エピローグ
エピローグ
「先生!!関口さんの陣痛の間隔が5分起きになりました!」
「了解!すぐ行く!」
先生が手術着に着替え準備していると、別の看護師が走って来た。
「先生!陣痛の始まった斉藤さんが、先ほど来院されました。」
「えっ?斉藤さん?予定日はまだ2週間先じゃなかったか?」
「そうなんですけど、陣痛がきてしまったみたいで…。」
「2人同時は厳しいな…。白石先生はもう帰っちゃったかな?」
「すぐ連絡してみます!」
看護師が白石先生の携帯に電話をかける。しばらく応答がなく諦めて切ろうとすると
「もしもし。」白石先生の疲れ切った声が聞こえてきた。
「先生!!今どこですか?もう病院出ちゃいましたか?」
「今出たところ。どうした?」
「良かった!同時に2人の妊婦さんの陣痛が始まってしまって、田所先生1人では厳しいかと…。」
「分かった!すぐ行く!」
「お願いします!」
電話を切り看護師は田所先生のところに走って向かった。
「まだ病院を出たばかりで良かった。」白石先生は空を見上げ「満月か…。」と呟き病院内に入って行った。
「関口さん!赤ちゃんの頭見えてきたよ!あと少しの辛抱!もうすぐ赤ちゃんに会えるよ!頑張れ!」
田所先生の励ましの声が聞こえているのかいないのか、顔を真っ赤にして陣痛と戦っていた関口さんだったが、すぐさま「おぎゃーおぎゃー」元気な男の子が無事に生まれた。
「よく頑張ったね。」と声を掛けていると、隣の分娩室から「おぎゃーおぎゃー」元気な赤ちゃんの声が聞こえてきた。
「これは凄い!ほぼ同時刻に生まれたようなもんだ!こんな事、この病院に勤めて30年経つけど初めてだよ!運命感じるね…。」
先生は驚きを隠せず興奮が止まらなかった。
一方、白石先生も駆けつけてすぐ、無事に斉藤さんの赤ちゃんを取り上げることが出来た。
「斉藤さん、元気な可愛い女の子ですよ。綺麗になったら赤ちゃんとご対面出来ますからね。」と声を掛けると、ママになってばかりの斉藤さんの目から涙がポロポロ溢れた。
「ありがとうございます。私も辛かったけど、赤ちゃんも狭い産道通るとき苦しかっただろうなって思ったら涙が止まらなくて…。一生かけて大切に大切に育てます。」
「そうだね。斉藤さんのベビちゃんは幸せになれそうで安心したよ。」そう言葉をかけ分娩室を後にした。
産後2日目、それぞれの新米ママの部屋には赤ちゃんも同室で一緒に過ごしていた。関口ママと赤ちゃんの健康状態を確認する為に訪れた看護師さんが、血圧を測りながら声を掛ける。
「そういえば関口さん。同じ日に生まれた赤ちゃん、お隣の部屋なんですよ。お会いしてみますか?」
「是非!会いたいって思ってたんです!」
「斉藤さんと言うママさんですよ。次に斉藤さんのところに行くので話してみますね。」
「よろしくお願いします。」
関口ママは、慣れない手つきで赤ちゃんを抱っこし看護師さんを待っていた。
しばらくすると看護師さんが笑顔で戻って来た。
「斉藤さんも会いたがってますよ。行きましょうか。」
「はい。」
赤ちゃんと一緒に緊張気味にお隣の部屋へ。斉藤ママも緊張した様子で待っていた。
「初めまして、関口と申します。」
「初めまして、斉藤と申します。」
お互いに赤ちゃんを抱っこした状態で挨拶をする。看護師さんが
「お2人の赤ちゃん、3分違いで生まれたんですよ。運命感じちゃいますよね。」と興奮しながら伝えると
「本当に!」
2人同時に答え、顔を見合わせて笑う。
「ここに座って下さい。」斉藤ママがベッドに座るよう声を掛け、2人一緒にベッドに腰を下ろす。そこで初めてお互いに赤ちゃんの自己紹介をする。
「初めまして、僕は関口蒼です。」
「あおいくん。素敵なお名前だね。初めてまして、私は斉藤陽菜です。」
「ひなちゃん。とっても可愛いお名前。ひなちゃん、よろしくお願いします。」
そう言って赤ちゃんのギュッと握りしめている小さな手と手を触れ合わせた。すると蒼の手がパッと開き、何かを探しているかのように手をブンブン動かし、陽菜の手に触れたとたん陽菜の手を握りしめた。これには皆が一斉に驚いた。
「こんな事ある?やっと出会えた!みたいな行動じゃないですか!」
看護師さんが興奮しながら寄って来ると、蒼は陽菜の手を離し自分の手をギュッと握った。一瞬の事だったが、感動的な出来事に皆が心温まる思いになった。
「斉藤さん、これも何かの縁のような気がしてならないの。退院してからも仲良くしてもらえますか?」
「もちろんです!私も初めての子育てで不安だったので、嬉しいです。よろしくお願いします。あっ!LINE交換しませんか?」
「しましょう!」
大きなベッドの真ん中に落ちないように2人のベビーを寝かせ、新米ママ達はスマホを取り出し
「わっ!待ち受け可愛い!」
「関口さんの待ち受けも素敵!」と盛り上がっていた。
気持ち良さそうにスヤスヤ寝ている2人のベビー。それを見つめる1人の男性がベッドの横に立っていた。そう!!
彼は神様の秘書的存在の田中氏だ。
「斗真さん、ノアさん、やっと生きて出会うことが出来ましたね。長らくお待たせしました。末永くお幸せに。」
2人のベビーに言葉をかけ、温かく見守るように微笑み、スッと天に上るように消えて行った。
今までお付き合いしていただき本当にありがとうございます!
私にとって、人生初の初の小説でした。語彙力もなく誤字もあり最後まで読んでいただいた方に申し訳ない思いでいっぱいです。と同時に感謝の気持ちでいっぱいです!本当に本当にありがとうございました!




