第32話 奇妙な終わり
リムル「さぁ、観念しろ!」
そう言ってリムルは剣をモルトベールに向ける
モルトベール「クフフフフ」
そんな状況の中、モルトベールは笑い続ける
アマギ「.....何がおかしいの?」
何かを企んでいるのかわからないため、なぜ笑い続けるのか、問う
モルトベール「クフフフフ、貴女魔法使いのくせに私の事何にも知らないのねぇ?」
アマギ「......何?」
意味がわからない事を言い、モルトベールは自分の影の中に入る
リムル「しまった!?逃げる気か!?」
消えた事に驚き、先程までいた場所に走り出す
リムル「逃げたか...........くそ!」
リムルは剣を納めて辺りを見回す
リムル「義姉さん!魔力とか感じませんか?」
モルトベールが消えたとしても、魔力が残っていたら、見つけ出し倒せるかもしれない、そう思ったリムルはアマギに辺り周辺に魔力がないか確かめるように頼んだ
アマギ「わかったわ」
それにはアマギも同意してすぐに展開の準備をする、すると
モルトベール「大丈夫よ?別に逃げたりしないから」
リムル「義姉さん!後ろ!」
アマギ「な!?」
影の中に入り逃げたかと思ったが、どうやら一瞬の隙をついてアマギの影の中に入っていたらしい。
アマギは驚いた反動で、後ろに振り向きながら杖を振る.......が
アマギ「え?」
モルトベール「フフフッ」
何故かモルトベールには当たらなかった。
モルトベールは不敵に笑いながら話す
モルトベール「残念ねぇ、貴女じゃぁ私を殺せないわぁ、そして私も貴女達を殺せないの、この意味....がわかるかしら?」
リムル「.......どう言う事だ?」
モルトベールの言葉に?マークが出てくるが、モルトベールがそれが楽しそうに見ながら答える
モルトベール「私は魔族の中でも珍しい共存派の魔族、まぁその理由は人間の心の中にある本当の気持ちを解き放つ時に出てくるエネルギーを糧に生きているからなの」
アマギ「まさか!?」
そこまで言ってアマギは理解する、つまり
モルトベール「そう、私はアイリちゃんが自分の望みを叶えきるか、別の宿り主の所に行って新しいエネルギーを貰わない限り、どんな事があっても死なない、いや、死ねないが正しいかしら?」
つまり、取り憑いた相手の望みが叶え、そのまま入れば死に、また新たな人間に取り憑けば生きられると言う事だ。
リムル「......だから人間がいなければならないから、共存派と言っているのか?」
リムルも今の話でやっと理解する、つまり
リムル「お前のその姿は実態ではなく、実態は人間の心の中、魂に憑依していると」
だからこそ、モルトベールは実態のあるリムル達を殺せず、自分も殺せない
モルトベール「その通り、そして今回はアイリちゃんのお陰で、当分の間はそんなことをしなくても生きていけるわね」
彼女の心の中、つまり押さえていた感情がそれ程までに凄かったのか、モルトベールはとても満足した雰囲気でいる
アマギ「.............」
しかし、相手は魔族だ、油断は出来ない
モルトベール「大丈夫よ、私は魔王と違って人間と戦争しようとも思わないし、貴女達が何をやっても私は何もしない」
リムル「その言葉を僕たちが信じると?」
モルトベール「信じるか信じないかは貴女達次第よ、少なくとも今回はもうしないわ」
そう言うとモルトベールはアマギの影から出る
アマギ(今回は.....か)
つまりまた枯渇しそうになったら同じ事をするのだろう、しかし今の2人にはどうする事も出来ない
モルトベール「そうねぇ、でも今回は迷惑をかけちゃったお詫びに、これあげる」
そう言うとモルトベールはアマギにとある本を渡す
アマギ「これは......」
モルトベール「魔族達に伝わる魔法や魔術の本よ、危険度や使い方も事細かく書いてあるから、安心して読んでね?」
そう言い残し、モルトベールは彼らの前から姿を消した
リムル「何者なんだ、あいつは」
リムル(しかもあいつは四天王の1人、なのに奴の実力はついぞわからなかった)
結局あの魔族は、多くの事を残して我々の前から姿を消してしまった
リムル「とりあえず、アカギ達の所に戻ろう、義姉さん」
リムル「...............義姉さん?」
声をかけても彼女は反応しない、何かあったのか見ると、彼女は先程モルトベールから貰った本を読んでいた
リムル(何か呪いがあるとか考えないのか?)
そう思いながら彼女の警戒心のなさに引く
アマギ「...........モルトベール、あの魔族は本当に何者なの?」
リムル「.......え?」
アマギはモルトベールから貰った魔導書を読みながら、驚いている。
アマギ「この本、私たちの言語で書かれているのよ、しかもこの本には、私たちでもできる初級用の魔法の応用から、上級魔法、禁術まで、様々に事細かく書かれているわ。今の私たちの人間の技術じゃ、ここまで高性能な魔導書は書けないわ。」
本当に何者よと口に零しながら熱心に読んでいる。多分本当にすごいのだろう。でなければこの状況で読むはずがない。
リムル「義姉さん、その本は後でじっくり読めばいいじゃないですか。早くアカギたちのところに行きましょう。」
そう言って本を取り上げる。
アマギ「あ......」
アマギは玩具を取り上げられた子供のように涙目になりながらこちらを見つめる。
リムル「今はそれどころではないでしょ?」威圧。
アマギ「........はい。」
あまりにも我儘言う姉に威圧してものを言わせる。その甲斐があってか、渋々言うことを聞く。
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一方、その頃ルクス達は
ルクス「................」
アカギ「ルクス...........」
2人は光に包まれているアイリを見る。
deleteは昔「異世界」と呼ばれる者が伝えた魔法で、やり方が色々とある。
ルクス「これでいい。このやり方ならもう苦しまなくていい。」
アカギ「.......そう.....ね。」
徐々に光が消えていく。
ルクス「...............すまない。」
アカギ「.............」
そして、光が無くなり..................
そこにアイリがいた。
アイリ「..........あれ?......私は一体?...........なにを?」
アイリが起き上がり、辺りを見回す。
ルクス「.......気がつきましたか?」
それを見てルクスが話しかける。
アイリ「え?」
ルクス「俺はルクス、こっちはアカギ。」
アカギ「.....初め.....まして。」
アイリはもう一度周りを見渡し、おずおずと話しかける。
アイリ「あの......此処は一体?私は一体......何をしていたんですか?」
ルクス「俺達は魔法の実験で此処に来ていました。そしたら貴女が此処で倒れていたんです。」
アカギ「それ.....で.....起こし.....た。」
アイリ「そうだったんですか?」
ルクス「ええ。」
アカギ「はい。」
ルクス「ところで、貴女の名前は?ここは危ないですし、王都まで俺たちが送りますよ。どうせすぐそこですから。」
そう言ってルクスは王都を指を指す。
アイリ「ありがとうございます。私の……名前……は……」
何か動揺しているのか、あれ?え?と口に零している。
アカギ「どう……か……しまし……たか?」
アイリ「思い出せないんです。」
ルクス「思い出せない?」
アイリ「はい、私は「誰なんですか?」」
ルクス(……)
アカギ(……)
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続く




