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《27》
よく見たらアニーのブーツは底が厚いのに加えて、金属で補強もしてあるようだ。
とはいえ強度の面では問題なくても、結構なスピードで飛んでくる分銅を蹴り落とすなんて芸当は、よほどの運動神経がなければできることじゃない。
なるほど、衛兵隊長と言うだけあって実力もかなりのものらしい。
なんてことを思ってたら、唐突にパティがまた怒り出した。
「いい加減にその足を閉じなさい! 勇者様に変なものが見えたらどうするんですか? 目が汚れます!」
アニーの右足は分銅を蹴り上げた姿勢のまま高く上がって、確かに鎧の裾から何か見えても不思議じゃない。
「あはは、安心していいよ。穿いてるから」
何を穿いてるのかはあえて問わないけど、ふたりの会話が噛み合ってないのは一目瞭然。
よほど相性が悪いのだろう。
「やはりアナタとは、決着をつけなくてはいけないようですね」
蹴り落とされた分銅を手元に引き寄せて、パティが呪詛にも似たうめき声を吐く。
それとは対照的に、アニーの口調はいたって軽い。
「いいよ。ボク、一度スカートさんと本気で勝負してみたかったんだ」
軽い口調でそう言った直後、アニーの目つきが一変した。




