:瞬夜2
「終わらないな・・・・・」
京はぼんやりと前を見ると、まだ何人かの『悪魔の正義』の増援部隊が溜まっていた、正確には止められていたのだが。
しかし様子を見るばかりでなかなかこっちにこない、さすがにこれには少々呆れてしまう。
「愛ちゃんも早く気付いてよね・・・・・下っ端が何してるか・・・・・」
だがこのままにしておくわけにもいかず手を前に出す、同時に増援隊は一歩後ろに下がる。
「君たちはもう帰った方がいいな、これ以上の犠牲は無意味だと思わない?」
すでに後方で何人かが引き始めているのだが、がんとして引かない者もチラホラと・・・・・おそらく小隊の隊長あたりだろう。無駄なプライドで立っている。
「来るなら早く来てよー、ソッコーで終わらせるから」
引きもせず来ることもない・・・・・相手側としてみれば攻撃にでる隙をうかがっているのだがそんな隙を京がつくるわけもなく、必然的に場が硬直しているのだ。
「呆れた・・・・・これじゃラチ開かないね、だから・・・・・少し攻撃させてもらうよ?」
すぐさま木陰に入り指を噛む、血が溢れて地に落ちる。
「死んで」
血が落ちた地の上から木が現れ悉く辺りにいる者どもを貫きうねる。
出来た森に一人だけ、残された敵は、ガクガクと足を震えさせ立つ事もままならないようだ。そんなに恐い笑みを浮かべて近づく。
「悪魔・・・・・悪魔め!俺をどうするつもりだ!」
「君には役目があるだから運良く生き残れた、それだけ、別段君である必要性はないんだけどね?ちょっとした私の趣味で・・・・・ね」
なおもその一人に近づいていく。
男は腰を抜かしながらも離れようとする。
「それじゃ、近づけないよ~~そこにいて」
血を一滴垂らすと、また木が生える、今度は男の真後ろに生え、男が当たると同時に蔓で男の動きを封じ込めた。男から悲痛が漏れる。
京が近づくに連れて男は目に見えて震え始める。
二人の距離が限りなく近づいていた。
「いい?あなたはこれから眠らされます、起きてすることは帰ってこのことを提督大神 愛に報告するの、分かった?ちなみに私のことは忘れなさい!」
京はそいつの顔をのぞき込んだ。そいつはガクガクと震えながら、頷いた。
「よし!聞き分けがいい男は好きだよ!」
二人の距離が急激に縮まる。
男は強く目を閉じた。その瞬間に唇に柔らかいものが当たり、何かが口から進入してくる。
目を開けると、敵が目の前にいた。
「フグッ!フググッ!!」
なおも口の中を京の舌がなめ回す。
「プハッ!ハァハァ・・・・・ごちそうさま、それとおやすみなさい、ちょっとだけ美味しかった・・・・・かも♪」
京は立ち上がる。そこでその男の意識はとんだ。
目の前にあるのは敵『悪魔の正義』の偵察部隊の本拠地である。
そこの近くにある部隊が近づいていた。
「あそこが本拠地ね」
麗香は偵察部隊のくせにその場所は基地ともいえるくらいのものを見ていた。決して羨ましいなどと・・・・・。
「麗香様、突撃しますか?」
後ろから声をかけられて振り向く。ソコには『近衛』のナンバー2、羽柴 冥がいた。
「そうね、でももう少し待とうかしら」
そう言って、敵本拠地を眺める。冥は理由を聞きたそうに麗香を見る。それを感じ取った麗香が、
「理由はね、私が一緒に此処まで来てるから、多分来ると思うんだー・・・・・」
どういう意味ですか、と冥が首をひねる、
「優しい人がいるのよ、私にね」
辺りにすさまじい熱気が立ちこめる、気温は上昇し一気に真夏レベルまであげられる。
「あぁ、キタキタ、皆準備して!行くわよ!!」
皆一同に首を傾げる。
代表として、冥が聞く、
「あの~~・・・・・何が来たんですか?」
「あ~気にしない気にしない、まぁすぐに分かるからね」
麗香は一人つっこんだ、
「あっ、ちょっ!麗香様!」
残りのメンバーも麗香の後を追う、
その瞬間上がり続けていた辺りの気温が爆発的に上昇した。
「なんだこれ!?敵の攻撃か!?」
「なんだは無いだろ、せっかく加勢に来てやったのに・・・・・」
冥の後ろには本来いてはならない人がいつのまにかそこにいた。
「一閃・・・・・様?」
『地獄の使者』のトップ、元帥、霧崎 一閃が冥を追い抜き、先頭を行く麗香にならんだ。隣の麗香の顔が花のようにパァッと明るくなる。
「やはり来てくれたのね、センちゃん」
「当たり前だろ、レイが行けば俺もいく、そういっただろ、それに・・・・・」
