空エビ……とは……?
なんでこうなった。
どうしてだ。
ふくろの件は言ってしまって差し支えないだろう、というか、言った方がいいだろうという話になった。
理由は色々あるが、俺が完全にふくろに依存している。食事、武器、諸々。これからも隠していくのは難しい。
そして、新種と誤解されている軽トラの件。ソレナさんの憔悴をみるに、隠し続けたらブルエモンギルドに相当な負担をかけてしまうっぽい。
さらに、行商人としての都合。
キーやんが王都ネスマーに到着すれば、自由に行き来が可能になるが、ブルエモンギルドの方が色々と手厚い。ブルエモンを主軸に冒険者ランクを上げるなら、当分ブルエモンにいることになる。
当然、ネスマーでものを買って、いくばくかの利益を乗っけてブルエモンで売るという商売になる。
取引量が増えれば、自然とふくろの存在が不思議として浮かび上がるようになるだろう。
どうせバレるならば、最初から打ち明けておいた方が、信頼を築く上でいいんじゃないか。
まぁ、そういうわけで、ギルドに話に行ったわけだ。
すぐにでも行きたかったんだが、あれよ。
キーやんがミニチュアダンジョンを消化するのに丸一日かかったんだこれが。
しかも、完全に消化してない。
根本だけを食ってくれたんで、ぽきりと地面とお別れした、それをふくろにぶち込んで処理に変えた。
一部しか食べてないが、キーやんはだいぶん大きくなってしまった。出した時の通常サイズのに倍はある。上の部分が膝くらいまできている大きさだ。
小さくなることも可能だが、その分かなり重くなる。床が軋んだので慌てて自然な大きさに戻ってもらった。
キーやんが大きくなるのを恐れる理由がわかった。デカくなるとそれだけ目立つ。小回りも効かない。適正サイズというのがあるみたいだ。
しかし、ミニチュアダンジョンどうするよ。
まぁ、いい。どこかで使えるかもしれないだろ。殴る凶器しか使い道が思いつかないが。
それで、ぶっちゃけに行ったら、北部の空エビ? 討伐を押し付けられた。
しかも、ヴェルツさんがついでにとレサンさんとの依頼分の精算をしてくれて、銀貨5枚ももらった。
あれ? 俺、Eランクだよな?
ともかく、帰ってすぐにアルビンくんに明日から出かけると断っておいた。朝イチだよなぁ。
もう、今日は寝るかぁ。
古城の自室に戻って、ベッドに横たわりながら、冒険者カードを確認する。
うん、Eランクだ。
キーやんが王都ネスマーを目指すために消えた。
俺は用意するものもないし、そのまま今日は寝るかと思いつつ、思案にふける。
まぁ、主な依頼内容はその死骸処理。大量発生したそれの死骸をふくろに詰め込んで処理してくれということらしい。
レサンさんとカーチさんと、後誰だっけ?
もう一人いるらしいから、そっちが主力で俺が永遠と死骸を回収していくって感じかね?
まぁ、確かに面倒なんだよな。大量発生した魔物の死骸の処理って。 何が怖いって、魔物の死骸を食べるために集まってくる魔物が怖い。
小麦の食害って言ってたから、討伐は畑の側になるんだろうし。
なんらかの処理は必須なんだよな。魔法で焼くとかが一番ポピュラーなはずだが。
うーん。どのくらい美味いのかにもよるな。
食材として利用するためには当然、ある程度の形を保って確保しなきゃならないわけで。
欲を言えば、エビだから生きてるままが一番生きがいいよな。
エビ……普通は水に浸したおが屑に包んで輸送する、んだよな?
空飛んでるエビだからなぁ? 水に浸す必要ないし、緩衝材挟んで並べるだけでいいのでは?
……金儲けの匂いがしてきたな、オイ。都会から田舎へ物を流すだけのつもりが、都会にも物を売れるようになりそうだぞ。
空をエビが大群で飛んでるところ、想像できないんだが……?
まぁ、見たらわかるだろ……。
とりあえず、生で食べてみてからの、塩茹かなぁ。それで味は分かるだろう。コンテナの数だけはあるから、いっぱいにするつもりでやってみるか。
もしカネになりそうにないなら、海に捨てにいけばいいだろ。
そんなことを考えていたからか。空飛ぶエビのゾンビ集団に寝込みを襲われて、はらわたを食い破られる夢を見て飛び起きた。




