第二章:瞬夜1
すこし遅れてしまいました;
どうも^^godaccelです!
最近PC禁止させられたりされて大変ですが頑張りたいですwwww
「あ~~~~・・・・・暇だなぁ~~・・・・・誰か弄り甲斐があるやつこないかなぁ~・・・・・」
下着の下とシャツ一枚という際どい格好の瞬夜は自宅でゴロゴロと暇を持て余していた。
何故かといえば、ボスである一閃がそう命じたからである。瞬夜が一閃の命令を聞かないことは何かしらの理由がなければありえない、何かと理由をつけて聞かない事も多いが。
ちなみに瞬夜と聞くと男と思うかもしれないが、れっきとした女だ。
コンコンとドアがノックされる。こんな変人?であるところに来る人間は少ない。誰かの命令により仕方なくきた場合、その場合はドアを叩かずに外から叫ぶだけだが。
こういうふうにノックをする奴なんて知る限りでは一人しか居ない。
「開いてるぜ、てかお前鍵持ってるだろが!」
そう怒鳴ると、ドアは開き一人の男が悪びれた様子もなく入ってきた。
男の名は鬼垣 剛毅、『地獄の使者』の重鎮であり、内部組織『秩序』のボスであり、瞬夜の世話役を担っている。本人は嫌がってはいないが・・・・・。
レッドラインの5で、『才気』『砂塵』は砂を意のままにあやつる。
剛毅の手には缶詰がいくつも入っている袋が握られていた、それを見てかなり事態が大変だと分かる。
「・・・・・もうちょっと女らしくしたらどうだ?そうしたらもっと人気が出るとおもうんだが・・・・・」
「いいじゃんか、一閃様の前では女らしいだろ?結構自信あるんだぜ、忍法猫かぶりは」
笑いながら剛毅から袋を奪い、その中からひとつ缶詰を取った。特に食べ物に嫌いものはないので腹が満たされればいいというのが瞬夜の考えだ。
「はぁ~・・・・・それさえ無ければいい女なのにな・・・・・」
「悪かったな!これが素なんだよ!」
瞬夜は缶詰を空けると中にあるものを一気に口に放り込んだ。口の端から少しだけ中のものがあふれる。・・・・・ふむ、ツナだったか。
「おいおい、まったく、俺は食べないからゆっくり食べろよ」
剛毅はタオルで瞬夜の口をぬぐってやり、用意していた箸を瞬夜に渡した。
「はぁ~こいつの相手か・・・・・疲れるなぁ~」
「うっさい!俺だって一閃様のために戦いたいんだよ!!だいたい何で俺が謹慎なんだよ!よりによってこんなタイミングで!」
「静かにしてくれ、後これは予想だが、今回の相手は偵察隊と言えど『悪魔の正義』になるんだ」
「それがどうしたんだよ?」
「いくら強いといっても『地獄の使者』は民間の組織だ、だから追い込まれるかもしれない」
剛毅は、『覇光』が持ち場を護りきったが水鏡が落ち、彰が指揮をとっていることを知っている。
内部組織としては三番目くらいの『覇光』といえども水鏡なしでは二回目の攻撃は防ぎきれないだろう。
『法度』の翔汰が何か案を考えているだろうが・・・間に合わないかもしれない。
「だから、もしかしたら瞬夜を前線に出すかもしれない、いいな?」
「一閃様から止められてるだろ、無理だ」
その時は俺の意見が最優先だ、安心しろ俺が無理矢理させたことにすれば一閃は何も言わんと思う」
剛毅は立ち上がり部屋に一つしかないドアに向かった。それを見た瞬夜は、
「がんばりすぎだろ?もうちょっと部屋にいていいぞ?」
瞬夜は剛毅が自分のことを好いていると知っているから、敢えてそう言った。剛毅は一瞬ためらったが、苦笑いして、
「いやいい、俺には外せない用事があるからな、お前はここで一閃の指示があるか、俺が来るまで待機してろよ、最後の切り札ってことを忘れるな」
そう言って剛毅は部屋を出た。