一閃は少しの間顔を隠してから、
「明日、一人で映画を見ても楽しくないだろ?」
照れくさそうにそう言って、麗香を追い抜いた。
「今を持って『近衛』の全ての命令権を俺に移す!俺が先陣をきる!その混乱に乗じて速やかに敵を滅ぼせ!!」
一閃は躊躇いなく敵の本拠地に単身で乗り込んだ。
「!?一閃様!!」
後を追おうとする冥を麗香が引き留めた。
「後、一、二秒待たないと焼け死んじゃいますよ?」
直後目の前の敵本拠地が一瞬の間に真紅の炎に包まれた。
「どうしたの!?何この炎は!?誰か水系の『才気』はいないか!それとすぐさま警戒態勢を・・・・・!!」
木須は声を上げる、しかしいっこうに何の返事もない。
そう分かるとまず木須は外の様子を確認するために三津がいるはずの高台に向かおうとした。
・・・・・が、
「動くなよ?・・・・・命の保証はしてやる、動けばないと思え、教えといてやるお前の『才気』ではおれには勝てん」
首には何か熱いものがそえられている、おそらく炎を硬質化させたものだろう。
「私を知っていると?あなた何者ですか?」
木須は相手を刺激しないように聞いた。相手の顔が自分の顔のすぐ横にきたのを感じる。
「大神のお気に入りの名前くらいは把握しているつもりだが・・・・・角祭 木須、で間違いないな?」
「大神提督を呼び捨てにするなど・・・・・もう一度問います、あなたは誰ですか?」
「可愛いお嬢さんを俺の争いに巻き込む気は無いぜ」
「誤魔化しは効きません、そんな手には乗りませんよ!あなた、相当な重役でしょう、何者ですか?」
木須は顔を横に向けようとするが、それは妨げられた、強引に正面に向けられる。
「向かない方がいい、まぁ俺の質問に答えてくれれば、姿だけは見せてやる」
ゴクリと木須ののどが鳴る。
「そんなに緊張しなくてもいい、ただこの襲撃の命を出した犯人が知りたくてな、それだけを正直に答えろ!」
「そんなの、大神様に・・・・・」
「違うな、大神はこんなことしない、少なくともこの辺りにはな・・・・・なるほど、誰がしたか分からないのか、ということはそうとうな立場の人間だな」
木須は首を傾げる、その動作に何か感じたのか、首の熱いものが退けられた。
直後首に来る重い衝撃、木須は悲痛を漏らした。
「もうすぐ部下がくる、そいつに運んで貰う、木須、お前が死ぬと何かと大神が厄介になるからな」
木須は倒れた。
それをしばらく見ていると、不意にゾクリと何かを感じた。
「なんだ?妙に懐かしいのが混ざってるきがするな、しかもこれは・・・・・!」
一閃は長い廊下の突き当たりを見る、そこに、白銀の髪白銀の肌をした、淡いブルーの目を持つ女が立ってこちらを見ていた。
視線がぶつかる、互いにずらすことなくただにらみ合う、相手は微笑、こちらは無表情という違いはあるのだが。
そこに冥が来て、一閃に話す。
「この方は確保、捕虜でございますか――――――――――――一閃様?・・・・・どうされましたか?」
「ん?あぁそうだ出来れば俺の部屋に運んどいてくれ、くれぐれも地下牢なんかに入れるなよ?丁重にもてなしておいてくれ、見張りは瞬夜にでも頼んでおけばいいから」
一瞬目を逸らしただけだが、廊下の先にあの女はもういなかった。
「・・・・・あいつ、来てたのか・・・・・」
一閃が眺める先を見た冥だが、そこには誰もおらず、冥は不思議に思ったがすぐに木須を抱えその場を後にした。
一閃はしばらく眺めたままだったが、少ししてまた行動を再開した。
「あいつがいると厄介だな・・・・・手を出さないでくれると嬉しいんだが・・・・・」
一閃はそう願いながら火の手を強めた。
そこには圧倒的な状態が成り立っていた。
「この程度か?お前の異名は尾ひれがつきまくっているようだな・・・・・」
何百という倒れた人々の中心にある男が立っていた。
その前には部下の倒れた部下の姿に畏れるどころかそれを踏みつけて、もう一人女が立っていた。
「やりますね、それが『地獄の使者』の後衛最強の守り手、『絶対防御』ですね、名は鬼垣 剛毅でしたか?」
「そうだが、そういうお前は『蒼炎の破壊神』幸崎 未亜でまちがいないな?」
未亜は部下を踏みつけながら剛毅に向かって突進する。
繰り出されるのは蒼い炎で出来た大きな剣。轟々と燃えるそれは炎でありながら、その質量故に物質化までしていた。
その炎の刃先は剛毅に向かう。
ガキィィィイイイーーーーン!!
