9章 血の繋がり
九章 血の繋がり
時に驚き時に思考を巡らせる彼と、彼の考えていることに多少の興味がある彼女、そのきっかけとなった少年、三人は現在同じ病室に居る。
「…ね…ねえってば!話聞いてる?」
少年の声がやっと彼の耳に届く。
「ん?…なんだい?、ごめん聞こえてなかった。」
少年はムスッとした様子で彼を見ながらもう一度問いを投げかける。
「だから…おじさんなんかお父さんに似てる!。」
彼が死んだのは少年が産まれて少し後だった。
遺影などで見たのかとも思ったが、少年の目の輝か“せ方が異常だった。
まるで、彼が生きてて少年の側に居るような視線だ。
彼の疑問は増える一方だった。
「今ね、お父さん○○○号室で寝てるの。
お母さんはいつでも目が覚めても良いようにって毎日この病院に来てるんだ!。」
少年の言葉が彼は理解できない。
「お父さんはね、とっても立派なお医者さんだってお母さんが言ってた。
お父さんと話した事ないんだけど、かっこいいなーって思うんだー。」
彼はようやく話を読み込めた。
彼は自分が死んでいたと錯覚していたが、実は彼は生きていて、今まさに目が覚めていない状況であった。
彼はひどく驚いた。
自分が死んだものだと思っていたから無理もない。
そして彼の脳裏には早く元の体に戻りたいという願望が過る。
彼の視界が急に奪われた…
次第に視界が戻ってきた、気がつくとベットの上に横たわっている何者かが居た。
次第にそれが自分であることを理解した。
長い間放置されて居た身体は酷く瘦せ衰えている、だが悪い気はしなかった。
自分が吐く息の音、確実に鳴っている心音、外気の暖かさがとても心地いいものだった。
彼は感覚に酔いしれたが、次第に1番逢いたい人の顔が無い事に気づく。
「 絢香⁉︎」
だが呼ぶ声は小さく霞んでいて自分でも聞き取れない程だった。
視界もぼやけているが見えない程ではない。
周りを見渡した彼はベッドに備え付けの非常ベルがある事に気がつき一心不乱に押す。
「何かございましたか⁉︎」
3分程経った頃、人が病室に駆け込んで来た。
駆け込んで来たのはぼやけてはいるが看護師らしい人物だと感じた。
「か…んこししゃん、」
声を出したが鮮明には伝わらないくらいに濁った声が出る。
それでも看護師には大きなインパクトだった。
「瀬戸さん⁉︎ 目を…覚ましたのですか?少しだけお待ちください。」
看護師の彼は驚きで焦りながらも病院用の携帯を掛ける。
しばらくして何故か角崎が駆け込んで来た。
角崎という保証はなかったが彼はぼやけてはいるものの角崎であると確信していた。
角崎の息は荒くいかにも走って来た用だ。
「先輩、目を覚ましたのですね良かった。」
角崎は安堵していたが、彼は落ち着かない。
彼が見たい顔は愛する妻と子の顔だった。
「ありゃか…。」
彼は無意識に妻の名前を呼んだ。
「今、呼んでみます。少しお待ちを。」
角崎は、彼を宥めながら病院用の一昔前の携帯を持ち出しナースセンターに電話をかける。
「大至急、瀬戸絢香さんに電話で○○○号室に来てもらえるように伝えてください。」
そして少しして、彼の妻と子が顔を見せる。
宮緒さん!私がわかる?」
懐かしさを感じる顔立ちと少し力強くなった声や体格。
妻は変わってしまったのでは無いかと宮緒は少し切なくなる。
「絢香、待たせてごめん、輝もただいま。」
宮緒の発言に妻が凍りついた。
なぜ今まで眠っていて、初対面の筈の彼は輝の事を知っているのか。
その疑問は次の少年の発言で更に深くなる。
「あ!やっぱり栞菜お姉ちゃんの所にいたおじちゃんだったんだ!
おじちゃんがお父さんだったんだ!。」
角崎はその発言に驚きを隠せない。
なぜこの少年は栞菜を知っているのか。
先輩が栞菜と一緒にいた?今まで眠っていた人が?
疑問の連鎖だった。
彼の頭では把握しきれず呆然となる
そして宮緒もこの発言に困惑する。
「輝くん、さっきぶり…。」
その発言に彩香や角崎は、疑問符を浮かべる。
「宮緒さん、意識さっき戻ったんだよね?。」
最初に発言したのは彼の奥さんの彩香だった。
思えば不可解なことが多々あった。
なぜ目が覚めて間もない宮緒が輝の存在を知ってたのか。
なぜ、意識を取り戻して間もないはずなのに普通に会話できているのか。
そして何よりどうして輝の発言が不可解だった。
書き溜めてある分はひとまずここまでです。
今後はメモ帳に書いて残しておいたシナリオを元に作成したいと思います!
今後は先生と言うより息子の方をキー人物にして子供の純粋さを書きたいと思います。
今の世の中子供の純粋さが無いのはいかんね…
週1を目処に作成しようとも考えましたがこれとはまた別シリーズも書きたいのでもしかしたら投稿スピードが遅くなるかもしれません。ご了承ください!




