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第十四章:瞑の地獄の使者入場

その様子を遠くから眺めている影があった。

「・・・・・あんなことになるなんてあれが『七皇』の実力っていうことかしらね?」

その自体が『七皇』を撃退した結果ということも知らずに、考え込んでいる瞑。

そうしていると後ろから声をかけられる。

「そんなとこで何してる?この混乱に乗じて侵入するというなら容赦はしないよ」

「いえいえ、妹に会いに来たんですがちょっと大変な事になってるようなので遠慮してたんですよ」

後ろを見ずに答える。

正直な所、後ろをみた瞬間殺されると予期した為、振り向く事ができなかったのだが。

「お前、どこの組織だ?」

「『天罰』です、そういうあなたはあの組織の人と思いますので、妹のところまで連れて行ってくれると助かるのですが?」

「そうだな、案内しよう、妹の名前は何ですか?」

敵じゃないと分かって少し安心したような声がしている。

「羽柴 冥っていうんですが、いつも麗香という人の隣にいるそうです」

「あぁ、ボスのお姉さんですか、気づきませんでした・・・・そういえばどことなく似ている感じがします」

「ありがとう、それで・・・・・今は入っても平気なんですか?攻撃を受けているみたいなんですけど・・・・」

どこかに攻められている時に会って迷惑にならないだろうかと瞑は来るまで思案していたのだが。

「ん?別にいいんじゃない?」

なんでそんなこと聞くのか分からないという雰囲気を出しながら紅葉が言う。

そう言って紅葉が歩き出そうとした時、目の前で砂が持ち上がって大きなトンネルを形作った。

瞑が唖然としているが紅葉は別段驚いた様子もなく、

「あぁ、再砂が私達の為に出してくれたのか、なら遠慮なく通して貰おうかな・・・・・いこ、ボスのお姉さん」

「え・・・?あ、うん、今行きます」

トンネルに入ると、暗い道が続いていて、入ったと同時に入口は閉じられた。

焦る瞑に一言紅葉が、

「壁に手をついて向かってきて、安全な分時間がかかるから出来る限りの早歩きで行くよ~」

「はい、了解しました」

そうして歩こうとした時、背中部分に何かが触れるような感触がした。

「ひゃ!」

驚いて女の子らしい声をあげてしまう。

すばやく手が引かれて前のめりに倒れて、自分に触れた何かと自分との間に紅葉が割り込む。

「何者です!!」

暗闇に向けて紅葉が叫ぶ、すると予想外に返事があった。

「仲間の気配くらいは覚えていて欲しいものですね紅葉さん、それでは折角迎えに来た私の立場が台無しだもん」

暗闇に響くのは女声だった。

「・・・・・・・覚えがない、どこの組織?」

「・・あ、そういえば此方からの一方的な面識しかありませんでした、『改水』ですよ紅葉さん」

「という事は一ノ宮 京で間違いないか?」

「はい、砂を通じて再砂さんから少し頼まれごとされましてね、ここを早く通って欲しそうでしたので」

「あの・・・・・・申し訳ないんだけど、早く起こしてくれないかしら?こんな周りが見えない場所にいると怖すぎます」

足下で必死に頭をガードしている瞑を見て、京は笑っていた。

「私が呼ばれた理由はね、ちょっと暗闇の中に居すぎたので光の一切ない暗闇でも多少は見えるからですよ、立ってください」

「あぁ紹介を忘れていたな、彼女は瞑、妹に会いにきたらしいです」

「まったく、それならいろいろと手続きがいるのですよ、許可証やらそれを証明するものを身に付けていないと・・・・」

「そうなんですか?」

多分下から瞑の声が聞こえていた。

「いいや冗談だよ、―――――あぁ、ゴメンゴメンすぐいく、さて二人とも、私に捕まってくれるかしら?」

二人の肩に手を置く京、その手を沿って京を掴む二人。

「準備万端、それじゃ行くけど、吐かないでね」

途端、足が地面から離れて、猛スピードで移動している影響か、風が襲いかかってくる。

二人がその場で目をあけることが出来ていたならば、暗闇で京を目視することが出来ていたならば、二人はこう言った事だろう。

曰く、悪魔、っと。

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