が、その刃が剛毅に届くことはない剛毅から十センチは離れた空間で何かによって受け止められていた。
剛毅が不敵に笑う、がその笑顔に喜々としたものはない。
「仲間を踏み台にして・・・・・それか?笑わせる!」
剛毅の手が未亜の首にのびる、未亜はもう一方の手にもう一本剣を造りその腕を切ろうとするがやはり届かない。
当たった瞬間の反動で未亜は後ろに退く。
「逃げるなよ、お前じゃいくら向かってこようが俺に傷一つつけられない、だからおとなしく捕まっとけ、それで全部収まる」
「バカ言わないでよ、私が捕まるとでも?」
未亜は正確に間合いを計る、こちらが一撃を先攻出来、なおかつ相手が向かってこれない距離、位置。
剛毅はため息をつく、
「未亜、君は今無茶なことをしようとしてるだろう?」
「何!?どういう意味だ!!」
「どういう意味って、俺に死角なんてないぜ?探せるはずがない」
剛毅の背後、数十歩離れた位置にいる・・・・・いるはずなのに、未亜は突っ込めない、剛毅が顔だけをこちらに向けているにも関わらずだ。
目は合っていないハズなのにその位置からでも感じる圧倒的な存在意識の認識。未亜は唾を飲む。
【そうよ、一撃・・・・・一撃さえ決まれば!!】
未亜は意を決して突進する。
最大出力で練られた未亜最強の一撃。
ガキィィィイイイーーーーン!!
それは剛毅の肌に当たるか当たらないかの場所で止まっていた。
未亜はその場で倒れる、その腹には剛毅の拳が叩き込まれていた。
「ち・・・・・くしょう・・・・・!」
未亜の意識が飛ぶと同時に炎も消える。
剛毅は仲間を呼ぶ、そして未亜を一閃の部屋まで持っていくように指示する。
「たいしたもんだよ、俺に傷を付けたのはお前で五人目だ」
そして剛毅はある一点を凝視する、戦っている最中からずっとこちらを見ているものにめを向けたのと同義だ。
「今行くから待ってやがれ西城!」
途端に来る大量の氷の矢が天から剛毅に襲いかかる。
コンコン、そうドアがノックされた。
「開いてるぜ」
瞬夜は興味なさそうに、ドアの向こうの人に話しかける、今回は気配で、あいつ、ではないことはわかる。
コンコン、またドアがノックされる。
「開いてるぜ」
生返事でもう一度ドアの向こう側にいるであろう人に声をとばす。
今度はドアが開かれた。
そこに立っていたのは・・・・・。
「おぉ!?懐かしいのが来たな、華鈴」
「お久しぶりね瞬夜、大変地味な所にお住まいなのね、私が華やか過ぎるからそう思うのかしら?」
入って来た華鈴は部屋を見たなりまずそう言った。
瞬夜はそれに対して別に怒ることなどしない。
「まぁ一時的に身を置いてるみたいなものだからな、それで・・・・・何のようだ?まさか旧友に会いに来ただけってわけでもないだろ?」
瞬夜は剛毅が置いていった缶詰を一つ手に取る。
華鈴はそれを見て、
「そんなものよく食べれますね・・・・・話しを進めても良いかしら?」
瞬夜は缶詰を頬張りながら頷く。
「今日来たのは、かつて私達と肩を並べる事が出来たあなたに私の『八皇』に入って欲しくて来たの、どう、やってくれるかしら?」
瞬夜は缶詰を頬張るのを止める。
「『八皇』?嫌だね、俺はあんな組織にははいらない、例え天地がひっくり返ったとしてもな」
「そう、まぁ予想の範囲内ですけど・・・・・ではこうしましょう、一時的に入るってのはどうかしら?」
「華鈴、俺をなめるなよ、俺の能力、特徴は知ってるだろ?」
瞬夜は不敵に笑う、華鈴はかすかにその笑顔に嫌気がさした。
「もう少し言葉遣いを綺麗にしてはどうかしら?」
「へっ!・・・・・一閃にはもう話したのかよ?」
「まだよ、彼には会っただけで十分伝わるでしょう、お返事はまた伺うわ、それじゃ、いい返事を期待しますわよ」
華鈴はそう言って出口に向かった。
瞬夜はそれを引き留める、
「何かしら?何か用がおありなのかしら?それとも、もう決心してくださったの?」
華鈴はまた腰を下ろす、それが致命となった。
「いや、実は今謹慎中なんだよ、それでこの部屋から出られない、そこで」
瞬夜は後ろから棒を取り出す。
「ちょっと遊んでくれないか?」
「私が君と?嫌だ」
「まぁそう言わずに見るだけでいいさ」
瞬夜は棒を左右に奇妙に振った。
「!?瞬夜!あなた――――――――――――!」
華鈴は崩れ落ちた、
「ブラックでも人は人だ、しばらくは一閃のためにここで寝むっていてもらうよ」
瞬夜は棒で華鈴をつつく、華鈴は起きる気配さえ見せなかった。
書いてるうちにどんどん頭がおかしくなってきますw
話がちゃんとつながってるかふあんだなぁ~w