「素直じゃねぇな・・・・・まぁ、どうでもいいけどよ」
瞬夜はまた転がり、これからの退屈の打破案を考え始めた。
外に出た剛毅は火照った顔を外の空気で冷やしていた。しばらくその熱は収まらないと思えた。
「あいつ、気付いてやがるな・・・・・」
ため息をつく、自分のふがいなさを、瞬夜の意地悪を。
そして前を向く、
「さてと、後ろにはあいつがいる、俺は俺の仕事をしようか」
剛毅は走り出した、目的地は『覇光』の総本部。
内部組織『闇の影』総本部。
一切の物音さえしない無音で暗闇の空間に六人の黒装束に身を包んだ奴らがいた。
男か女かすらも分からない、ただピリピリとした空気がそこにはあった。
一人の隊長格とおぼしき黒装束が幼さの混じったこの場に不釣り合いな程の明るい声で不釣り合いな言葉をだす。
「今回の任務には特Aクラスの難易度があるため、隊列を乱し私の独断で隊を組ませて貰った、意義はあるか?」
返事は無い誰もしゃべらない、ということは反対もない。
「では今回の任務を言う、今回は『悪魔の正義』提督大神 愛、『紡ぎの糸』総指揮大涯 大介に手紙を届けることである」
一人が挙手する、
「手紙の内容は?」
「分からん、それを私達が知る権利もないし知る必要性もない、話をすすめるぞ」
また静寂が戻る。
「敵地潜入の任務であるから、隊は三人一組とする、ボス一閃様からの助言は、捕まるなら敵地中心で捕まれ、だ」
沈黙が流れる反応はない、
「怖じ気づいたものは逃げ出してもかまわん、ではゆくぞ・・・・・任務成功は!」
「「「「「我らの力」」」」」
そこにもう誰一人としていない。残るのは静かな空間だけだった。
「・・・・・まさかお前がやられるとはな、未亜」
三津は目の前のベッドで横たわる未亜をみた。
外傷らしい外傷は見あたらないが微かに体温が低い、おそらくショック状態であろう。
「しかし未亜がショックするほどの者か・・・・・やっかいだな」
未亜の体に手をなぞらせる、体中くまなく、小さく膨らんだ乳房もなぞり外傷が本当にないかを丹念に調べていく。
しかしその行為は未亜がショック状態であることを確信づけるだけだった。
「考えもしなかったな、お前が負けるところなんて・・・・・」
三津の顔が不吉な笑顔をもった、見るものを恐怖にさせる、そんな笑顔を。
「三津、まだ無理ですわよ、予測不能な事態があるようですから、行くというならそれ相応の覚悟をしてもらいます、それにキチンと提督にも報告しますからね?」
後ろから木須が入ってきた。その手には大きな弓が握られていた。
「まぁ言っても無駄でしょうから出来ればこの弓をおもちください、まったくいつものあなたなら考えられない行為ですが仕方がありませんね」
三津はそれを受け取り、
「これは?」
「『才気』を極限まで高めることが出来るように私の『才気』を織り交ぜたものです、それを使えばここからでも攻撃可能ですよ」
三津は弦を引く、確かに遠くまで届きそうな気持ちになれる。
「サンキュー木須、ちょっと殺ってくるよ」
三津が向かうはこの即席の陣地で最も高いやぐら。
「さてどんなヤツが未亜をこんなにしたのかな?」
着くと当然のごとく辺りは開けて、『氷手』の力を存分に発揮できるような場所になっていた。
三津は手に持った弓に精製した氷の矢を番える。
その瞬間三津の視力は跳ね上がり、その目が捕らえたのは移動中の強そうな男だった。
「・・・・・こいつか?」
矢を放つ、また三津の視力は正常値まで下がる。
「いきなりの強襲で細く見えにくい矢を瞬間で捕らえて防ぐことは不可能だ、さて確認するか・・・・・」
三津はもう一度矢を番えるために氷の矢を作ろうとする。
コン―――――――――――!
