです!」

「ありがとう。」

メキメキ・・・・・。

「(ん?何か音が聞こえるな・・・・・。気になる・・・・・。)」

僕はチラ見も追加した。

「!?」

そこで僕が見たものは


「コれデも?」


お姉さんの口から出てきた

幽霊のような性質で

スライムのような体で

ゾンビのような顔で

それでいて雲のように浮く

そんな化け物だった。


即座に理解する


これは夢なんかじゃない


禍々しい雰囲気、

背筋の凍る感覚、

漏れ出しそうな嗚咽、

全てリアルだった。



「(うわああ!!)」

僕は必死に声を殺した。

バレたら死ぬ

バレたら死ぬんだ。


「う、うわああ!!!」

男は気絶して倒れた。それをその化け物が拾い上げ、大きな口で噛み砕こうとした


その時


「どきなさい!」


僕の横のドアを蹴り飛ばし、

花子さんは中に入っていった。


次は戦闘開始となりそうです。

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