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《14》
とはいえ目先のスケジュールは時限爆弾みたいに着々と進んでくから、爆発させないように毎日の膨大な仕事量をこなすので精いっぱい。
会社のことまで考える余裕なんてないし、考えたところで社長に口出しする権限もない。
たぶん今が一番苦しい時期で、ここさえ抜ければきっとよくなるだろうって、みんなが漠然と思ってた。
それがいよいよ変だぞと思うようになったのは、つい最近のこと。
外から会社に電話がかかってきたんだけど、そのときはたまたま総務の人がみんな席を外してたから、総務に席の近い俺が出た。
かけてきた相手は、ペーペーの平社員にすぎない俺でも何度か社名を聞いたことがあるくらい主要な取引先。
声の調子では40から50代くらいのおじさんで、そこそこ偉い立場の人だろうと察せられる。
「入金の件でご相談したいことがございますので、社長に代わっていただけますか」
「少々お待ちください」
電話を保留にして、同じフロアにいる社長に内線でその旨を伝えた。すると。