やぐらの高い部分に何かが刺さった、細くて見えにくい矢、帰ってくるはずの無い矢だった。
三津はそれをしばらくじっと見つめて、
「やるじゃねぇか・・・・・これを防いだのは三人目だ!」
番えてもう一度さっきのやつを探す、しかし何処にもいない、
「どこだ!何処に行った!」
「お前か?さっきの攻撃は?」
「!?」
三津はとっさに後ろに飛び下がった。
やぐらの端にはさっきに狙った男が立っていた。
三津はとっさに矢を十は一気に番えて放つ、しかし相手には届くことはなかった。
相手に当たる前に何かに当たり、矢はすべて落ちてしまうからだ。
「・・・良い能力だな、なんの能力だ?」
「教えると思うか?」
相手は特攻する・・・・・動作の途中で砂になり消えてしまった。
三津の首に刃物が添えられる、
「『砂分身』・・・・・気をつけろ、一対一で後ろをとられたら負けだ」
「あぁ、そうだなこれからは気をつけるぜ、ククク・・・・・」
男は縄で三津を柱に縛り付けた後、砂になって消えてしまった。
「アレが『秩序』の剛毅か、表向きのリーダー・・・・・」
「やっかいなヤツを偵察隊に混ぜてきやがった、まさか西城をだしてくるとはな・・・・・だがこんな手口、大神のやることにしては何か可笑しい気がする・・・・・」
剛毅はチッと舌打ちをして、スピードをあげた。
目の前に見えてきたのは、威厳をただした建物、『覇光』の総本部だ。
入り口の門番に軽く頭を下げて、中に入る。
中は以外と豪華な作りをしていて、そのどれもが、すさまじい気配を漂わせている。
剛毅はエレベーターもじれったいので自分の能力を使い空中を上に走り出した。
最上階の一番奥の部屋に水鏡の部屋がある。
剛毅はドアをノックして、
「剛毅だ、水鏡いるか?」
「入っていいぞ」
許しがでると、剛毅は静かに部屋の中に入った。
ソコにはベッドから少し顔を上げている水鏡がいた。
「もう平気なのか?」
「いや、最前線にはでれそうにないな・・・・・だから来たんだろ?」
水鏡はニッと笑い剛毅を見た。
「まぁな、翔汰がまだ手配してくれるかもしれんから、まだまだ増えるぜ」
「世話になる・・・・・彰にはちゃんといってあるから使ってくれ」
水鏡は申し訳なさそうに頭を下げた。
剛毅は水鏡が責任感が強いと知っているため、こう言った。
「おいおい、何もしない気かよ!?」
多少笑いを含みながら言う、水鏡は思い立ったように、
「そうだな、俺に出来ることをしよう、何かあるか?」
「俺が前線でお前の変わりをする、お前は後ろから何をするか伝達してくれ」
「分かった、お前は思う存分戦ってくれ」
水鏡は重そうにゆっくりと立ち上がる。
剛毅も立ち上がる。
「一応伝えておく、向こうに『蒼炎の破壊神』がいるぜ、気をつけろ」
「『蒼炎の守護神』か、その程度ならまぁいいか、それよりもやっかいなヤツがいるからな」
首を傾げながら水鏡が剛毅をのぞき込む。
「誰だ?」
「お前は周りに気をつけながら後ろから指示を出せ」
一拍おいて、
「こいつは、俺の相手だ!」
「・・・・・あぁ久しぶりにそのお前を見たよ、それほどなら俺がどうにかなるとは思わない」
水鏡はそのまま部屋を出ていき、剛毅もその後に続く。
『絶対防御』、それが剛毅が背負う、最強の呼び名。