01 反逆者・将門の血を受け継ぐ者
敬愛する山東京伝先生の名作に対する「蛇足」ではありますが、京伝先生に対する「推し活」の一つとして、ご容赦のほどを。
平安時代の中頃、常陸国(今の茨城県付近)で勢力を誇っていた平将門は、自らを新皇と称し、関東全域を制圧した。
そして、相馬内裏と呼ばれる宮廷を築き、独立政府を樹立した。
そのうえ将門は、京都にまで攻め上る勢いだった。
京の朝廷は、この将門による反乱を抑えるため、直ちに追討軍を送った。
こうして政府軍対将門軍の戦いが始まった。
将門には、一人の娘と、妾との間に一人の息子がいた。
娘は、戦乱を逃げ延びて寺に匿われ、出家して如月尼という尼になった。
そして如月尼が18歳の時、4歳になった腹違いの弟・平太郎と共に筑波山の麓の庵に住み始めた。
その理由は、朝敵・将門の息子である平太郎を、世間の目から離れた所で密かに育てるためだった。
そして、ゆくゆくは自分と同じように出家させ、穏やかな人生を送らせたかった。
しかし思い通りにはいかなかった。
平太郎は、父親に似て、気が荒く、腕力も強かった。
そして、本を読んだりすることよりも、野山を駆け回ることを好んだ。
6歳の時には、13歳の近所の猟師の子供を相撲で投げ飛ばした。
ある日、飼っていた鶏を襲った野犬に腹を立てた平太郎は、野犬を捕まえた。
そして、狼の顎に手をかけると、真っ二つに引き裂いて殺してしまった。
これを見た如月尼は、平太郎をきつく叱った。
平太郎も、その場では反省したようだった。
しかし如月尼は、行く末に一抹の不安を感じずにはいられなかった。
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